第11話 友達のその先
どーも、まーりんです!
今回は…紗稀と霊夢の関係が変化します。それがメインです。友達っぽい百合っていいよね。後、感動させるから。一応そのつもりで書きました。
それではゆっくり見ていってね!
紗稀が本を読んでいて思ったこと…それは何か…
「嘘つくのが悪いって考え…それはそうだけど…私は…ついてもいい嘘ってあると思うんだ。」
「…え…?」
「嘘をつかずに正直に言って…相手を傷付けることがあるかもしれない。別に無理して本当のことを言わないといけない訳じゃない時とか…誰かを守るためとか…」
「そんな時は…嘘ついてもいいの?」
霊夢は本当に驚いた。紗稀は時々考えがとても深い時がある。それらは全て…紗稀が読んできた本に影響されているのだろうか。
「私はいいと思う。だから…霊夢が嘘ついたからって…私は気にしないよ。霊夢は霊夢だもん。私が好きな霊夢に変わりないよ。」
「…はぁ…そんなこと言われたら……」
「…あ…ゴ、ゴメン…嫌…だった…?」
「そんな訳ないでしょ。嬉しいのよ。私だって紗稀のこと好きなのに…更に好きになっちゃったわ。」
霊夢は本当に嬉しかった。紗稀に嘘をついていた訳ではないが…許してもらえた気がした。ありのままの自分を認められた気がした。
「えへへ…私も好きだよ…」
「…ねぇ紗稀、その告白ってさ、昨日も聞いた気がするのよね。」
「…あ、う、うん。言った…」
「それってさ…結構本気にしていいの?」
紗稀には言われてる意味が分からなかった。好きに本気も何もあるのだろうか?もちろん紗稀は本当に霊夢が好きだから言ったのだが。
「ほ、本気って…?」
「あぁ…そうね、そっから説明しないとね。えっとね、紗稀が言ってくれた好きって…友達としてじゃなく…それより上の…好き…?」
霊夢がそう言うと紗稀は顔を真っ赤にした。それが何を意味するのか…霊夢はすぐに分かった。
「…ま、まだ少ない時間しか一緒にいないけど……わ、私は…れ、霊夢のこと…ただの友達なんて思えないよ…」
「ってことは…やっぱり…」
「…そ、その…友達としてじゃなく……それより…もっと上の…好き…だよ?」
赤面状態での疑問系。これは結構破壊力がある。それが好きな相手からやられたら尚更だろう。
「ゴ、ゴメン…も、もう1回…好きって言って…」
「え…は、恥ずかしいよ…」
「お願い…!ダメ…?」
霊夢が霊夢なら紗稀も紗稀で疑問系にやられてしまった。まぁ恐らく紗稀なら疑問系じゃなくてもお願いを聞いてくれそうだが。
「うぅ…じゃあ霊夢も言って…」
「紗稀…大好きよ。」
「えっ…ズ、ズルいよ霊夢!」
「そんなことないわよ。ほら、紗稀の番でしょ?」
紗稀に逃げ場はどこにもない。不意打ちみたいなモノだが…言ったのは事実だ、紗稀も言うしかないだろう。だが、恥ずかしいモノは恥ずかしい。
「えと…うと…ま、待って…!」
「え〜?私は言ったわよ?」
このままではいくら経っても言えそうにない。だから紗稀はあるお願いをする。
「ま、まだ恥ずかしいから……ギュッてして…」
「抱き締めればいいの?よっと…はい、これでいい?」
霊夢はすぐに紗稀を抱き締めてくれた。霊夢の優しさなのか分からないが…とにかく紗稀は安心できた。そして覚悟を決めた。
「…れ、霊夢…だ…だ…大好き…!」
本当はもう1回お願いするつもりだった。しかし、紗稀のあまりにも本気の言葉に霊夢ももう1度、紗稀に本気の言葉を返す。
「…うん…私も紗稀のこと…大好き…」
「…やっと言えた……」
「ありがと紗稀。嬉しかったわ。よしよし…」
紗稀を抱き締めている状態から紗稀の後頭部を撫でる。顔は見えてないが…霊夢は知っている。紗稀が笑顔になることを。
「えへへ…私も嬉しい…」
紗稀の笑い声を聞いて…霊夢の中にある1つの思いが芽生える。
「…ねぇ紗稀…昨日話したこと…覚えてる?」
「約束の話?うん、覚えてるよ。」
「違うの、そっちじゃなくて…宴会で…って話したじゃない?」
「あ〜うん。私が霊夢より好きな人が出来たら…その人と一緒になるって話…」
霊夢より好きな人……そう聞いて霊夢の胸はチクリと痛んだ。自分で言ったことなのに、紗稀のために言ったのに…自分が苦しめられている。
「そう、それ。それね…紗稀が私より好きな人が出来たらそうしてもいいんだけど……わ、私は…ずっと紗稀と一緒にいたい…のよ…」
「…え?」
「自分でも何言ってんだって思うわ。でも…やっぱりダメ。紗稀に好きなんて言われたら…もう離したく無くなっちゃって…」
霊夢の声は少し暗くなっているが、紗稀にはその理由が分からなかった。紗稀にとってはむしろ凄く嬉しいことを言ってるのだから。
「離しちゃダメだよ。だから言ったでしょ?私は霊夢と一緒にいたいの。私が霊夢以上に好きになる人なんていないよ。」
「…いいの?昨日も言ったけど…萃香だって永琳だって…紗稀の友達なのよ?一緒に過ごしてくれるのよ?」
「うん、萃香さんも、永琳さんも皆好きだよ。でも1番好きなのは霊夢。私も分かんないよ、でも仕方が無いと思う。だって…好きになっちゃったんだもん。この気持ちは誰にも否定させないよ。」
紗稀は霊夢の肩を持って顔を離した。するとお互い見つめ合うような形になる。紗稀の強い眼、迷いの一切ない表情がどれだけ本気かを霊夢に分からせた。
「…ありがとう紗稀。おかげで私の迷いも吹っ切れたわ。」
「…迷ってたの…?」
「本当はね…自分の感情は出さないつもりだった。紗稀の幸せのためにも…私が紗稀を独占するのはダメだと思った…けど…無理。どんどん紗稀が好きになって…一緒にいたくなって……だから今、ここで決めたわ。」
「…何を?」
霊夢は一呼吸置いてから紗稀を見据えた。そしてはっきりと紗稀に伝える。
「私が紗稀を幸せにする。紗稀とずぅっと一緒にいるから。」
「………………」
「とか言っても…明日の宴会で間違いなく紗稀は幸せになれるけど。それでも…紗稀の幸せを1番考えているのは私ってこと…覚えておいてね。私達は…今から家族なんだから…」
「……っく…」
紗稀は嬉しかった。初めての友達が…初めてずっと一緒にいられる…"家族"になったのだから。それは嬉しかっただろう…泣き出してしまうほど。
「…よしよし…いいわよ。私の肩で思い切り泣きなさい。」
「…うぅ…ひっく…ゴ、ゴメン…」
「謝らなくていいの。今まで本当に辛かったわよね…1人で苦しんで…家族なんていないも同然で……」
「う、うん…っく…ず、ずっと寂しくてぇ…!だ、誰かと一緒にいたかったよぉお…!」
自分の肩に紗稀の涙が流れるのをヒシヒシと感じながら霊夢はずっと紗稀の背中を摩っている。
「だけどもう大丈夫。さっきまでは友達だったけど、今からは…家族だから。もう1人じゃない。」
「れぇむ…!れぇぇむぅぅう!!」
「なぁんにも特別なことじゃないわ。嬉しかったら一緒に笑って…悲しかったら一緒に泣いて…辛い時は一緒に寄り添ったり出来るのが家族なんだから…大丈夫よ…ずっと一緒。」
「…うぅ…うわぁぁあああん!うわぁぁぁああぁぁああん!!」
「よしよし……っく…寂しかったよね……これからは…ずぅっと…一緒だからね…」
泣きやみそうにない紗稀に声をかけながら…霊夢もそっと涙を流していた…
「…スゥ…スゥ…」
あれから時間は経ち、霊夢は泣き疲れて眠ってしまった紗稀を布団に寝かせていた。
「あ〜…泣いたのなんて…いつぶりかしらね…」
何故涙が出たのか自分でも分かっていない。しかし、悪い気はしていなかった。
「…目が痛いわ…少ししか泣いてないはずなのに…多分…鏡見たら多少なりとも赤くなってるわね…」
霊夢でこれならその何倍も泣いた紗稀はどうなっているのだろうか。少し恐ろしくなる。
「フフッ…そう言えば…紗稀が幻想入りしたばっかの時もああして泣いてたわね。また肩がビッショリになってる…」
あの時は紗稀と友達になった時だった。しかし今はその先なのだ。軽い気持ちでは踏み込んではならない所にいるのだ。
「家族…ねぇ。」
「ん…れぇ…む…スゥ…スゥ…」
「…何よその寝言は…全く…そんな無防備で寝てたら…」
霊夢は紗稀に顔を近付けて…
「襲っちゃうんだからね…」
そう言って霊夢は顔を赤らめながら紗稀の唇に自分の唇を重ねた……
どーも、まーりんです!
いかがでしたかね?ほんのちょっとだけでも感動してもらえましたかね?霊夢があそこで泣いたってのは色々感慨深いものがありますなぁ…
さて、次回のテーマ…チュッチュしよう。それと白黒現る。
それでは次回もゆっくり見ていってね!




