キラーマシン 新たな刺客がくる①
「今日も勇者を殺せなかったです〰️」
ニコはテーブルにうなだれる。
「……今日の失敗を…… 明日に活かしましょう……」
「すぅ〰️ すぅ〰️」
ニコに話しかけるキラの横でサンはもう寝ていた。
「そうですね! もう夜中です! 私達も寝るですね!」
「……そうね……」
バン!!
キラ達の部屋のドアを勢いよく開く。
「誰ですか!?」
キラとニコの視線がドアに向かう。
「夜分失礼するッスよ!」
「お邪魔します」
「……」
3人の女の子が、 部屋の中に入ってくる。
「……誰?」
キラが聞くと、 3人の1人のポニーテールの女の子が話しかけてくる。
「アンタ達が、 噂のキラーマシン3姉妹ッスか!? 私は『さ迷ってる鎧』のモンスって言うッス! こっちの髪の毛が短いのが『腐りきってない死体』のスミス! 後ろで黙っているのが『ゴーレム』のレムスッス!!」
「……貴女達…… モンスターなの……?」
「そうッス! 魔王様に品種改良された新たなモンスターッスよ!」
モンスはニカッと笑いながら答える。
「どうでもいいですけど、 ッスが多いです!」
ニコがツッコミを入れる。
「……その3人が…… 何か用……?」
「そうッス! アンタ達が勇者をいつまでも抹殺できないから、この『キラーマシンは今日もグズ勇者を殺せない』って小説を乗っ取って『さ迷ってる鎧のモンスは勇者を殺す』にタイトル変更をしに来たッスよ!」
「……ちょっと…… 何を言ってるか…… わからない……」
「本当ですよ!! そんなのここまで読んでくれた読者さんが許すはずないです!」
モンスの目的にキラはツッコミを入れ、 ニコは文句を言う。
「まぁ、 そう簡単に奪えるとは思ってないッスよ! だから!! どっちが主役にふさわしいか勝負ッス!!」
「……何で……?」
「確かにアンタ達は勇者を殺す為に作られた存在ッス! だけど、 勇者を殺せてないッス!! モンスターは勇者を倒してナンボッス!」
「……まぁ…… せっかく来たんだから…… お茶でも飲む?」
モンスを無視して、 キラは紅茶を入れる。
「すみません! こんな夜中に……」
スミスはペコペコ頭を下げる。
「……どうぞ……」
「あっ! 頂きますね! あっ! おいしい! ダージリンですか?」
スミスは紅茶を飲みながらキラに聞く。
「……わかる……? いい茶葉が…… 手に入ったから……」
「えぇ! この茶葉とても高いのではないですか?」
「……お客様用…… だから…… 良いのを選んだの……」
キラとスミスは紅茶を飲みながら談笑を始める。
「おい! スミス! 何をくつろいでいるッスか!? これから、 コイツ等と戦うッスよ!!」
モンスはスミスに怒鳴る。
「えぇ〰️? モンスちゃんが色んな所をさ迷ってたおかげで歩き疲れて喉が渇いてるんだもん! ちょっとくらいいいじゃん?」
スミスは頬を膨らませる。
「…………」
レムスも紅茶を飲みだす。
「……おいしい……?」
キラがレムスに聞くと、 レムスはニコニコしながら黙って頷く。
「おい! 私にも飲ませるッスよ!!」
モンスも紅茶を頂き、 ほんわかする。
「何なんですかね? コイツ等……」
ニコは3人の様子を見て呟く。




