25/109
25.美術室からは校庭がよく見える
「ウチの部に入らないか…」
美術部の顧問をしている担任に声を掛けられた。
放課後、窓から部活をしている彼女を眺めている時だった。
「どうせ暇なんだろう?」
暇と言えば暇だった。僕は頷いた。
美術室からは校庭がよく見える。
僕は窓際の席に座ってスケッチブックを広げた。
「ほう、なかなか上手いじゃないか」
僕のデッサンを見て担任が感心している。
部活が終わって学校を出ると声を掛けられた。
「島田君」
振り向くと彼女だった。