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時とこね 時の詩

雨塗

作者: 時 とこね

一歩踏み出す


その一歩が

私をどこまでも連れていく


人波に揺られ

狂おしくなっていく思考は


早く出してくれと

心中で叫んでいる


車体の鼓動が

私の鼓動と重なって


それは調和なんかじゃない

気付けば支配されていた


私は自由なんかじゃない

私に尊厳なんかない


私に与えられたのは

すでに失くした記憶の中に


窓の外にぱらつく雨を

私は次々追い抜いていく


私は今日もどこに向かうの?


不安げに外を眺めている

私の鼓動と車体の微動


それらが徐々に弱まって

ドアが開いて人に流され


バランスを崩して

ドアに近付き


一歩踏み出す


曇天の

いつもの街は

雨塗にされ

グレーに染まる


私は今日も

そこに繰り出す

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