第1話 新たな人生
どーも、まーりんです!
知ってる人はこちらの作品もよろしくです。知らない人は初めまして。よろしくお願いしますね。
さて、とりあえず見て頂きましょう。
それではゆっくり見ていってね!
とある病室、そこには1人の少女が息を荒くしてベッドに横たわっていた。
「はぁ…はぁ…!」
少女は重度の肺炎を患わっている。しかしこの病院の設備は素晴らしく、治療は上手くいっている。なら何故ここまで苦しんでいるのか。
「…うぅ……パパ…ママ………」
そう、少女の両親は共にエリート会社員なのだ。普通ならどれだけ仕事が忙しくても苦しんでいる娘に会いに行くものだろう。
「…会いたいよぉ……苦しいよぉ……!」
しかし普通ではなかったのだ。仕事を理由にお見舞いなどには来ず、少女はずっと1人で苦しんでいたのだ。それがストレスとなったのだろう。治療は上手くいっているのに肺炎は悪化した。現にナースコールも出来ない程ひどい発作を起こしている。
「ゲホゲホッ…はぁ…はぁ…!」
むしろここまで少女をもたせたこの病院の医師の力を賞賛するべきなのかもしれない。本来ならストレスでもっと悪化していてもおかしくはない。
「だ…れか……たす…けて…」
こんなにも苦しんでいるのに誰も…両親ですら来てくれない絶望に少女は生きる希望を失いかけていた。
「私…最後まで…1人…なの…?」
もう嫌だ、このまま死ぬんだ、と少女が思った時、少女しかいないはずの病室に知らない女性の声が響き渡る。
「あらあら、あなたは1人ではないわよ。」
「う……あなた…誰…?」
「私は八雲紫。早速で悪いけど…このまま死ぬなんて…嫌よね?」
その問いかけに少女は当たり前のように首を縦に振る。
「そう。なら次、あなたが目を覚ました時、新たな人生の幕開けよ。」
「新た…な……じ…んせい………」
そして少女が目を閉じた時、ピーっといった無機質な機械音が少女しかいない病室に響き渡った。
「…………んん…」
少女が目を覚ますと、そこは病室ではなく古風な日本らしい造りの天井が見えていた。
「…あれ…ここは……?」
「あら、起きたのね。」
眠っていた少女を見守るように近くに座っていた、赤と白を基調とした脇を出した巫女服を来た少女が声をかけた。
「えぇと……?」
「あ、安心して。別にあんたを取って食おうとか考えてないから。」
少女は混乱していた。自分は死んだはずだと。ならどうして今、こうして目を覚ましたんだ…と。
「あ、あの…ここは…?……それに私はどうなって…?」
「ここは幻想郷って言ってね、忘れ去られたモノが集う場所。」
「わ、忘れ去られたって……私は…死んだはずじゃ……」
「こうして私と話してるってことは生きてるってことよ。」
ここまで話して少女は1つ大切なことに気付いた。
「あっ…あの…私はもう元の世界には戻ることができないんですか…?」
少女にはなんとなくこの幻想郷と言われる場所が今まで自分が過ごしてきた時代、場所とは違うことが分かっていた。だからこその質問だろう。
「あなたを戻すことは簡単……とまではいかないけど可能よ。でも……」
「……でも…?」
「あなたは…戻りたい?誰も助けてくれなかった…親に最期を看取ってすら貰えなかったあの世界に?」
"看取って"。巫女服の少女は間違いなくそう言った。先程は生きてると言ったはずなのに。
「…看取って…?…私……やっぱり死んでいるんですか…?」
「"現代"でのあなたは…確かに死んでいるわ。」
「……え?」
少女はますます混乱していく。急なことで頭の整理が追いついていないせいでもあるが。
「んま、細かいことは追々説明するわ。さて、そう言えばお互い自己紹介をしてなかったわね。私は博麗霊夢。この博麗神社の巫女をやっているわ。」
「私は…七瀬紗稀です……」
「紗稀ね。なかなか可愛らしい名前…よろしくね。私のことは霊夢でいいから。」
そう言って霊夢は手を差し出してきた。
「よ、よろしくお願いします…霊夢さん…」
差し出された手を紗稀は少し震える手で握る。
「…なぁんか堅苦しいわね。」
「…そ、そんなこと……それに初対面なのに馴れ馴れしいのも……私は霊夢さんの家で眠らせていただいたのに…」
「それが堅苦しいってのよ。いいからもう少しフランクに行きましょ?私としても気を遣われるのって好きじゃないのよ。」
紗稀からしたらいきなり馴れ馴れしくすると相手に失礼だと思いこうしていた訳だが…それが嫌だというのなら仕方が無いだろう。むしろ霊夢の言う通りにするのが眠らせてもらった紗稀がすることであろう。
「う、うん……」
「ほら、"霊夢"って呼んでみて?」
「えっ……あぅ…う…」
どうあっても霊夢は呼び捨てで呼んでもらいたいらしい。さん付けで呼ぶのも気を遣われてると思っているのだろうか。はたまたこうして照れる紗稀を見るのが面白いのか。どちらにしても呼び捨てで呼ばないと終わらなさそうだ。
「ほらほら、早くぅ。タメ口なのにさん付けって変でしょ〜?」
「うぅ………れ、れ…いむ……」
「ん〜?聞こえない〜!」
「れ、霊夢!」
恥ずかしさのあまり叫ぶように霊夢を呼んだ紗稀は更に照れてしまう。
「…あんた可愛いわね。」
「…うぅ……恥ずかしい……」
照れてる紗稀を霊夢はとても満足げに見ている。すると急に霊夢の声のトーンが低くなった。
「…ねぇ紗稀。」
「…なに?」
「あなたの両親のことは紫から聞いたけど…友達とか…いたの?」
「……ううん……昔から入院ばっかりで……学校にも馴染めなくて…」
幻想郷には学校ではなく寺子屋というものがある。しかし霊夢はどちらもほとんど同じであることを理解していた。そして幼いころから巫女としての修行で寺子屋に通ってなかった霊夢には、紗稀の気持ちが痛いほど分かっていた。
「…そう……辛かったでしょう…でも大丈夫よ。」
「…え…?」
霊夢は紗稀を優しく抱き締めていた。
「今日から、私があなたの友達よ。」
「……友達…?」
「えぇ、私と紗稀は友達。だから今日からあなたの新たな人生が始まるのよ。」
「うぅ……ひぐっ……れいむぅ…!」
紗稀は泣き出していた。親に構ってもらうことも、友達と遊ぶこともなかった紗稀にとって、霊夢が言ったことはとても嬉しいものだった。それはもう、泣き出してしまう程に。
「ちょっと…泣かないの。」
「だって…っく…!友達……ひぐっ…できたの……初めて……うぐっ……だからぁ…!」
「そっか……よしよし…」
「うぇぇぇええん!霊夢〜!」
こうして紗稀は出会って間もない霊夢と友達になり、霊夢の暖かさを感じながら涙を流し続けていた。
どーも、まーりんです!
前書きも後書きもこの挨拶で始まるのが僕です。
いかがでしたか?始まり方が微妙な気がしますが…気にしないで下さい。
さて、次回は紗稀が泣いた後からですね。
それでは次回もゆっくり見ていってね!