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初恋  作者: 日下部良介
64/109

64.尋問

 早めにチェックアウトした僕は試合会場に近い喫茶店で木原たちと合流した。

「どうだった?」

 にやけた顔で木原が聞いてきた。尚子も目を輝かせている。

「なにが?」

「坂本と同じ屋根の下で一晩過ごした感想さ」

「別に…」

「まさか、何もなかったのか?」

「あ、あるわけないだろう!」

 声が上ずった。

「ふーん…」

 木原が疑いのまなざしを向ける。

「何だよその顔は!」

「ま、いっか」

 にやける二人をよそに僕はさっさと朝食を平らげた。





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