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初恋  作者: 日下部良介
48/109

48.特訓の成果は…

 浮かべない。

「沈まないようにもっと足を振って!」

 彼女が手を取ってバタ足の練習。

「目は開けてる?」

 彼女の声がかすかに聞こえる。僕はハッとして目を開ける。そこに見えたのは彼女の胸…。そして、脚…。

「あっ…」

 その瞬間、僕は大量の水を口と鼻から飲み込んだ。


 もともと蓄膿症で水に入ることを禁止されていた。水泳大会までには治るはずだった蓄膿症が悪化した。


「今回は残念だったわね」

 彼女の言葉に僕は複雑な思いだった。




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