第14話 家族になって初めての夜
どーも、まーりんです!
ひっじょーっに申し訳ありませんでしたー!!やっと書けましたので……
さて、今回は…例に変わらずベタベタしてますよ。ってか前回とちょっと被ってるかも…?
それではゆっくり見ていってね!
「…さてと…これで今日の家事は全て終わったわ。紗稀、お疲れ様。」
霊夢は布団を敷き終えた所で頭のリボンを取る。結んであった髪の毛がサラリと垂れる。
「うん、お疲れ霊夢。」
「一緒に歯磨きもしたし…後は本当に寝るだけだけど…どうする?」
「うーん…まだ眠くないかな…」
「そうねぇ…少し早いかしらね。ならどうする?」
そう言われて紗稀は首をかしげながら何か思い付いたことを口にした。
「…と、とりあえず…霊夢とお話したい…」
「お話…もちろんいいんだけど……えっと…何を話したらいいのやら…」
「…言われてみると…そうだね…」
はっきり言って霊夢にネタはある。ただ、たまには紗稀に話を振ってもらうためにわざと悩んでいる。
「…何かある?」
「…霊夢ってさ、髪の毛キレイだよね…私より長いし…」
「まさかの髪の毛の話……でも紗稀の髪の毛もキレイよ?長さは…紗稀も長いし。」
今更ながら説明不足だったから説明しておくと…霊夢も紗稀も黒髪ストレートだ。ただ、紗稀の長さはセミロングくらいだ。
「昔はね…この髪型嫌いだったの。」
「…それだと私の髪型も否定されてるんだけど。理由を聞いてもいい?」
「…霊夢とは少し違って…私は前髪長いから…重く見えるんだ…」
確かに左右に別けないと目を隠してしまうほど前髪が長い。これは重く思われるかもしれない。
「うーん…まぁ言われてみりゃそうかもしれないけど…」
「でもね、今は嫌いじゃないの。」
霊夢の頭は少し混乱する。嫌いと言ったそばから嫌いじゃない……一体どう言うことだろうか。
「…詳しい説明をお願いできるかしら?」
「えっとね……そのね……霊夢と同じって思ったら…嬉しくて…」
「…だから嫌いじゃないの?」
「うん。あ…でも…前髪は少し切りたいかな…」
そう言って紗稀は普段はピンで止めてある前髪を指でイジる。
「散髪が得意な人…いたかしら…」
「…霊夢は…?」
「まぁ出来ないことはないけど……あんまり上手くないって言うか……失敗するのが怖いと言うか…」
自分の髪の毛ならまだいいが…紗稀の髪の毛を切って失敗するのは困る。
「…そうなんだ…」
「私の友達になんでも出来るメイドがいるから…そいつに頼んでみましょ?」
「…嫌だ。霊夢に切って欲しい…」
「…何故に…?」
「昔…ママに切ってもらったように…大好きな霊夢に切って欲しいから…」
紗稀は悲しそうな顔をした。それに一瞬で気付いた霊夢はすぐさまフォローに入る。
「分かったわ。私が切ってあげる。でも…失敗しちゃったらごめんね?」
「いいよ…そしたら霊夢のリボンを着ける…」
「あら…ならわざと失敗しようかしら?」
「あ!それはダメだからね!?」
とりあえず紗稀の悲しそうな顔は消えた。次は怒った紗稀を笑顔にしなければ。しかし、霊夢にとってそれは既に余裕なモノになっている。
「もう…本気でそんなことする訳ないでしょ?折角なら…ただでさえ可愛い紗稀がもっと可愛くなるようにしてあげる。」
「…うん…ありがと。」
「いえいえ。ってか…私のリボンを着けても失敗は誤魔化せないと思うわよ?」
「…え?」
本気で誤魔化せると思っていたのだろう。紗稀は唖然とした顔をしている。
「だって…前髪でしょ?私のリボンは後ろと横の髪の毛を束ねる物だし…」
「あっ…!」
「ね?まぁ大丈夫よ。多分失敗しないから。」
「多分って言わないでよー!」
プゥと頬を膨らませる紗稀を見て、霊夢は微笑む。そして…改めて実感するのだ…
「フフッごめんごめん。あぁ……ねぇ紗稀。私達…家族なのよね…」
「…うん。」
「こうしてさ、髪の毛が〜とか、髪型が〜とかって言って笑えるのって幸せだと思う?」
「思うよ…それに、泣いてる私をずっと霊夢が抱き締めててくれた時…分かったの。」
思い返しても霊夢には心当たりがない。一体何が分かったと言うのだろうか。
「…何が分かったの?」
「私は…親から与えられるはずの温もりが与えられてなかったんだって。霊夢は親じゃなくて家族だけど…同じだと思う。霊夢が私に温もりを与えてくれた。これからも与えてくれるんだと思う。」
「…そうね。それは私も感じてた。でもそれと私が紗稀の家族になりたいって思ったのは関係ないわ。」
たとえ紗稀の過去を知っていなかったとしても…いつかはこうなっていただろう。
「…霊夢が家族になってくれるまでは…家族と友達って同じなんだと思ってた。でもね、違ったよ。」
「…家族と友達の違い…それは何…?」
「与え合える幸せの大きさだよ霊夢。それだけなんだけど…それって凄く大切なことだと思うんだ。」
少ない日数で友達、家族が出来た紗稀だからこそ実感できるのだろう。もちろん萃香や永琳と一緒にいるときも幸せだった。しかし霊夢と一緒の方が大きいのだ。
「与え合えるってことは…私は紗稀に、紗稀は私に…ってこと?」
「うん。今はまだ難しいかもしれないけど…私も霊夢を幸せにしたい。幸せにしてもらうだけじゃダメだと思うから。」
「ううん。そんなことないわよ。私だって紗稀から幸せいっぱいもらったわ。」
今この瞬間、紗稀と話しているだけでも霊夢にとっては幸せなのだ。
「ホント…?」
「もちろんよ。好きな人と一緒にいられるのに幸せじゃないはずないわ。」
「あ…うん。そうだね…霊夢と一緒にいるだけでも幸せ…」
こんなことを紗稀に言われて幸せを感じないはずもなく、霊夢は無意識に微笑んでいた。
「フフッ…だから大丈夫よ。私達はお互いに幸せになれてるんだから。」
「…私さ、霊夢のこと好きって言ったよね。」
「えぇ。ありがたいことに。」
「それでね、霊夢のことを好きって思えば思うだけ…幸せなの。凄いポカポカしてね、自然と笑ってるの。凄いよね?」
霊夢からしたらとてもあざとい疑問形だが…紗稀は何も考えてはいない。自分の気持ちをそのまま伝えてるだけだ。
「…さーきー?それさ、わざとやった?」
「ふぇ?わざとって…何が…?」
「…まさかの無意識……そ、そうよね…紗稀にあざとさを使えるほどのテクニックは無いわよね……」
「霊夢…?何を言ってるの…?」
紗稀に声をかけられてハッとする。紗稀の可愛さに悶えていると紗稀の無意識の可愛さの恐ろしさが身に染みていくの感じた。
「…い、いや…何でもないわ。全く…本当に可愛いんだから!」
「え?な、何が…?」
「…ここで紗稀をベタ褒めして…オドオドさせるのも悪くないわね。」
霊夢は先程から心の声がただ漏れだ。ただ、肝心な所を聞かれていないので紗稀には霊夢が何を言ってるのか分からないのだ。
「ねぇ霊夢!さっさから何を言ってるの!?」
「…いや、気にしないで。それよりね、魔理沙のせいで言いそびれたんだけど…」
「…言いそびれたこと?」
紗稀は首を傾げながら聞き返す。そう言えば魔理沙が来た時、霊夢は何かを言いかけていたようなきがする。
「そう。紗稀が起きてすぐ、チューしたでしょ?」
「うん。私の初めて…」
恥じらいながら初めてなどと言われてはたまったものではない。その可愛さのあまり言葉が詰まりそうになってしまう。
「…可愛いわねこんちくしょう。んでね?残念かもしへないけど…あれが初めてじゃないのよ。」
「…えっ!?」
「紗稀が寝てる時に…しちゃった。」
霊夢はテヘペロと言わんばかりに舌をペロッと出す。
「…えぇえ!?」
「…だって…紗稀が寝言で私を呼ぶから。しても仕方無いわよ。」
「仕方無くないよー!何で起こしてからしてくれなかったの!?」
怒るポイントを間違えている気がする霊夢であるが、そんなことをツッコンでいる場合ではない。
「だって…寝てる紗稀を見てたら吸い込まれるかのようにしてたんだもの。」
「うぅ…恥ずかしいよぉ…」
「大丈夫よ。問題ないわ。」
赤面する紗稀と違い、真顔で言い切る霊夢。紗稀からしたら何が大丈夫なのか分からない。
「あるよ!寝顔って自分で分かんないから恥ずかしいの!」
「写真あるわよ?月光に照らされてる寝顔だけど。」
そう言って霊夢は紗稀のアルバムが置いてある方を見る。霊夢が撮った写真だ。
「あっ…!文さんと初めましてしたときの…」
「そうそう。ホンッットに可愛いんだから!」
「あぅ……う、嬉しいんだけど…恥ずかしい…」
「ほら、その顔。えげつないくらい可愛い。今すぐ抱き締めてナデナデしたくなるわ。」
「…しても…いいよ…?私も…霊夢がしてくれるなら嬉しいから…」
赤面している状態でそんなことを言われては実行するしかないだろう。霊夢はすぐさま紗稀を抱き締める。
「紗稀っ!大好き!」
「わっ…!えと…わ、私も大好きだよ霊夢!」
しばらくの間、2人はこのまま抱き合っていた。そして思い出したかのように宴会の準備を始めるのだ。忙しそうに準備をしながらも、紗稀はとても幸せそうに準備を進めたことだろう。
どーも、まーりんです!
とりあえずイチャイチャさせた。そして少しだけシリアスっぽい空気を入れる。これが一番楽チン。ごめんなさい……
さて、自分のテーマは宴会当日の朝。宴会するとは言ってない。
それでは次回もゆっくり見ていってね!




