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初恋  作者: 日下部良介
29/109

29.予想外の質問

 翌日の放課後、僕は美術室の窓から校庭を眺める。

 視線の先に居るのはもちろん彼女だ。

「島田君って坂本さんのこと好きでしょう?」

 不意に声を掛けられた。同じクラスの宮井尚子だ。尚子とは1年の時から同じクラスだ。そして、僕が唯一「可愛いな」と思った子でもある。

「別にそんなんじゃ…」

「でも、坂本さんを書いているでしょう?」

 そう言って僕のスケッチブックに目をやる。

「それは…」

「それは?」

 尚子の目が輝いている…。





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