第7話 人里の先生との出会い
どーも、まーりんです!
さてと、今回は寺子屋の先生と少しお話したりします。そんなに多くないけどね。
とりあえず宴会の準備なう。
それではゆっくり見ていってね!
永遠亭の皆に宴会のお知らせと別れを告げ、次の目的地は人里である。そこには霊夢や紫などの…いわゆる"能力持ち"以外の人が暮らしている。
「…って所まで説明したわよね?」
「うん。で…今、こうやって霊夢が飛んでるのが…能力なんだよね?」
軽く説明しておこう。能力と言うのは、その人が可能とするモノや特徴などの事である。先程言った霊夢や紫以外にも、萃香や永琳など…紗稀が出会った人物全員が能力を持っている。
「そうよ。『空を飛ぶ程度の能力』で飛んでるの。まぁこの能力を持ってなくても飛べる奴なんてザラにいるけどね。」
「…それって…"魔法"とか…?」
「あら、知ってるの?まぁ私達は魔法を使う力ってことで魔力って呼んでるわ。」
魔力についても説明しておくとする。霊夢も説明していたが、魔法を使う力のことだ。魔法使いは魔力を消費して魔法を使っている。他にも霊力、神力などがあるが…まぁいわゆるMPだ。
「へぇ…それって…私も使えるのかな…」
「うぅん…少し厳しいんじゃない…?」
「…そっか…残念…」
「まぁ分からないけどね。私達と一緒にいたら自然と使えるようになるかもしれないし。」
霊夢としては紗稀を励ましてやりたいのだが、本当に分からないのだ。なにせ、幻想入りした子の面倒を見るのは初めてなのだから。
「ホント!?やった!」
「あ、コラ…私の背中で暴れちゃダメでしょ?」
霊夢の背中…つまり紗稀はおんぶをされている。喜んで身体を揺らしたいのは霊夢も分かるが…危険なのも分かって欲しい。
「あぅ…ごめんなさい…」
「フフッ…まぁ喜ぶのも分かるわよ。紗稀だって自分で飛んでみたいわよね〜?」
「うん…!」
「その時が来たら…私と一緒に飛びましょう。」
「うん!」
紗稀はとにかく楽しみにしているのだろう。自分が飛ぶのを想像して手を広げている。
「だけど手を離しちゃダメ。」
「…はい…」
そして到着。地面に降り立った紗稀は何度もピョンピョンと飛び跳ねている。本当に空を飛んでみたいのだろう。
「…多分いくらやっても飛べないと思うわよ?」
「ほっ…!やっ…!…やっぱり…?」
「また今度にでも飛べる手段を探してみましょ?でも今日はお買い物。」
「分かった…」
まだ納得してはないようだが紗稀はピョンピョンするのを止めた。
「いい子ね。じゃあお買い物しましょうか。」
「うん。どこから行くの?」
「重いのは後回しにして…まずは野菜からかしら。」
「じゃあ八百屋さん?」
「そうねぇ。いや…でもお肉の方が……うぅん…」
霊夢が唸りながら悩んでいると、後ろから声をかけてくる女性が…
「ん、霊夢じゃないか。どうしたんだ?」
「ん…あぁ、慧音。この子の歓迎会をやるための食材を買いに来たのよ。」
「この子…?あぁ、君が萃香の言っていた紗稀か。私は上白沢慧音。この人里にある寺子屋の先生をしている。よろしくな。」
慧音は笑顔で紗稀に握手を求めた。握手など滅多にしなかった紗稀にとってサラッと手を差しのべられることなど数えるくらいしかない。だが少しオドオドしながらも紗稀は慧音の手を取った。
「よ、よろしくお願いします…」
「うむ。しかし何か警戒されてる気がするな。」
「そりゃあんた、いきなり出会った人に全てをさらけ出す訳ないでしょ。」
霊夢は紗稀の生い立ちの説明を言わなかった。別に隠してる訳ではない。ただ、やたらと言いふらすのもどうかと思っただけだ。
「む…それもそうか。まぁそんなに警戒しなくても私は紗稀を食べたりしないから安心してくれ。」
「…わ、分かりました…慧音さん…」
「紗稀、コイツは慧音先生って呼ばれた方が喜ぶと思うわよ。」
「え、そうなの…?」
何が違うのだろうか。慧音"さん"も慧音"先生"も、どちらも敬意を表している呼び方だと思うのだが。
「やはり私は先生だからな。喜ぶと言うか、私自身言われ慣れてるだけだ。どちらでもいいよ。」
「えと…うと…じゃあ慧音先生で…」
折角霊夢に教えてもらったのだ。慧音がどちらでもいいのなら先生と呼ぶことにした。
「ん。分かった。さて…食材を買いに来たと言ったな。その歓迎会の時、私は何を持って行けばいい?」
「そうね…お酒。」
「それは萃香から釘を打たれたよ。ほら、今日お前が買う物で私が持って行ける物なら持って行くから。」
「そりゃお得だわ。なら野菜か魚ね。」
慧音が持って来てくれるのならわざわざ買う必要もない。荷物は減るし、使うお金も減るのだ。
「了解だ。なら私が魚を持って行こう。野菜は他の奴に頼んでおくよ。」
「助かるわ。なら私が買うのはお肉とお酒ね。」
「そうか。あ、紗稀、何か苦手な食べ物とか…大丈夫か?」
「うん。大丈夫…!」
それを聞くと慧音はホッとした表情を浮かべた。寺子屋に物凄い好き嫌いをする子供でもいるのだろうか。
「それは偉いな。」
「えへへ…」
紗稀のほころんだような笑顔を見て、慧音が可愛いと思ったのは言うまでもない。ちなみに霊夢もだ。
「…ところで…慧音はここで何をしていたの?まだお昼休みには早いんじゃない?」
「あぁそうだった。行かなければならない場所があるんだった。」
「ならもう行った方がいいんじゃない?紗稀にはまた宴会の時に会えるわよ。」
普段ならまだ寺子屋で授業をしてる時間だ。それを後回しにしてでも行かないといけないのなら早めに行くべきだろう。ここでお喋りをしている訳にはいかないはずだ。
「うむ。紗稀とお別れするのは悲しいが、まぁ仕方が無い。紗稀、またな。」
「うん。またね慧音先生。」
「さて、私達も行くわよ紗稀。パパッと買ってお茶でも飲みましょ?」
「あ…ね、ねぇ霊夢…」
「ん?どうしたの?」
紗稀は何か言いたそうにしてるが、中々言い出せない。
「えと…あのね…」
「…どーしたの?何かお願い?」
お願いかどうか聞くと紗稀はゆっくりと頷いた。そんなに遠慮しなくてもいいと霊夢は思っているが。
「そのね…ダメかもしれないけど…その…あ、甘い物食べたいな…って…」
「…えっと…それがお願い…?」
「…うん…お茶するなら…甘い物食べたくなるかなって…」
「フフッ…そんなのお願いする程でもないわよ。何が食べたい?」
霊夢は普通に笑っているが、内心は喜んでいた。人に気を使っておねだりなどしないと思っていた紗稀がしてくれたのだ。しかもとても女の子らしいお願いを。
「栗羊羹!」
「…随分渋いわね…シュークリームとかでもいいのよ?」
「シュークリーム!?…美味しそう…でもお茶には羊羹の方が…」
つまりは食い合わせの問題なのだ。博麗神社には緑茶しかない。シュークリームはどちらかと言うと紅茶に合うだろう。
「ならどっちも買って行けばいいんじゃない?」
「…い、いいの…?」
「もちろんよ。私も甘い物食べたいし。あ、そうそう。お団子が美味しいお店もあるのよね〜」
「お団子!?」
甘い物に敏感に反応を示す紗稀は普通の女の子だ。まぁ入院してたら甘い物は食べられないだろうから仕方ないのだろう。
「そうよ〜!食べたい?遠慮しないでいいからね。」
「…食べたい…です…」
「なら少し早いけどお昼ご飯も食べちゃいましょうか。」
「うん!じゃあ…ご飯とお団子食べてからお買い物する?」
「そうねぇ…重い物持ってお店に行きたくないし、食べてからお買い物ね。」
「じゃあ行こう霊夢!」
「フフッ…そんなに引っ張らなくてもお団子は逃げたりしないわよ。」
手を引っ張られながらも霊夢は笑顔だった。見たことない紗稀を見れた喜びなのか、はたまた甘い物を食べたいのか…それは霊夢にしか分からないだろう。
どーも、まーりんです!
紗稀ちゃんお空を飛ぶ。そしてちょっとだけ能力等についての説明。知らない人もいると思うのでね。
さて、次回は…ちょっとだけ重めと言うかシリアスかな?テーマは約束。
それでは次回もゆっくり見ていってね!