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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
40/88

日米機動部隊激突!! 4

13時30分。

米航空隊第二次攻撃隊が

日本艦隊を襲った。

機数は第一次攻撃隊よりも少ない56機で、

F4F、11機

SBD、24機

TBD、21機

だった。


これに対し、日本側も零戦49機で迎撃し、

雲が垂れ込める南太平洋の空で

再び激しい空戦が勃発した。


零戦隊は先程の空戦の後、補給されていない

機が多く、燃料はともかく弾薬に

かなりのペナルティがあった。

7.7mmでは装甲の厚い米軍機を落としきれず、

かなりの機数の突入を許してしまった。


雷撃機8機と急降下爆撃機13機が艦隊に

突撃する。

雷撃隊が狙ったのは当然大破した空鶴だった。

しかし、零戦隊が体当たりせんばかりの

勢いで妨害してきたため、

多くの機が離れたところから魚雷を投下したり、

あさっての方向に発射したりして、

命中した魚雷は1本もなかった。


急降下爆撃隊は、同じく空鶴を狙ったが、

未だに燃え続ける空鶴の黒煙が

照準を難しくし、

思うように命中しなかった。

それでも雷撃隊よりも錬度の高い爆撃隊は

1000ポンド爆弾1発を空鶴に直撃させ、

再び空鶴に損傷を与えた。


米軍機が姿を消したのは13時50分。

日本艦隊の損害は爆弾1発で、

これで空鶴は計4発の爆弾を受けたことになる。


空鶴の火災は一向に収まる気配を見せず、

どす黒い煙が艦全体を包んでいた。

なんとか機関部の燃焼は免れたが、

出しうる速力は10ノットまで低下。

原少将は空鶴に駆逐艦2隻をつけて

スコールに退避させることを進言、

高木中将も即座に同意した。



14時15分、

ポートモレスビーを攻撃していた

日本軍攻撃隊が帰還。

翔鶴と瑞鶴がこれを収容した。

この時点で2隻には168機の航空機が

残されていた。

(零戦57機、九九艦爆61機、九七艦攻50機)

あとは偵察機の敵空母発見報告をまつ

ばかりである。


だが、待てども待てども

敵空母発見の一報はない。


結局18時を過ぎても発見できず、

日本軍はこの日は攻撃を諦めるしか

なかった。





翌6月6日


この日は明け方から徹底した

米空母の捜索が行われ、

10機以上の偵察機が投入された。

空鶴は夜間に戦場を離脱したが、

艦橋を除く艦上部がほぼ全焼し、

修理に半年を必要とすると判断された。

このままやられっぱなしで終われるわけがない。


そんな祈りが天に通じたのか。

7時04分、


『敵空母ラシキ物、複数見ユ!

空母2、巡洋艦3ナイシ4、駆逐艦多数、

地点……』


巡洋艦衣笠の水偵から待ちわびた

電文が舞い込んだ。

敵空母の数も連合艦隊司令部が予測した

2〜4隻とほぼ一致している。


ところが、そこにさらなる情報が

飛び込んでくる。

翔鶴所属偵察機から

先程の衣笠偵察機の報告から東に60マイルの地点に

敵空母を発見したと通信があったのだ。


これは実は誤報で、実際は米軍の油槽船ネオショーと

その護衛の駆逐艦2隻だったのだが、

翔鶴偵察機はこの3隻を米空母と勘違いしたのだ。


もちろん、原、高木らMO機動部隊司令部は

そんなことを知るよしもない。

旗艦翔鶴の艦橋では、幕僚たちが

激論を交わしていた。


「ここは2群まとめて壊滅させるべきだ!」


「戦力の分散は愚作です!

先に2隻以上の艦隊を潰し、残りは

あとからやるべきです!!」


「先に近いほうをやったら遠いほうには

逃げられてしまうではないか!」



参謀たちの議論を静かに聞いていた高木は

言った。


「近くの敵空母を確実に撃滅する!」


この決断はのちに正しかったと証明される。

既に攻撃隊発艦準備は完了していた。

7時35分、

翔鶴、瑞鶴の甲板に

並べられた艦載機の車止めが

一斉に外され、第一次攻撃隊88機が

舞い上がった。




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