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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
7/88

Aー140

1935年


艦政本部の一室に数人の男が集まっていた。

造船の権威、平賀譲造船中将

若き設計者、牧野茂

その他、主砲や機関の設計担当者や横須賀海軍工廠の主任、

新人造船官2名、内ひとりは真田孝幸の息子幸助である。

そして、軍令部第三課から孝幸の甥、真田正樹少佐が

派遣されていた。



「さて、Aー140戦艦についてだが、」


妙高型重巡洋艦を設計し、世界中を感服させた

平賀中将は、長門型から採用された

集中防御方式をとるべきだと提案した。


「私も賛成です。装甲を増やしすぎれば

傾斜復原力の低下や速力の低下に繋がります。」


牧野が賛成した。

一部、艦全体を装甲化するべきとの意見も

あったが、それだと46cm砲に耐える装甲に

するのは難しくなる。

艦が重くなりすぎるのだ。

こうして、集中防御方式はすんなりと決まった。


「主砲ですが46cm砲の搭載が既に決定しています。

私は前部に連装もしくは三連装2基、

後部にも同じく2基配置するのがよいかと思います。」


「私もそれでいい。

主砲は三連装と連装の混成とするべきだろう。」


牧野、平賀は前後部への主砲配置を提案したが、

他の造船官は前部への3基集中配置を主張した。

こうして主砲についてはいくつかの案が出された。


その後、航続距離や最高速力、排水量について

何度か議論され、結局46cm三連装3基9門、

64000トン、速力27ノットにまとまった。


「さらに本艦を不沈とすべく、

注排水装置を取り付けます。」



注排水装置とは、敵の砲弾によって艦が

浸水し、艦が傾斜した時、反対側に海水を流入する

ことによって艦のバランスを保つ装置である。



「お言葉ですが、牧野さん」


「どうした?」


幸助の隣にいた新人が初めて発言した。


「注水装置なら既存の戦艦にも搭載されて

おります。なにが違うのでしょう?」



新人の鋭い指摘に牧野はにっこり笑った。


「良い質問だ。この装置と既存の装置の違いは

"排水"にある。」



既存の装置は注水した場合、ドック入りまで

排水できなかった。

だがこの新型は注水した水を排水し、

より長期的に戦闘することが可能となる。



さらに、艦底を1000個以上に細分化し、

浸水による被害を最小限に抑える、

艦首を水の抵抗を減らすためのバルバスバウ

を採用するなど、沈まないためのあらゆる技術を盛り込んだ。



「これで日本の造船は世界の先頭を行きますね!」


幸助は嬉しそうに笑う。

牧野たちも笑顔だった。




だが、その笑顔をぶち壊す知らせが入る。



「大変です!

第四艦隊が!」




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