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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
83/88

終戦への道 5

1944年8月15日午前9時、

海軍陸戦隊は帝都の制圧を完全に終了した。

このクーデターによる陸軍側の死者は800人にも

及び、陸戦隊員も70名が死傷した。

真田による東條の暗殺後、陛下は霞ヶ関一帯に

戒厳令を発令。

最終的には近衛師団司令部が陸戦隊の

説得に応じ、陸軍内部の混乱を沈静化したのだった。


8月17日、

天皇直々の要望と、内大臣木戸幸一の

推挙により、

総理大臣:岡田啓介、海軍大臣:米内光政、陸軍大臣:宇垣一成、

外務大臣:吉田茂らからなる終戦内閣が

組閣された。


それに伴い、吉田茂を全権とし、

海軍次官井上成美、連合艦隊参謀真田正樹を

オブザーバーとする対米交渉団が

20日、ハワイに向けて出発した。



「どうした、体調でも崩したか?」


日本を出発してから3日。

太平洋を横断する大和の防空指揮所で

佇む真田に森下が声をかけた。


「いえ、ちょっと海風に当たりたくて。」


「貴様のところ、来年には子供が生まれるそうじゃないか。」


「はい、今2ヶ月です。初めての子供ですからね。

嬉しいですよ。」



大和の周囲を守る護衛艦は4隻。

軽巡洋艦矢萩と秋月型駆逐艦が3隻。

米国に敵意のないことを示すための

日本側の配慮である。



「なら、この交渉で戦争を終わらせないといけんな。」


その覚悟は真田もできていた。

だがそれは同時に悲しい永遠の別れを

受け入れないと成り立たないこともまた、

真田はわかっている。



真っ暗な東の水平線が徐々に明るみ始めた。

真珠湾まで、あと6日―――――

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