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初恋  作者: 日下部良介
31/109

31.予想外の展開

 尚子のことが好きな男子はたくさん居る。

 僕だって、こんな子と付き合えたらいいなと思っていた。

 さっきは急に聞かれて、あんなふうに答えたけれど、今、僕の中には彼女しか居ない。

「じゃあ、決まりね。取り敢えず一緒に帰ろう」

 そう言うと尚子は強引に僕のスケッチブックを閉じた。


 尚子は僕の手を取って引きずるように校庭を横切り、校門の方に向かって歩いた。

 ソフト部が練習をしているすぐ横を通って。

 一瞬、彼女と目が合った。


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