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友達たくさんできるかな。  作者: まーりん
2/17

第2話 鬼さんもお友達なんです

どーも、まーりんです!

やってまいりました第2話!とりあえずヒロイン候補を出します。でもヒロインとは限りませんので。

サブタイトルで予想は出来ちゃうかな。うん。


それではゆっくり見ていってね!

紗稀が泣き出して数分後、泣き止んだ時には霊夢の肩はビショビショだった。


「うぅ……目が痛いよぉ…」


「こんだけ泣けばそうでしょうねぇ。」


「ごめんね霊夢……服、濡らしちゃった…」


「構わないわよ。友達だもの。」


友達。その言葉に紗稀は再び泣きそうになる。


「うん…うん…!」


「なんでまた泣きそうになってんのよ…」


「だってぇ……嬉しいから……」


すると紗稀のお腹がグゥウと音を鳴らした。それもそのはずだ。もう夜で、眠っていて何も食べてないし、泣き疲れているのだから。


「…泣くよりも…ご飯にする?」


「うん…お腹減った……」


「ちょっと待ってて。作ってくるわね。」


「あ…私も手伝うよ。」


紗稀が霊夢の後を追うと、外から声が聞こえてくる。誰かが境内から声をかけているのだろう。


「おーい!れーむー!酒飲もうよー!」


「うっ…この声は…」


「…霊夢の…友達…?」


「いや…友達と言うか……ただの酒飲み…」


霊夢がそこまで言うと縁側から頭から角を生やした小さな女の子が入ってきた。


「おい霊夢!いい酒が手に入ったんだよ!」


「はぁ…まだご飯食べてないし…紗稀はお酒なんて飲めないのに…」


「紗稀ぃ〜?ってお前か。初めて見る顔だね。幻想入りでもしたのかい?」


「七瀬紗稀です……あの…その…角が…」


紗稀は角を凝視しながら驚愕の表情をしている。それもそのはずだ。コスプレ、などでは言い表しようのないほどリアルな角なのだから。


「幻想入りして初めて見る妖怪が萃香って…そりゃ驚くわ。」


「ん?あぁ、鬼を見るのは初めてかい?私は伊吹萃香いぶきすいか。正真正銘の鬼さ。」


「…お、鬼…?」


「そうさね。現代で言う…酒呑童子ってのは、私のことさ。」


酒呑童子は日本では伝説の大妖怪の1人である。もちろん紗稀はそれを知っているが……見たことはない。見た目がこうも可愛らしい少女…いや幼女であることは知らなかった。


「…しゅ…酒呑童子…!?だって…酒呑童子って鬼を統べる…」


「ハッハッハ!そんなこともあるけど、私はただのケンカと酒が好きな鬼さね。」


「そんなこともあるんですか……でも想像と全然違います……」


紗稀の想像してる酒呑童子…いや鬼と言うのはもっとゴツくて、大きく、とにかく恐怖を煽るような姿形をしていただろう。


「まぁ普通なら考えつかないわよ。こんな幼女が酒呑童子だなんて。」


「誰がツルペタだい!?多少の膨らみはあるよ!」


萃香は自分の胸をペタペタと触りながら言う。しかし触りながら言えば言うほどツルペタに見えてしまうのは仕方が無いことなのだろう。


「は〜いはい。分かったわよ。そんなことより、ご飯を作りたいのだけど?」


「あ…お腹減った…」


「あ、一応手土産として買ってきたのがあるんだけどね。ほれ、ウナギ。」


そう言って萃香が出したのはそこそこの大きさのある弁当箱みたいな箱だった。そこからはウナギの蒲焼であろういい匂いが立ち上る。


「ん〜!いい匂い!」


「蒲焼…ですか?」


「そうだよ。霊夢はいいとして、紗稀はウナギ苦手だったりするのかい?」


「違います…けど…その…私も一緒に食べてもいいんですか…?私のご飯だけ置いてどっかに行かないですか…?」


紗稀は少し興奮気味に述べた。両親が帰って来ず、1人で夕食を食べているのを思い出したのだろう。


「ん?なんでわざわざ紗稀を1人にしないといけないのさ。いいから一緒に食べよう、な?」


「あ〜あのね萃香……ちょっと耳貸して。」


霊夢は萃香の耳元で紗稀の生い立ち…と言うほどでもないが、紫から聞いたことを話す。


「ほうほう。なるほどね。ならなおさら一緒に食べよう!ほら、こっち来なよ!食べる前にやらないといけないことがあるんだ!」


「うわっ…!」


萃香は強引に紗稀の手を引っ張り隣に座らせる。そしてコップを持たせた。


「なっ…いつの間に私の家のコップを…!」


「細かいことはいいじゃないか。よっと…まぁとりあえずはこれでいいや。うん。」


萃香は愛用の伊吹瓢を取り出し、紗稀に持たせたコップに酒を注ぐ。ちなみに伊吹瓢は紫色を基調とした瓢箪で、酒が無限に湧き出るらしい。


「…これ…何…?」


「おいおい…酒も知らないのか?ま、いいさ。とりあえずグイっといっちゃいなよ!」


「萃香!紗稀はまだお酒なんて……って…もう遅かったぁ…」


「ング…ング……うぇ…ぇえ…変な味ぃ…」


伊吹瓢から出る酒はかなりアルコール度数が高い。酒を初めて飲む紗稀からしたらかなりキツイだろう。更に言うなら元より未成年の飲酒は禁止されている。まぁ幻想郷では関係ないことだが。


「ハッハッハ!流石にまだ飲めないのか。ング…ング…ング…ぷはぁ!でも大丈夫さ!」


「ケホ…うぇ…何が大丈夫なんですか…?」


「一緒に酒を飲んだことがありゃそれはもう友達だからね!これで私と紗稀は友達さ!」


「萃香さんも…私の友達…?」


萃香からしたら当たり前のことを言っているのだ。だが紗稀にはそれが当たり前ではない。友達と言うのがこんなに簡単に出来るなんて…信じられないのだ。


「そうさ!この幻想郷では友達がいない方がおかしいもんさね。」


「…霊夢も…萃香さんも……友達たくさん?」


「そうだよ。霊夢の家ではよく幻想郷の皆が集まって宴会をしたりするんだ。そうすればいつの間にか友達たくさんだよ!」


「…私も……宴会やりたいです…」


宴会と言うのが何をやるものなのか分かっている訳ではないが、紗稀はただ純粋に友達がたくさんほしいのだ。宴会をすればたくさんの人と接することが出来る。そこに着目したのだろう。


「おぉ!そりゃいい!紗稀の歓迎会と銘打って宴会しようじゃないか!」


「んまぁいいけど…今日と明日は止めてよ?」


「えぇ!?なんでさ!たくさん友達つくりたいんだよ!?宴会しかないよ!」


「あんたはただお酒飲みたいだけでしょ?」


もちろんそのためでもある。しかし萃香は紗稀に友達をつくってあげたいのも本当だ。何より鬼は嘘が嫌いなのだ。


「そりゃ飲みたいけどそれより紗稀だよ!紗稀はいい子だし、友達もたくさん出来るって!」


「確かにね。まだ会って少ししか経ってないけど…紗稀はいい子よ。まぁ少しオドオドしてるとこがあるけどね…」


「オドオド……だって…死んだと思ったのに…知らない場所で……」


「そう、それよ。紗稀はまだ私のことを何も知らないでしょ?他に友達を作るのはいいけど…まずは初めての友達の私のことをしっかりと知ってもらわないと。」


なるほど、と紗稀は思った。確かに紗稀は霊夢のことを何も知らない。友達がたくさんほしい紗稀であるが…浅い付き合いは嫌なのだ。ならばまずは霊夢のことを知らないとならないだろう。


「だから…宴会しちゃダメなの?」


「そうよ。それに、いくら何でもこんなに急な話じゃ人が集まらないわ。……人じゃないけど。」


「ハハハ…そうだね。人っぽいのは見た目だけかねぇ…ま、いいさ。皆に手早く伝えてもらうようにあの文屋に言っておくさ。」


「ん、頼んだわよ。」


誰のことを言ってるのかさっぱりな紗稀だが、友達がたくさん出来そうなことは感じ取れていた。期待で笑みが零れる。


「えへへ……友達たくさん…」


「…こんなに可愛い笑顔なのに…どうして友達が出来ないのかねぇ…」


「どれだけ可愛い笑顔でも…それを知る人が少なければダメなのよ。でも大丈夫。あなたの笑顔は私達が知るからね。」


「そうだね。これからも、たくさんの奴に知らせてやろうじゃないか。」


2人の言葉に喜びを感じながらも紗稀は疑問に思うことがあった。


「…凄い嬉しい……けど…なんで霊夢も萃香さんも…私にこんな優しいの…?」


「放っておけないのよ。紫に聞いたからってのもあるけど…あなたはとても悲しそうな目をしてた。」


「そうそう。後はね、紗稀がいい子だからかね。」


「いい子…じゃないです……私は……最初、霊夢が怖かったですから…」


紗稀は泣きそうな顔でそう告げた。しかし霊夢は怒ることもなく、むしろ微笑んで紗稀に声をかけた。


「そう…何でか聞いてもいい?」


「起きたら……知らない場所だし……霊夢も何か見たことない服装してるし……死んだ世界でも私は死ぬんだって思って……」


紗稀は霊夢が怖かった訳ではないだろう。見知らぬ世界で初めて会ったのが霊夢だったから霊夢が恐怖の対象になってしまっただけなのだ。


「そうね〜怖かったわよね〜!でも大丈夫よ。私はそんな細かいことは気にしないから。今はもう友達!これで問題ないわ。」


「霊夢は無愛想だからなぁ…紗稀が怖がるのも無理はないよ。」


「はぁ!?私が無愛想ってどういうことよ!」


霊夢は少し怒ったように声を荒らげた。自覚をしていたとしても人に言われるとムカッとするものだ。


「さっきだってさ、私が来たのに無愛想な対応だったじゃないか。」


「あんたの対応するくらいなら紗稀のご飯を作るに決まってるでしょう?」


「あ…お腹減った……」


紗稀がまだご飯を食べていないことを思い出して口を開いたのだろう。事実、先程から霊夢と萃香に聞こえない程度ではあるが、お腹が鳴っている。


「フフッ…ごめんね。じゃあ作るとしましょうか。」


「あれ?私のウナギは?」


「もちろん食べるわよ。でも足りないでしょ?特に紗稀が。」


霊夢は紗稀の方を見て言った。お腹の音は聞こえてなくても気付いていたのだろう。


「あ…ぅう……だって…お腹減ったんだもん…」


「大丈夫よ。言ってくれれば紗稀が食べたい物をたくさん作ってあげるわ。」


「ありがと……霊夢、私も料理したい…」


紗稀は基本的な家事なら出来る。と言うか、出来ないと生活が出来なかったのだ。


「料理出来るのかい?」


「うん……ママとパパに食べさせてあげたくて…覚えた……」


萃香はマズイと思った。紗稀に嫌なことを思い出させてしまったから。だから話を明るくするために瞬時に言葉を発した。


「そうかい。そりゃ楽しみだね。私達なら紗稀の料理をたくさん食べてあげるよ!さぁ!早く作るとしようじゃないか!」


「うん…!たくさん作るね…!」


「萃香も手伝うに決まってるでしょ?ほら、皆で作るわよ。」


「はいはい。分かってるさ。」


「えへへ…皆で料理…楽しみ…」


こうして3人は料理を作った。紗稀はとても嬉しそうに腕を振るっていた。

どーも、まーりんです!

はい、ヒロイン候補は萃香でした。もちろん霊夢もヒロイン候補です。

さて、とりあえず次回は霊夢と萃香とお話する回になります。お風呂もあるよ。ちなみにテーマは幸せ。


それでは次回もゆっくり見ていってね!

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