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初恋  作者: 日下部良介
94/109

94.親友の決意

 校庭で練習に励む彼女を僕は美術室の窓から眺めている。僕の頭の中にはそんな彼女の姿がびっしり詰まっている。僕はデッサン用のキャンバスに鉛筆を滑らせた。


 応募作品には2点まったく違う彼女を描く。

「こいつがのお前の総てだな…」

 そう声を掛けて来たのは木原だった。

「それにしても随分上手くなったもんだ」

「お前も何かに応募すればいいのに」

「写真はもう止めだ。卒業したら家を継ぐ」

 木原はそう言って視線を窓の外に移す。




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