キラーマシン 勇者・クリスVSバフォメット②…からのキラ ◻️
「バ、 バカか!? お前!?」
バフォメットは勇者の行動に理解が示せない。
「その手を…… 離さなきゃまだ…… いくぜ!! 雷撃呪文!!」
「ぐはっ!!」
2発目の雷がバフォメットと勇者に落ちる。
「まだまだぁ!! 雷撃呪文!!」
3発目の雷が落ちた時、 バフォメットの手から勇者の顔が離れる。
「お、 お前!! 正気か……!?」
「当たり前…… だ…… 戦いはこれからだぜ?」
勇者は剣を地面突いて立ち上がる。
「理解が出来ないな! そんな戦い方をして何になると言うのだ!?」
「へっ! お前なんかに理解してもらおうなんて思ってねぇよ!! さぁ! 続きを始めようぜ!!」
勇者は狂気にも似た笑い方をして言う。
「自分の放った呪文でもう虫の息ではないか!! このまま続けたところで結果はみえている!!」
バフォメットは両手で大剣を構える。
「よく戦ったと誉めてやりたいところだが、 これで終わりだ!!」
バフォメットの斬撃が勇者を襲う。
「くそっ!! 速い!!」
勇者は盾でバフォメットの斬撃を受けるもそのまま吹き飛ばされ壁にぶつかる。
「くっ…… くそ…… つぇ……」
勇者は気を失う。
「勇者ぁぁ!!」
クリスがバフォメットに斬りかかる。
「死に損ないが!!」
バフォメットはクリスの行動をよけると同時にクリスの腕を掴み勇者の方へ投げる。
「2人仲良くあの世に送ってくれる!」
「ち…… 畜生……」
バフォメットの手に魔力が集まるのをクリスは睨み付ける。
「さらばだ!!」
「くっ……! ラキ姉さん……」
クリスは目を閉じる。
しかし、 魔力が放たれて来ない。
「?」
クリスが目を開けるとそこにはキラが立っていた。
「ラ、 ラキ…… 姉さん……? 助けに…… 来てくれた…… の……?」
クリスから見たキラは姉のラキにダブって見えていた。
「良かっ…… た……」
クリスはそのまま気を失う。
「なんだ? お前は?」
バフォメットはキラに向かって言う。
「……ただの…… キラーマシン……」
キラはさらっと答える。
「キラーマシン? あぁ…… 魔王が勇者を殺す為に造ったというやつか!」
「……知ってるの……?」
「もちろんだ! どうだ? 今なら勇者を殺す事は蟻を潰すより簡単だぞ? なんなら勇者を殺すのを貴様に譲ってやってもいいぞ? そうすれば貴様の任務は終わりだろう! その後は俺様の配下にしてやってもいい!」
バフォメットはキラに勇者抹殺を譲る事を交渉しだす。
「……確かに…… 今なら…… 簡単に殺せる……」
キラは勇者を見て言う。
「そうだ!! 悪い話ではないだろう?」
バフォメットはニヤリと笑う。
「……でも…… 殺らない……」
「何だと!?」
「……私が殺したいのは…… 今の勇者じゃない…… 勇者が真の勇者になった時…… その時…… 殺す……」
「何を訳のわからない事を言っている!!」
キラの言葉にバフォメットは怒鳴る。
「……自分でも…… 何を言っているのかは…… わからない…… でも…… プログラムじゃない…… 何かが…… そうさせる…… だから…… 今は…… あなたを…… 倒す……」
キラはバフォメットに向かって構えを取る。
「バカな人形だな!! なら、 勇者もろとも葬ってくれよう!!」
バフォメットはキラに向かって大剣を振り下ろす。
パシッ!!
キラはバフォメットの大剣を片手で受け止める。
「何だと!?」
「……この程度の力で…… 魔族の支配…… なんて…… ウケる……」
キラは鼻で笑う。
「に、 人形風情が生意気な!!」
バフォメットは拳をキラに放つ。
「……だから…… 無駄……」
キラはバフォメットの拳を流水の様に受け流す。
「バ バカな!? 何故当たらない!?」
「……攻撃が…… 単調…… 読みやすい……」
「そんなハズはない!!」
バフォメットはキラに蹴りを入れる。
「やったか!?」
「……残念……」
キラの手袋は手甲に変化をしており、 バフォメットの蹴りを受け止めていた。




