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友達たくさんできるかな。  作者: まーりん
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第5話 竹林の薬剤師

どーも、まーりんです!

今回はお医者さん。なんかどんどん紗稀が子供っぽくなっていく……まぁ子供だからいいんだけど…


それではゆっくり見ていってね!

「ん……ふぁ…ぁ…」


朝、霊夢は伸びをしながら起きる。


「…すぅ……すぅ…」


「んにゃ……おしゃけぇ……」


「…まだ寝てるわね。…全く…萃香は相変わらず寝相が悪いわ…」


2人を起こさないように立ち上がり、布団から思い切りはみ出ている萃香を布団に戻す。


「ふぅ…さて、何から始めようかしらね。」


静かに寝室から出て、いつもの巫女服に着替えながらこれからの予定を組み立てていく。


「って…昨日の内に決めちゃってたわね。今日は人里へ買い物に行かないと…」


既に買う物は決まっている。紗稀の宴会で使う食料とお酒だ。


「…はぁ…昨日の萃香が言ったことが本当ならお酒を買う必要はないんだけど……どうせ足りなくなるでしょうし…」


霊夢はため息を付きながら宴会を想像する。議論の余地無くお酒が足りなくなるのが分かる。


「…まぁ…どうせ紗稀がやる気に満ち溢れてるわよね…危なくない程度にやってもらいましょうか。」


小物を紗稀に持ってもらい、重たいお酒は霊夢が持つ感じになるだろう。どちらにしても紗稀に重たい物は持たせられない。


「……もし紗稀に、霊夢が重そうにしてるからお酒持つ!とか言われたらどうしよう…」


やる気に満ち溢れてる紗稀に言われて断れるのか、断れないにしてもどうしたら危なくないように出来るのか…悩みの種が増える。


「…なんか頭痛くなってきたわ。全く…この私が昨日会ったばかりの子に振り回されるなんて…フフッ。」


愚痴りながらも笑みをこぼす霊夢はとても楽しそうに見えるだろう。


「って…違うわ……人里に行く前に行かないといけない場所があったわね…」


それも昨日言っていたはずなのに忘れているあたり…心のどこかで紗稀をその場所へ連れて行きたくない気持ちがあるのだろうか。


「ふぅ…まぁあの薬師も事情は知ってるでしょうし…何よりそこまでバカじゃないわよね。さて……とりあえず朝食を作るとしましょうか。」










「「ごちそうさまでした。」」


「はい、お粗末様。」


霊夢が作った朝食を食べ終え、紗稀と萃香は満足げな顔をしていた。


「美味しかったね!」


「うん、そうだねぇ。」


「それは良かったわ。」


「ねぇ霊夢…お買い物…行く?」


よほど楽しみなのか、朝食を食べて休む間もなく霊夢に聞いた。しかし、それを少し控えめに聞く所に紗稀らしさが出ている。


「行くわよ。まぁもう少し待ってて?」


「うん!」


「いい子ね。でも…その前に行かないといけない場所があるのよ。」


「……病院…?」


紗稀は分かりやすく嫌そうな顔をする。それも当然だ。昨日言われているとはいえ、好き好んで病院なんて行ったりはしないだろう。それが少女なら尚更だ。


「そうよ。私の友達のお医者さんがいるの。大丈夫、怖くないわ。それどころかそのお医者さんの家族も面白い奴らばっかりよ。」


「…友達になれるかなぁ。」


「なれるわよ。まぁ詳しい紹介は本人達にしてもらうわ。楽しみにしてて。」


「うん…!」


霊夢の友達なら大丈夫だろう。紗稀はそう思っている。それに萃香は友達とは言ってなかったが、知り合いであることは確かだ。危険な相手でないことは間違いない。


「そんな気合い入れる程でもないよ。」


「いいのよ。」


「霊夢!私、注射、頑張って泣かないようにする!」


紗稀の的外れな意気込みを聞いて、霊夢と萃香は大笑いした。


「アッハハハハ!さ、紗稀!注射なんてしないと思うわよ!?」


「え?だってお医者さんって…」


「そうは言っても検査するだけで!クッククク…!お、お腹痛い…!」


「…も、もう!そんな笑わないでよ!」


ヒーヒー言いながらお腹を抱える霊夢と萃香に紗稀は恥ずかしくなりながら静止をかける。


「はぁ…はぁ…フフッ…!」


「ハハハ…あ〜笑ったぁ…」


「もう…笑いすぎ…!」


「あ〜ごめんね。あまりにも面白くて。ほら、そんなに怒らないで?」


怒る紗稀の頭に手を置いてなだめる霊夢。紗稀の怒った顔は一瞬でほころぶ。


「え、えへへ……もう怒ってないよ…」


「フフッ…それは良かった。」


「さてと…霊夢、私はそろそろ呼びかけを始めようかと思うんだけど。」


「ん、そうね。じゃあ私達も行きましょうか?」


霊夢の問い掛けに紗稀は頷く。


「紗稀、また後で会おうね。」


「うん!萃香さん、ありがとね!」


「…おうともさ。じゃあ私は行くよ。」


「萃香、頼んだわよ。」


そして萃香は手を振って神社から去っていった。


「…行っちゃった…」


「またすぐ会えるわよ。さ、私達も移動しましょう。」


「…うん。」









そして紗稀と霊夢がやって来たのは迷いの竹林にある場所。


「うわぁ…おっきい…」


「ここは永遠亭えいえんていって言ってね、ここにお医者さんがいるのよ。」


「永遠亭…長生き出来そうな名前…」


「あ〜そうね。まぁ長生きなんてレベルじゃ…」


霊夢が何か言っていたが紗稀には聞こえない。紗稀もそれを気にしてはいないようだ。


「…霊夢…早く入ろ?」


「そうね。って言っても…そろそろ案内係のウサギが現れるわよ。」


「ウサギさん…?」


紗稀が首を傾げた時、永遠亭の玄関が開いた。


「お客様……って何だ…霊夢……それに…」


「なんだって何よ。」


霊夢が少し睨むように言った相手はうさ耳が生えており、女子高生の制服なような物に身を包んだ少女である。


「あ…えと…七瀬紗稀です…」


「紗稀ちゃんね。私は鈴仙れいせん優曇華院うどんげいん・イナバ。呼び方は好きにしていいよ。」


「う、うどんげ…さん?」


「あ、師匠と同じ呼び方。」


紗稀はすぐに気付いた。うとんげが医者では無いことに。恐らくうとんげの言う師匠が医者なのだろう。


「それはいいのよ。鈴仙、あんたの師匠の元へ案内してくれる?」


「はいはい、紗稀ちゃん。付いてきてね?」


「うん。」


そしてうとんげに医者のいる元へ案内される。永遠亭に入ってすぐは待合室のようになっていたが、そこには誰もいない。


「…ここよ。」


うとんげが足を止めたのはある部屋のドアの前。この中に医者がいるのだろう。


「知ってるわよ。」


「霊夢に言ってない。師匠、お客様です。」


「どうぞ。」


部屋の中から声がする。その声を合図として、霊夢と紗稀は部屋に入る。


「入るわよ。」


「…あなたが来るなんて珍しいわね。」


「えぇ。この子を見てもらいたくて。」


「あ…七瀬紗稀です……」


「あぁ、あなたが紗稀ね。紫から聞いてるわ。私は八意永琳やごころえいりん。薬師で医者よ。」


八意永琳と名乗った女性は長い銀髪を後ろでゆるく三つ編みにしており、赤と青の特殊な配置をした服を着ている。少なくとも1度見たら忘れなさそうだ。


「お薬作ってるのに…お医者さんなの…?」


「そうよ。材料さえあればどんな薬だって作れちゃうのよ?」


「わぁ!凄い!」


「…紗稀、そのお話は後にして…とりあえず診察してもらいましょ?」


霊夢に言われて紗稀はここに来た理由を思い出した。


「あ…そうだね…」


「じゃあ少しだけ身体触るわね。」


「…ふひっ…く、くすぐったい…」


「はぁい、我慢我慢〜!」


必死に我慢してる紗稀を見ながら霊夢は昔聞いたことを思い出した。八意永琳は天才である…と。彼女に作れない薬は無し、更に治せない病は無いと。だからこそ、もしも紗稀に病があるのなら…永琳にかけるしかない。1度でも永琳が診察していればもしもの時、なんとかなるかも。霊夢が紗稀を永琳に見せたのはそんな理由なのかもしれない。


「…永琳、どう?」


「…紗稀、紗稀は肺炎が酷くて…この幻想郷に来たのよね?」


「うん。」


「ちょっと…!何かあるの…!?」


「落ち着いて。全く逆なの。肺炎どころか軽い風邪すら引かない健康体よ。」


永琳の顔には驚きが現れている。普段、冷静沈着とされる永琳が驚くのは珍しい。


「はぁ…なんだ…あんたが珍しく驚いたからびっくりしたじゃないの…」


「そりゃ驚くわよ。ある程度の異常があると思ってたら何もないんだもの。」


「…私…もう大丈夫なの…?」


「えぇ、大丈夫よ。よほどのことが無い限り肺炎みたいな重い病にはかからないわ。」


永琳は紗稀に気を使って言わないが…重い病と言うのは紗稀の死因となった肺炎や…とにかく死亡率が高い病のことだ。紗稀の前で"死"という言葉を使いたくはなかったのだろう。


「ちょっと…よほどのことって…適当ね。」


「そりゃそうよ。私は未来を予知出来る訳じゃないもの。今後の環境、紗稀の生活によって大きく変わっていくわ。」


「…それもそうね…」


「でも…私…どうしたらいいの…?好き嫌いしてないのに病気になっちゃう……」


紗稀が不安になるのも仕方が無い。紗稀は生まれつき身体が弱かったのだ。言ってしまえば対策などしようがない。


「そうねぇ…正直、病気なんてかかる時はかかっちゃうものだけど……やっぱりストレスがかからないようにすることね。」


「…ストレス…?」


「イライラとか…寂しい気持ちとか、とにかくマイナス思考のことよ。」


「私…幸せな気持ちいっぱいだよ!」


紗稀は満面の笑みで言い放った。心の底からそう思ってるのだろう。


「フフッ…それはいいことね。」


「永琳さん…私、もっと幸せな気持ちになりたい…だから…あの……その…」


「…もちろん喜んで。これからもよろしくね、私の大切な友達さん。」


永琳は紗稀の言いたいことを分かっていた。いや、元々知っていたのだ。紫から聞いていたから。


「…ほ、本当に?」


「嘘なんてつかないわよ。」


「フフッ…良かったわね紗稀…」


「うん!」


「まだ喜ぶのは早いわよ紗稀。この永遠亭にはまだ人がいるの。彼女達にも友達になってもらいましょ?」


「本当!?ヤッター!」


紗稀は身体全体で喜びを表現した。それを見て、霊夢も永琳も微笑む。


「じゃあ付いてきて。もう1人の弟子と……かぐや姫に会わせてあげる。」

どーも、まーりんです!

皆大好き永琳さんの登場。

( ゜∀゜)o彡゜えーりん!えーりん!さぁ皆も一緒に!

さて、次回は輝夜。カリスマ発動なるか?


それでは次回もゆっくり見ていってね!

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