キラーマシン 魚人族の誇り
キラ達は魚人族のサムに連れられて地上へと向かう。
「何でマリンさんもついて来てるですか?」
「そ、 それは…… 私だって…… もう一度あの方にお会いしたいですから……」
ニコが聞くと、 マリンは頬を赤くしながらモジモジと話始める。
「……どうでもいいじゃない…… 早く地上に戻って…… 勇者を殺さなきゃ……」
「お姉ちゃんはぶれないですね」
キラ達が話していると海面が近づいてくる。
「もうすぐ地上です〰️」
「あぁ〰️ あの方にもう一度会えるのですね〰️」
マリンは身体をクネクネしながら言う。
近くの浜辺に辿り着くと、 マリンは浜辺に座りながら辺りをキョロキョロしていた。
「あの〰️ マリンさん〰️ 何をなさっているのでしょうか〰️?」
「ちょっと待ってて頂けますか 人魚の足?の部分を乾かしていますの!」
「……何で……?」
「何でって…… 人魚は足?の部分が乾燥すると人間の足になりますのよ!」
キラ達の質問にマリンはニッコリ笑って答える。
「じゃぁ…… サムさんは何で陸地にあがらないですか?」
ニコがサムの方を見ると海面に顔半分覗かせてサムが漂っていた。
「我々魚人族はエラ呼吸しかできぬのだ! だからマリン殿の言う男が現れるまでここで待機させて頂こうと思う!」
「な、 なるほどです……」
「……海面から…… 顔だけだしてると…… 不気味……」
キラは冷たい目でサムを見る。
「?」
どこからあはははと言う笑い声が聞こえてきた。
笑い声の方向を見ると1人女性と、 その後を追いかけている男がいた。
「あぁ…… あの方は…… 私の助けた王子様!!」
マリンが言うと海面に反射して見えなかった男の顔がハッキリ見えた。
「ゆ、 勇者…… ですね……」
「はい〰️ 間違いなく……」
「……何で……?」
キラ達はマリンが助けた男が勇者だと気づき、 嫌そうな表情をする。
「おっ! キラ達じゃないか! お前達何をしているんだ? こんな所で?」
勇者はキラ達に気づき話しかけてくる。
「……勇者様こそ…… どうして……?」
「いや〰️ あの日嵐にあたって乗っていた船が沈没しちまってよ! ここにいる女性に助けてもらったんだ!」
勇者は追いかけていた女性を紹介する。
「しかし、 あれから1ヶ月も経ったのによくお前達無事だったな?」
「?」
勇者の言葉にキラ達は顔を見合わせる。
「お姉ちゃん! あれから1ヶ月って何ですか?」
「……おかしいわね…… いいところ…… 1日くらいしか過ぎてないはず……」
「もしかして〰️ 地上と海底で時間軸が〰️ 違うのでは〰️?」
キラ達がこそこそ話していると、 海面にいたサムがジャンプをして勇者の前に立ちふさがる。
「貴様! 貴様の命を助けたのはここにいらっしゃる人魚の姫マリン様だぞ!! それを忘れて他の女にうつつを抜かすとは断じて許せん!! 決闘だ!!」
「うわっ! 気持ち悪いモンスターだな!!」
サムの姿を見て勇者は後ずさる。
「モンスターではない! 誇り高き魚人族の王子! サムだ!! いざ! 尋常に勝負!!」
サムは剣を抜いて、 勇者に斬りかかる。
「うわっ! 危ねぇ!!」
勇者はサムの斬撃をかわす。
「……やるわね…… あの魚人……」
「いいですね! そのまま勇者を殺すですよ!」
「勇者は〰️ 丸腰ですから〰️ サムさんに勝ち目がありますわ〰️」
キラ達は勇者とサムの対決をキャッキャッ言いながら見る。
「このままワンサイドゲームで終わるな!!」
サムがニヤリと笑いながら勇者に再び斬りかかると、 勇者の目の前で倒れる。
「ど、 どうしたですか!?」
「そんな〰️ 勇者はまだ攻撃すらしてませんのに〰️」
「……まさか……」
驚いているニコとサンにキラは何かに気づく。
「お姉ちゃん! 何かわかったですか?」
「キラ姉さん〰️?」
「……サムさん…… エラ呼吸しかできないって…… 言ってた…… 地上では…… 肺呼吸が必要……」
「ま、 まさか!?」
「そんな……!!」
ニコとサンがサムを改めて見ると、
「く、 苦しい…… こ、 呼吸が…… できぬ……」
サムは身体をバタバタしながら苦しんでいた。




