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初恋  作者: 日下部良介
62/109

62.二人きり

 公園からホテルまではあっという間だった。ホテルの玄関で僕たちは手を離した。フロントでルームキーを受け取り、エレベーターへ。他の宿泊客は居ない。二人きり。また手をつなぐ。


 7階。僕の部屋がある。彼女の部屋は12階。

「じゃあ」

 僕は一人でエレベーターを降りる。ドアが閉まる。すると、ドアが閉まる瞬間、彼女が飛び降りた。

「へへへ。降りちゃった」

 彼女が笑う。


 僕の部屋に彼女が居る…。

「ねえ、見せて」

 彼女が微笑む。




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