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初恋  作者: 日下部良介
51/109

51.約束

 県大会は土・日の2日間で行われる。出場する生徒と引率の教員は金曜日の終業後に宿泊するホテルへ出発する。僕たちは当日の朝合流することになっている。


「頑張って」

 駅まで見送りに行った僕は彼女に声を掛ける。

「きれいに描いてね」

「君だけ描くわけにはいかないから」

「じゃあ、帰って来たら」

「うん。解った」

 それを聞いた彼女は笑みを浮かべてホームの方へ歩いて行った。


「お前ら付き合っちゃえよ」

 木原がにやけた顔で呟く。




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