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初恋  作者: 日下部良介
56/109

56.本音

 試合が始まった。うちは後攻。選手たちが守備位置に散った。ベンチ前、三塁ベースに彼女は居た。ここからだと、守備に就いた彼女がよく見える。


 相手の攻撃。バントを含めて三つの打球が三塁へ飛んだ。彼女は難なくさばいて3アウトチェンジ。そしてうちの攻撃。

 1番打者の彼女が左打席に入った。左打席に入った彼女の姿がここからだとよく見える。


 ベンチがどっちでも僕は彼女がよく見える三塁側に居たかったというのが本音だった。




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