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キラーマシン 記憶が飛ぶ②

勇者とニコとサンは、記憶喪失のキラを連れて帰り一行に事のあらましを説明する。


「キラタン! 本当に記憶がないの?」


戦士がキラに聞く。


「すみません… 本当に記憶がなくて皆さんの事も覚えてないです」


キラが申し訳なさそうに謝る姿を見て、一行全員が驚く。


「随分と話し方が早いわね!」


「間が無さすぎる…」


「って言うか、 表情が豊か…」


「ちょっと! 皆! もう少しお姉ちゃんを心配して欲しいですよ!!」


ニコが全員に文句を言う。


「ニコさん! 以前の私がどうだったかは知りませんが、 皆さんの態度を見れば想像はつきますから」


キラが困った笑い方をする。


「とりあえず… 今日からの炊事・洗濯・掃除をどうするかだな! 前みたいにニコやサンに任せていたらぐちゃぐちゃになるからな…」


「それなら、私が引き続きやらせてもらいます! 記憶はないですが、 それくらいならできると思いますので」


勇者が言うと、 キラが言い出す。


「では、早速皆さんのご飯の準備をしますね!」


キラは台所へ向かう。


「お姉ちゃん! 手伝うですよ!」


「私も〰️ 行きますね〰️」


ニコとサンも後に続く。


しばらくして。


「皆さん、 出来ましたので召し上がって下さい!」


食卓に並べられた料理は、この世の思えない物が出てきていた。


「お、 おい… 何だこれ? ニコやサンが作った物より禍々しいぞ…」


お椀の中からは、悲鳴の様な「オオォォォ…」って、声が響いていた。


「今日のメニューは、 キマイラの骨でダシに、 ジャイアントシャークのフカヒレとロック鳥の卵をといて入れてから、 サイクロプスの目玉の水晶体でトロミをつけたスープですよ!」


キラは笑いながら言う。


「全部モンスターじゃねぇか!? 一体どこにあったんだ!? そんな材料!?」


勇者は怒りながら言う。


「ご、 ごめんなさい! 裏に置いてあった箱の中身を勝手に使っちゃいました!」


キラは謝る。


「おい! 勇者!! 貴様!! ラキ姉さんに似たキラさんがせっかく作ってくれた物が食えないと言うのか!? それでもお前は勇者か!?」


クリスが勇者に食って掛かる。


「何だと!? じゃぁ、 お前が先に食えよ!! 大好きなお姉ちゃんに似てるキラが作ったんだからよ!!」


勇者はクリスに言い返す。


「わ、 わかった!! ボクが食べたらお前も食べろよ!」


「あぁ! わかった!!」


クリスはスプーンに、キラの作った料理をすくう。


ゴクッ…。


一同がクリスを唾を飲み込んで見守る。


「行くぞ!」


パクッ…。


クリスが一口食べる。


次の瞬間、 クリスは泡を吹いて後ろに倒れる。


「クリス… お前の死は無駄にしない…」


勇者はクリスに手を合わせて祈る。


結局、 誰1人キラの料理を食べれる者は現れなかった。

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