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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
49/88

勝つために 3

憲兵隊に拘束されて5日。


真田の容疑(冤罪)は未だ晴れずにいた。

中佐なので、一般人のような拷問に等しい

取り調べこそされないが、

話は誰も聞いてくれない。


福留に憲兵隊を懐柔させるほどの

人脈はない。

だとしたら、書類を偽装した可能性が高い。

真田は何度もその旨を伝えたが、

憲兵はとりあってくれなかった。










拘束から1週間…



「釈放だ。出ろ。」


真田は証拠不十分で釈放された。

突然の出来事だった。


「どうして急に…」


「山本大将から『書類は偽装の可能性がある』と

達しがあったのだ。」


山本長官がまた助けてくれた。

真田は長官のご厚意に心から感謝し、

急ぎ呉に戻った。












「長官、このたびはありがとうございました。」



「礼なら私ではなく、彼らに言ってくれ。

君を助けるために奔走してくれたのは彼らだ。」


山本長官の両側に控える岩田、田代両少佐。

彼らが書類が偽装だという証拠を集めるべく

夜中まで資料をひっくり返して調べてくれたのだと

長官は言った。



「そうだったのか…ふたりとも、感謝する。ありがとう」



「私は、また中佐の講義を聞きたいだけです。」


「私もです。」



丁度1年前に戦われた珊瑚海海戦ののち、

真田は福留にそそのかされて空母派遣を

進言したこのふたりに詰め寄った。

真田と福留、どちらの理論が正しいかは

言うまでもなかった。

真田はふたりが福留に従ったことを責めず、

それが真田に不満をもっていた両名の

心を引き寄せたのである。


「福留も卑怯なことをするものだ。

山口や宇垣からの信用がないのも頷ける。」



二航戦司令官の山口多聞や

連合艦隊参謀長の宇垣纏は

福留と同じ海兵第40期卒業である。



「ともあれ、こうして戻ってくることが

できました。また職務に励みたいと思いますので

よろしくお願いいたします。」


これですべては解決したかにみえた。

しかし、これまだほんの始まりに過ぎなかったのである。



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