Z部隊撃滅戦 2
Z部隊の話が書いてて一番楽しいですww
1月6日 午後3時20分、Z部隊の出撃を
視認した伊65は、全軍に次のように打電した。
『「レパルス」型戦艦二隻、「イラストリアス」型
空母一隻見ユ。地点「フモハ26」針路三四〇度 速力20節 一五二○』
一方、Z部隊を迎撃する日本艦隊は、
南方部隊本隊ならびに南遣艦隊が主力であった。
南方部隊本隊:指揮官 近藤信竹中将
第三戦隊:戦艦扶桑、山城、伊勢、日向
第四戦隊:重巡洋艦愛宕、高雄
第四駆逐隊:第一小隊 嵐、野分、第二小隊 萩風、舞風
第六駆逐隊:第一小隊 響、暁
第八駆逐隊:第一小隊 大潮、朝潮、第二小隊 満潮、荒潮
南遣艦隊:指揮官 小沢治三郎中将
第三航空戦隊:軽空母龍驤
第七戦隊:重巡洋艦鳥海 最上 三隈 鈴谷 熊野
第四潜水戦隊
第五潜水戦隊
戦力だけで見ればZ部隊を凌駕しているものの、
南方部隊本隊は多くがZ部隊から離れたところに
おり、すぐに集合するのは困難であった。
そのため、Z部隊を迎撃できるのは
小沢中将指揮下の南遣艦隊のみであり、
軽空母一隻と重巡四隻で、戦艦二隻と戦うのは無謀
だということは誰もがわかっていた。
そこで、小沢中将は次のような計画を立案した。
①軽空母龍驤艦載機(零戦24機、九七式艦攻14機、計38機)
を以てイラストリアス級空母
艦載機を消耗させ、現場海域の制空権を確保する。
②サイゴンの第二十二航空戦隊(司令官松永貞市少将)
を以て、Z部隊主力艦を
攻撃し、打撃を与える。
③第七戦隊ならびに第四、第五潜水戦隊による
夜間雷撃を行い、Z部隊を撃滅する。
6日午後5時15分、東洋艦隊発見の一報を
受けた小沢中将は、龍驤と第二十二航空戦隊に
Z部隊の索敵及び攻撃を命じた。
しかし、既に航空機が飛べる時間を過ぎていたため、
索敵は明日の朝に見送られた。
7日、午前1時、Z部隊に日本軍がクアンタンに上陸
したとの知らせが入る。
これはのちに誤報と判明するのだが、
この誤報がZ部隊の明暗を分けた。
Z部隊指揮官のトーマス・フィリップ提督は
クアンタンに上陸した日本軍を攻撃することを決定。
その結果、Z部隊は日本海軍の勢力権下に
留まらざるをえなくなったのだ。
午前1時45分、Z部隊を見張っていた伊58が
空母インドミタブルに魚雷5本を発射したものの、
命中せず。
これにより、半日後、世界初の空母同士の
戦闘が行われることになるのであった。