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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
66/88

マリアナ沖大海戦 8

どうしようもない事態に

直面した時、人はそれを

神の仕業だとして怖れる。


欧米では、キリストの怒りとされ、

日本では、妖怪のいたずらや

神の行為と言われた。


ひとえにそれは、

人間が自分たちの叡知が及ばない

領域があることを認めたくないからであり、

"地上の総てを自分たちが支配している"

と思い込む人間の傲慢に他ならない。



では、その信じがたい現象が、

到底受け入れられない現実が、

目の前で起こった時、人間は、どうなって

しまうのだろうか…









「ニュージャージー轟沈!!」




たった1発、

たった1撃で勝負は決した。

戦艦大和の放った8発の主砲弾は

19km離れた米艦隊の先頭艦、ニュージャージー

に向かって飛翔していく。

砲弾はほとんどがニュージャージーの

周辺に巨大な水柱をつくるだけであったが、

そのうちの1発が、ニュージャージーの

中央部を直撃した。



それだけで十分だった。

彼女のヴァイタルパートを

やすやすと貫いた砲弾は

艦の心臓部、ボイラー室に飛び込み、大爆発。



爆発によって右舷の装甲が

吹き飛び、そこから海水が

大量に流入、

ボイラー室に雪崩のように流れ込み、

水蒸気爆発を引き起こしたのだ。


ニュージャージーは艦の中央部から

真っ二つに裂け、太平洋に飲み込まれていった。



「竜骨が折れたようです。」


「よし、目標変更!敵2番艦!」



次に大和の餌食となったのは

ニュージャージーのすぐ後ろを

航行していたアイオワ級1番艦アイオワだった。



「主砲、装填よし、目標よし!」



「撃てぇぇぇぇ!」



だが、大和の第2斉射は惜しくも至近弾と

なり、命中とはならない。

アイオワも大和に反撃し、

主砲弾4発を直撃させる。


しかし、


「敵弾命中!なれど、戦闘、航行、支障なし!」


51cm砲弾ですら耐えしのぐ

大和の装甲の前にアイオワの主砲弾は

虚しく弾かれた。


「第3射用意!」


「誤差修正!装填よし、発射準備よし!」



大和3度目の射撃。

今度は外さない。



「命中!命中!」


パッと艦上に走る閃光。

アイオワに3発の主砲弾が吸い込まれた。

弾薬庫に突き刺さったのだろうか。

轟音を伴い、第二主砲塔が夜空に舞い上がると同時に

船体に亀裂が入り、艦全体がズタズタに

引き裂かれ、真っ赤な火炎と共に

スクラップと化して海底に没した。



「アイオワ級撃沈!」


「よし、次目標、敵4番艦!」



敵の3番艦、サウスダコタ級インディアナは

武蔵、信濃の砲撃を浴びて大火災を

起こし、戦闘力を失って、ただ

海上に浮いているだけの存在と

なっていたため、大和は

その後方を進む敵4番艦、

サウスダコタ級マサチューセッツに

狙いを定めた。



「第4斉射、撃てぇぇぇ!!」



太平洋に次の断末魔が響き渡るまで

さして時間はかからなかった…。





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