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永久の戦艦 大和  作者: 呉提督
21/88

真珠湾上空、敵影なし!2

1942年 1月5日 08:02 (ハワイ時間)


攻撃は成功した。

ホイラー飛行場のあちこちから黒煙が上がり、

戦闘機が焼ける臭いが漂っている。

対空砲も沈黙しているようだ。

敵戦闘機がおらず、開店休業状態の

零戦隊が対空砲やわずかに残った戦闘機に

機銃掃射を加え、さらに戦果を拡大している。

ホイラー飛行場を無力化したと判断した淵田は

真珠湾のほうへと機体を旋回させた。



・・・・・・


第一次攻撃隊一波から遅れること15分。

攻撃隊第二波、196機が真珠湾上空に到達した。

目標は真珠湾に停泊する米戦艦、米空母である。

この第二波の隊長は飛龍航空隊の友永大尉。

彼は真珠湾をぐるりと一周し、

停泊艦船を確認させた。


「機長!空母サラトガに、ホーネットもいます!」

(この報告は誤りであり、実際にいたのは

空母ホーネットではなく、レキシントン)


「おや、一隻は何処に行った?」


攻撃前の打ち合わせで聞いた話では

真珠湾に停泊している米空母は3隻とのことだった。

ヨークタウン級空母エンタープライズがいない。

だが、ないものを気にしても始まらない。

ここは8隻の戦艦と2隻の空母を攻撃するだけである。



「攻撃開始!全機突撃せよ!」


日本海軍が誇る雷撃隊が水面スレスレまで

高度を下げていく。

友永は空母サラトガに狙いを定めた。


「投下!」


魚雷を投下し、軽くなった機体を上昇させる。

空母からの反撃はまばらで、当たる気配はない。

魚雷はサラトガにぐんぐん伸びていき、

右舷に巨大な水柱を屹立させた。


「機長、命中です!!」


友永の右腕である二番機も魚雷の投下に成功したようだ。

三番機、四番機もそれにならって魚雷を発射する。


最終的に、この空母サラトガは魚雷5本を

右舷に受け、弾薬庫を誘爆。

大火災と共に爆沈した。


もう一隻の空母レキシントンも負けず劣らずの

有り様だった。

急降下爆撃の神様、江草隊(空母蒼龍所属)の

爆撃を受けたレキシントンは

格納庫で整備していた機体のガソリンに誘爆し、

こちらも大火災を起こした。

そこを雷撃隊に襲われ、魚雷6本を

食らった。

艦は3つに引き裂かれ、粉々になりながら

海面から姿を消した。




戦艦部隊にも猛烈な攻撃が加えられた。


戦艦オクラホマには多数の魚雷が命中

(日本側は12本命中を主張)し、横転沈没した。


戦艦ネバダは爆弾4発と魚雷3発を受け、

電源を喪失。手がつけられなくなり、

総員退艦命令が下された。


戦艦メリーランドもネバダと同様に

800kg爆弾3発、魚雷5本を被弾し、

艦は放棄された。


戦艦ウェストバージニアは魚雷5本以上、

爆弾5発以上を浴び、海中に没した。


戦艦カリフォルニアは不幸にも

艦前方を集中攻撃され、艦首部分が切断。

前のめりになりながら、沈みゆく運命にあった。


戦艦テネシーの損害は8隻の中ではまだマシな

方ではあった。

それでも魚雷2本、爆弾3発を受けており、

自力での航行は不可能となった。


戦艦ペンシルべニアの被害は最も少なく、

爆弾2発の命中にとどまった。


8隻の戦艦の中で一番凄惨な状態にあったのは

戦艦アリゾナである。

葛城所属の水平爆撃隊の800kg爆弾が

二番砲塔を貫通し、主砲弾薬庫で炸裂。

艦は真っ二つに裂け、大爆発を起こし、

どす黒い煙を吹き出しながら沈没した。

アリゾナでは最も多い1031人が亡くなった。




こうして米太平洋艦隊は戦艦8隻、空母2隻を

すべて撃沈破され、壊滅した。

だが、日本軍の攻撃はこれで終わりでは

なかったのである。

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