キラーマシン 沈没する船
船は出航し夜になる。
勇者一行も眠りにつき静かな船旅であった。
「お姉ちゃん! ここで勇者を殺すことできないですかね?」
ニコはキラにコソコソと聞く。
「……どうする気……?」
「例えば! この船を沈没させるって言うのはどうですか?」
「……ニコ…… 相変わらず…… バカなの?」
「何でですか!? 真面目に言っているですよ!!」
「すぅ…… すぅ…… すぅ……」
キラのツッコミにニコはプゥっと膨れる。
その横ではサンが気持ちよさそうに寝息をたてていた。
「……ここは…… 海の真ん中……」
「そうですね」
「……船が沈むと…… 私達も…… 沈むの……」
「はいです!」
「……どうやって陸地まで…… 行く気?」
「歩いて行けばいいですよ! 私達沈んでも死なないです!」
「……はぁ……」
ニコ返しにキラは深くため息を吐く。
「何でですか!?」
「……ニコ…… 歩くって…… 方角わかるの?」
「えっ?」
「……陸地までの距離は……? ……もし深海まで落ちたら這い上がれる……? ……浮かない私達が…… できる?」
「えっ…… えっ……と…… ごめんなさいです!」
キラの質問攻めに、 ニコは素直に謝る。
「……わかった…… 私達も…… 寝よ……」
キラはそう言うと横になる。
「はいです……」
ニコもしょんぼりしながら横になる。
「大変です〰️!! 船が沈みますよ〰️! むにゃ……」
突然の叫び声でキラとニコは起き上がる。
「お姉ちゃん!」
「……まずいわ…… 急いで…… 脱出…… ニコ! 荷物…… 忘れないで……」
「はいです!」
キラはサンを抱えてニコと船室を出て脱出用のボートに乗り込み船の外へと脱出する。
「危なかったですね!」
「……そうね……」
「すぅ…… すぅ…… すぅ……」
キラ達はボートからさっきまで乗っていた船を見つめる。
「……」
「……」
「すぅ…… すぅ……」
しかし、 船は一向に沈む気配は無かった。
「お姉ちゃん…… これはどういう事…… ですかね?」
「……よくよく…… 考えたら…… さっきのアレ…… サンの…… 寝言……」
ボートはどんどん船から遠ざかって行く。
「ゆ、 勇者に助けを呼ぶです!」
「……どうやって……?」
「叫んでみるです! おーい!」
ニコは叫ぶが夜中なため勇者やその他に声が届く事は無かった。
「だ、 ダメです! どんどん離されていくです……」
キラ達の乗ったボートはどんどん波に流されて行き、 船は見えなくなってしまった。
そして…… 現在。
「……」
「……」
「……」
キラ達の乗ったボートは漂流中。




