第12話 白黒との初めまして
どーも、まーりんです!
今回は白黒が出てきます。そしてチュッチュもしちゃいます。あ、もちろん紗稀と霊夢がね。
今回はちょっとだけ甘いかも…?
それではゆっくり見ていってね!
「…はぁ…」
霊夢が眠ってる紗稀にキスをしてから霊夢はずっとため息ばかりついている。
「…やっちまったわ…」
紗稀とキスをした喜びと、寝込みを襲ってしまったかのような罪悪感に頭を抱えているのだ。
「あぁもう…!紗稀が起きたらなんて説明すればいいのかしら…!」
何も言わなければ紗稀は霊夢にキスされたことなど気付きもしないだろう。しかし、それは霊夢が嫌だった。もう紗稀に隠し事はしないと決めたのだから。
「…どストレートに言ったら紗稀の方がヤバイわよね…色んな意味で…」
恐らく真っ赤になってアタフタなんてレベルじゃないくらい照れてしまうだろう。そうなったら霊夢だって真っ赤になってしまいそうだ。
「何とかして私が思い出さずにサラッと切り出すためには…」
と、まぁ色々と悩んでいるのだ。しかしそれも限界に近くなっている。時間が経ち、そろそろ紗稀が目覚めてしまう。
「…っ…!そうだ…これしかないわ…!」
霊夢が何か妙案を生み出した所で紗稀が目を覚ました。
「…ふぁ……んん…れぇむ…」
「って…もう…!?…さ、紗稀…起きた…?」
「うにゅ……おはよぉれぇむ…」
少し予想外のお目覚めだったが…霊夢は動揺を表に出さないように気を付ける。
「フフッ…おはよう紗稀。」
「あ…目…痛い……顔…洗ってくるね…」
「えっ…あっ…ちょい待って。」
行かせられなかった。霊夢には練ったばかりの作戦があるのだ。顔を洗うなんてことをされたら気分が削がれてしまう。
「…ふぇ…?」
霊夢は覚悟を決めた。こんなのは最初の1回が大切だと思うから。ここだけは成功させなければ…
「紗稀、おはようのチューは?」
「…え…!?」
言った。霊夢は言った。完璧だった。動揺など微塵も出さず、余裕の笑みを浮かべていた。
「だ、か、ら、おはようのチューしよっ。」
「い、いや…え…?で、でも…チューって…えっと…キス…だよね…?」
霊夢の想像通りのオドオドだ。しかし最初の一言を言ってしまえば後はどんどん進めるモノだ。
「ほ〜ら、んー!」
そう言って霊夢は唇を突き出す。こんな可愛らしい少女のキス顔を見て…何もしないと言うのは無理な話なはずだ。
「え…う…霊夢…凄く可愛い……じゃ…目…瞑って…?」
いくら恥ずかしがり屋の紗稀でも今の霊夢の可愛さには勝てなかったようで…キスをする気持ちになった。
「ん。ほら、瞑ったわよ?」
「あ…うぅ…じゃ…するね…?」
「うん。」
もちろんながら紗稀はキスをするのは初めてだ。霊夢にしたって寝込みにしたのが初めてだ。紗稀は霊夢の後頭部に手を添えて…軽く、触れる程度のキスをする。
「ん…紗稀…」
「んんっ…れぇむ…」
時間にすると本の一瞬でしかなかったが…2人にはとても長く、幸せな時間となっただろう。
「…キス…しちゃったね。」
「あわわ…!キ、キス…しちゃった…!」
キスの余韻に浸る霊夢と、キスをした恥ずかしさに顔を赤くする紗稀。どう見ても同じことをしたとは思えない感じだ。
「フフッ…好きって言うよりも早く決断したわね。」
「ん…だって…今はお互い好きって分かりきってるから…」
「そうね。紗稀、大好きだからね。」
「えっ…あ、うん!わ、私も大好きだよ!」
ここだ。寝てる間にもキスしたことを言うならこのタイミングしかない。そう思った霊夢はすぐさま話を切り替える。
「ありがと。でもね、キスするの…これが初めてじゃないのよ〜?実はね…紗稀が寝てる時に……」
そこまで言った時、境内の方から誰かの声が聞こえてきた。
「れーいーむー!宴会しようぜー!」
「…嘘でしょ…!?普通このタイミングで来るかしら…!?」
「霊夢のお友達…?」
「…そうよ。しかも宴会の日にち間違えてるし…!」
霊夢の顔が明らかにムッとしたようになると少女が部屋に上がり込んできた。見た所霊夢と同い歳だろうか。
「おい霊夢〜!私にも酒寄越せよ…って……霊夢…お前…子供いたのか…!?」
「…バカなんじゃないの?私の子供な訳ないでしょ?家族よ。か、ぞ、く。」
「家族ぅ〜?こんな奴がか?」
少女の発した言葉によって霊夢の表情には一瞬にして怒りが浮かび上がる。
「…アンタねぇ…ぶっ飛ばされたくなかったら今すぐこの子に謝ってくれる?紗稀のことで私を怒らせるのは…あんまり賢明とは言えないわ。」
「お、おい…なんでそんなに怒るんだよ霊夢…わ、悪かったって…」
「全く…私の家族をバカにするなんていい度胸してるわ…アンタじゃなかったら速攻でぶっ飛ばしてたわよ。紗稀、この金髪のバカは霧雨魔理沙。魔理沙、この子は紗稀。このまえ幻想入りしたばっかで…私の大切な家族よ。」
魔理沙と紹介された少女は白と黒の2色の服を来ており、いかにも魔女…と言った格好をしている。
「あぁ…お前が萃香の言ってた紗稀か。いやぁ!悪かったな!まさか霊夢がそこまで怒るとは思ってなかったから!」
「あ…い、いえ…その…よ、よろしくお願いします…ま、魔理沙…さん。」
「おう、よろしくな紗稀。後、私のことは魔理沙でいいぜ。たった今から友達だからな。」
「…と、友達……えへへ…嬉しい…」
言われたことにオドオドする前に笑顔が出るようになったのは良い変化なのだろうか。
「…か、可愛いな…コイツ…」
「でしょ?あ、そうだった…紗稀、顔を洗いに行くんでしょ?いいの?」
「あ、うん。行ってくる。」
そう言って紗稀は洗面所に向かう。その足取りは心なしか…軽やかにも見える。
「また友達増えた……どんどん増える…」
嬉しさと同時に少し不安でもある。急に友達が増えたからだ。どのように接して行けばいいのか…それが不安なのだ。
「…でも…大丈夫かな…霊夢がいるし……えへへ…友達たっくさんでっきるっかなっ…」
「さ〜き〜?1人で何か歌ってるの〜?」
「あ…な、何でもない!」
まさか聞こえるとは思ってなかったのだろうか。紗稀は恥ずかしさで少し顔を赤くしている。
「…できるよね…うん。できるよ…大丈夫…前の私と今の私は違うもん…!」
鏡の中の自分を見つめて強く頷く。その眼は赤くなっているが…強い光を放っているようにも感じられる。強い決意をしている眼だ。
「少しずつだけど…変われてるから。私はもう1人じゃない…!」
冷たい水で顔を洗い、滴る水を拭い取る。幻想入りした時よりも…随分と強い表情を出来ている。
「ふぅ…さっぱりした。…よし、霊夢に頼りっぱなしじゃなくて…私も頑張らないと…!」
タオルで顔をしっかりと拭きながら紗稀は新たな決意を胸にして霊夢と魔理沙の元へ戻る。
「あ、戻ってきた。」
「えらく上機嫌な歌声だったぜ?」
「あ〜…うん。友達増えたから…嬉しくて…」
「そか。大丈夫だぜ。この幻想郷なら友達なんていくらでもできるさ。まぁまともな奴はそんなに多くないけどな〜」
笑いながら言う魔理沙を見て、紗稀は率直な感想を魔理沙にぶつけた。
「魔理沙もまともじゃないの?」
「そうよ。コイツはまともじゃないわ。人の家族にいきなりこんな奴とか言うんだから。」
「だからそれは悪かったって〜!まぁ私は魔女だからな。まともとは言えないかもしれないぜ。」
「ま、ま、魔女っ!?」
紗稀はとても分かりやすく驚く。霊夢から色々な種族がいるとは聞いていたが、実際に見てみたら驚いてしまうのだろう。
「おう。んまぁ人間なんだけど魔女だぜ。」
「え…?人間なのに魔女なの…?」
「まぁな。凄いだろ!」
「うん!凄いね!魔法とかも使えるの!?」
魔法、それは人類の夢である。と言うのは大袈裟だが、少なからず憧れというのはあるものではないだろうか。
「ったりまえだぜ!また宴会の時にでも見せてやるぜ!」
「うん!ありがと魔理沙!」
「おう。気にすんなよ。」
魔理沙が紗稀に笑顔で声をかけた時、霊夢が真剣な声色で言葉を発した。
「紗稀、後で魔理沙と話すことがあるの。あなたのことよ。」
「…うん。…今の言い方……私は聞いちゃいけない話だよね?」
「辛い過去を思い出したくないでしょ?」
その一言で何を話すのか、一瞬で分かった。確かに思い出したくはない。
「うん…分かった……隣の部屋にいます…」
「…もう…そんな顔をしないで?出来るだけすぐに終わらせるから…ね?」
「…待ってるから……チュー…してよ…」
「…え…?ちょ…わ、分かったわ……ん、ん…」
紗稀からのおねだりに少し動揺しながらも霊夢は魔理沙が見ているのも忘れて紗稀にキスをした。
どーも、まーりんです!
チュッチュしちゃったぜ。おねだりする紗稀可愛い。そして放置される魔理沙ね。
さて、次回のテーマは…霊夢の愛情…かな。
それでは次回もゆっくり見ていってね。




