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4~俺の青春好スタート?〜

ヒロインである鬼嶋桜子の正体を知ってしまった主人公の星川龍臣。

さぁ、どうなる?

まさかの遭遇をした第三社会科準備室から場所を移して今は教室で帰りのホームルーム中。


新倉先生が教壇で何やら伝達事項を言っているが先ほどの事件のせいで俺の頭には全くと言っていいほど内容が入ってこない。


何を協力させられるのだろうか、この後起きることを頭の中で何となく考えていると俺の前の席の女子が机をトントン、と叩く。


「これ」

「・・・・お、おう」

 

彼女は短くぶっきらぼうに言う。

何やら配布物のプリントを回しているようだ。


「ちゃんと見なさいよ」


そう言って黒髪を翻しながら彼女は前を向く。

これほど自分の運の無さを感じたことは無い。なぜなら俺の前は同業者ヤクザの女、鬼嶋桜子なのだ。

あ~、気まずいよぉ~、誰か席代わってよぉ~。

鬼嶋から渡されたプリントはどうやら教材購入のお知らせらしい。

だが、プリントの一番下に赤のボールペンでこう書かれていた。


「ウラを見ろ」


え、怖い。

シンプルに怖い。

恐る恐るプリントを捲るとそこには


「この後、第三社会科準備室に来い」


と、もちろん赤のボールペンででかでかと書かれていた。

赤、という点がまた恐ろしさ増す。

あ、これは詰んだ。詰んだ、と言うより死んだ、か。

高校生になって早々にこれかよ・・・・

 

「起立!」


学級委員の男子生徒が号令をかけ、クラスメイトは立ち上がる。

それと共に俺の死へのタイムリミットが刻々と迫ってきているのだ。


挨拶が終わるとクラスメイトはやれ部活だ、やれバイトだ、各々予定に向かって教室を出て行く。

鬼嶋も足早に教室を出て行く。

まさか、もう鬼嶋のところのヤクザがスタンバってんのか!?

行かないって手もありか・・・・

が、俺の脳裏に鬼嶋が書いたであろうプリントの裏の文字が浮かび上がる。

それは、殺意と言う名のインクによって書かれたもののような気がしてならない。俺は渋々鬼嶋に指定された教室へ向かうことに。


まだ、季節は四月。

俺は一年の中で一番過ごしやすい季節だと思う。だが、俺の制服のシャツは変な汗で湿っている。

教室から第三社会科準備室までは校舎が異なるので早歩きでも五分以上はかかるのだが、今日はなぜか一分で着いた。

ような錯覚をした。

それほど嫌ということだ。

俺はふぅー、大きく息を吐いて、震える手で扉を開ける。

俺は開けると同時に地面へ額を当てる。


「本当に申し訳ありませんでしたぁ!!!!」


謝罪の究極進化系『土下寝どけね』だ。土下座よりも効果が高い(俺調べ)。頭の先から足の先で謝罪を表す。もはやこれしかない。

あぁ、星川組うちのヤツらに見られたら失望されるな、コレ。


だが、俺の頭には罵声を浴びせるガラの悪い男の声ではなく、聞いたことのある馴染みの声が降って来る。


「何してんだ?」


あれ? 想像していたのと違う・・・・?

そっと頭を上げるとそこには中等部からお世話になっている女教師の姿が。


「新倉先生? そんなところで何を?」

「何をって、新入部員来るって聞いてな。だろ、鬼嶋?」


何を言っているんだ?

新倉先生の顔の向く方には黒髪を窓から流れる風に吹かれている女子生徒が一人。


「はい。そうです。彼は新入部員です」


ん? んん?


「何だその面食らったようなバカみたいなアホ面は」


と、新倉先生。


「何よそのこの世とモノとは思えないキモイ顔は」


と、続いて鬼嶋。


なぜ俺は罵倒されている?


「顔のことはいいだろ! それよりなんだよ新入部員って」


そうまずはこの問題を片付けよう。

みたところここの空間は何の部活もないように見えるのだが。

鬼嶋は「伝え忘れていたわね」と俺へ顔を向ける。


「ここはこの春から新しく設立された部活動よ」

「は、はぁ・・・・」

「活動内容は人間にはなくてはならいもの、そうコミュニケーション。その技術、力を身に着け、この世知辛い世の中を生き抜くことを目標に活動するわ。見たところあなたも友達少ないようだし、誘ってあげたわ。まあ、もはやもう入部しているけどね」


そう言って鬼嶋はブレザーの内ポケットから、俺の名前がすでに記入されている入部届を取り出す。


「お、おい! 俺はまだ入部するとは言ってないしそれに・・・・」

「さっき、『何でもする』って言ったわよね?」


し、しししししまったぁぁぁぁぁぁ!

すっかり忘れていた。

その状況を見て新倉先生は手のひらをパチンッと鳴らす。


「決まりだな」


勝ち誇った顔をする鬼嶋。

一時間前の自分を恨む俺。


「まあ、いいじゃないか。家柄が似た者同士上手くやれ」


え? てことは。


「先生は鬼嶋の家のこと知ってるの?」

「そりゃ知ってるさ。じゃないと担任は務まらないからな」


新倉先生は俺の家がヤクザだということを知っている。まあ、そうしたら鬼嶋のことも分かるは当然か。


「それにしても同じ家柄のやつらが集まるなんてまさにあれだな」


新倉先生は誇らしげに言った。


「『類は友を呼ぶ』ってやつだな!」


ケラケラと笑っている先生の横で鬼嶋は何かを発見したように、ハッとした表情をしている。


「先生、それです! 部活の名前」

「は? 名前?」


首を傾げる新倉先生。


「『類は友をよ部』です!」


えーっと待って。なにその『あなたはよく頑張りましたで賞』みたいなやつ。

センス無さすぎで・・・・


「それいいな!!!!」


おいおい、嘘だろ、29歳。

割と本気のトーンの声色で鬼嶋の提案に乗る新倉先生。


俺の前でいろいろなことが決まっていく。

変わった部活に、変わったクラスメイト。どっかで見たことあるような・・・・


俺の青春大丈夫か?

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