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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
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日米講和条約

日本と米国の講和会議は9月1日から

ハワイ真珠湾に入港した

戦艦大和艦上で行われた。


日本側全権は外務大臣吉田茂、

オブザーバーとして真田の出席も認められた。

米国側は国務長官コーデル・ハルが

席に座った。


吉田はハルを睨み付けるような眼光で

見据えたが、ハルは頑として目を合わせず、

集まったマスコミに形だけの握手を

見せて交渉は始まった。


「長官、今回の交渉は我々に主導権があることを

まずご理解いただきたい。」


ハルは頷くことなく、吉田に条件を突きつけた。

最初に条件を提示することで日本側に握られた

イニシアチブを取り戻すのが狙いであろう。



米国側提示要求

一、中国大陸、東南アジアからの2年以内の全軍撤退

一、大戦終結後の台湾及び朝鮮半島の独立

一、日独伊三国同盟の破棄とナチスドイツへの宣戦布告

一、超巨大戦艦を連合国に引き渡すこと



既に日本国内は海軍が制圧し、陸軍の好戦派は

ほとんど処分されている。

関東軍だけが頑なに抵抗しているが、

本土からの物資が途絶えればいずれおとなしくなるだろう。

他の海外展開中部隊は中央の指示に従うはずだ。


吉田は真田を一瞥した。

真田は微動だにすることなく、ハルの後ろ側の

壁に焦点を合わせている。


しばし沈黙があった。

真田は空気と生唾をゆっくりと飲み込む。

そして、その口を開いた。


「わかりました。海軍はすべての要求を

了承します。

ただし、その条件として米国はドイツ宣戦布告後

ただちに石油輸出停止を始めとする経済封鎖を

解除し、新たな貿易協定を締結することを

日本にお約束していただきたい。」



その後、外務官僚同士で細かな打ち合わせが

いくつかあったのち、

1944年9月5日、日米講和条約が調印され、

天皇はこれを認可した。


こうして2年8ヶ月に及ぶ日米の戦争は

事実上日本の勝利で幕を下ろしたのだった。



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