不快な羽音
※この作品はクトゥルフ神話をもとに書いています
私は数年前からある目的で単身世界中を飛び回っている。
まずは自己紹介をしよう。私の名前は三霞島というものだ。
周りからは変人扱いされ、ろくなことはないが俗に言うオカルト現象について調べまわり
虱潰しに私はある人物..人とは言えない``生き物``を探しているのだ。
今日は私の故郷。日本に来ている。実に数年ぶりであろうか。
あたりは変わらないようで注視すると変わっている。そんな街中だ
自分の生まれ育った町、を後にして私は足早に目的の地へと向かった。
私は各地を飛び回っていると記述したものの、めっぽう乗り物に弱いので、
移動するだけでも一苦労だ。
なぜ私が生まれ育った島国日本に来ていたか、それはある事件が日本で起きたからである。
「.....ニュースをお伝えします。昨夜未明I県在住の男性二人が
刃物のようなもので体を切り裂かれている変死体がN山のふもとで見つかり。
警察は調査を進めるとともに近隣住民への警戒への呼びかけをするとともに...」
こんなニュースを私の家、もとい亜寒帯にあるログハウスで目にした。
普通の人間なら近寄りもしたくないであろうが私にはここ数年で養った感が何かあると呼びかけていた。
そこで私はまず必要なものを``取りに``いかなければならなかった。
~東京某所~
三霞島「お久しぶりです。少し遅れてしまいました。」
???「あぁ君と会うのは久しぶりだね。」
忘れもしないこの声、野太くて不快になる声だ。
三霞島「どうです?私を``追い出して``からの調子は」
???「君も意地悪なことを聞くね..仕方なくやったんだ私は。」
三霞島「どうだか..世間に``あれ``を公表させないための口封じですか?」
???「そうだ。だがこうして私は今君に協力をしているではないか。」
三霞島「まぁ確かにそうですね。....持ってきたんですよね私の``護身具``」
???「だからここにいるのだろう?ほら持ってきた。
これが公にばれたら君はすぐさまお縄にかかるんだから注意するんだね」
三霞島「わかってますよ。まぁありがとうございます」
???「できればこうしてもう会いたくないものだがね」
三霞島「用が終わればすぐにカナダへ帰国しますよあの子も待っていますし」
???「あの子?あぁあの事件の..」
三霞島「気にしないでください。私はこれで、また連絡します」
二人は顔を合わさずに違う方向へと消えた。
場面は変わりI県N山の近くにある町へ来ていた。
三霞島「今日はもう遅いな...近くの宿をあたろうか..」
時刻は6時を回ったところ、秋の半ばということもありあたり一面暗く、とても寒い
.....N山に近い宿があったぞ。
三霞島「すみません。今日はこの宿空いていますか?」
受付「すみません。今日はもう埋まってしまっていて..」
三霞島「本当ですか...」
残念でならないが他をあたることにした。
受付「...部屋はあるにはあるんですが少々いわくつきで...」
三霞島「本当ですか?この町に来るの初めてでしてね..いく当てもないので
是非とまらさせていただきます」
受付「はい。ではこちらに..」
よし...いわくつきというのは気になるが部屋をとれたぞ。
....案内された客室は3階にあり、値段の割になかなかの部屋だった。
いわくつきのせいで安いというのもあるんだろうか。
受付「何かございましたらお申し付けください。」
そういうと足早に去って行った。
....ふすまを開けてみると目の前にはN山が一面に広がっていた。
だが宿から照らされる光が微弱にあたるばかりで全貌は見えたものではなかった。
とりあえず今日は長旅で疲れた....温泉に入ろうそう考え支度をし、あいつに渡された私物を
颯爽と押入れへ隠したあたりだった。
私の携帯電話から聞きなれたメロディーが流れ始めた。
三霞島「どうした。」
???「どうした。じゃないでしょ!ついたら連絡入れてっていつも言ってるでしょ!」
聞きなれた声、私は内心ほっとする
三霞島「すまんすまん。今から温泉に入ろうとしていたよアーシェ」
アーシェ「ずるい!いつもいつも私を置いてどこかに行って!
たまには私も連れて行ってよ!」
日本に留学しようとしていたことだけあり日本語は意外と流暢だ
彼女は昔私が助けた少女だ。高校生の時に日本のアニメ文化にはまり
日夜日本に住みたいと言っていたらしい。彼女の家族は...まぁいい
三霞島「というか今回日本だってわかっていたから黙ってきた..あっ」
アーシェ「日本!?もう絶対許さないからね!帰ってくんな!」
電話を切られた...あそこ一応俺の家なんだが..
すまん。とだけメールを打ち気を取り直して温泉へ向かう
扉を開けた瞬間人にぶつかってしまった。
うわぁ女の人だ..面倒くさい
三霞島「すみません立てますか?」
朝野「大丈夫です。こちらこそよそ見をしていて申し訳ありません」
朝野「あなたは旅行でこちらに?」
これだから嫌なんだ..
三霞島「はいそうです。あなたは?」
朝野「わたしはですねぇ~事件があったN山を見に来たんです!」
三霞島「そんな目的ならすぐに帰れ!!!!!」
しまった..声を荒げてしまった...
朝野「あの..どうしたんですか?」
三霞島「いえ..何でもありません危ないと思ったので..」
朝野「お気遣いありがとうございます。それより顔色悪いですよ?」
親切をそれよりっておい..
朝野「私こう見えても医者なんです!気分悪くなったら隣の部屋にいるんで言ってください!」
朝野「ちなみに私の名前は朝野っていいます!」
三霞島「どうも...私は三霞島です..私温泉につかるんでそれでは..」
時間を食ってしまった
時刻は7時半温泉からはN山が一望できるので気分がよい
とても殺人があったようには見えないな...
....ん?今山で何か光ったぞ?警察...はこの時間にはいないはずだ..
調査は明日と決めたはずだ。一応場所は覚えておこう。
時刻は9時晩の食事も終わり寝つこうと思った時ノックがした。
朝野「起きてますか~?」
無視で安定だと思った...のだが
朝野「はいりますよ~?」
無駄だったな。
三霞島「どうしたんですか?」
朝野「先ほどのことちゃんと謝ろうと思って..」
三霞島「いえいえいいんですよ危なっかしいと思ったのでつい口が滑っちゃいました」
朝野「心配してくれてありがとうございます。」
朝野「明日は何か予定はありますか?」
三霞島(ついてくる気か?この様子だとそうみたいだな)
三霞島「明日はちょっと聞き込みを..」
朝野「聞き込みですか!?職業は!?どこに住んでいるんですか!?」
こうなると思っていたが少しこの方に手伝ってもらおうか
三霞島「えぇそうです。ジャーナリストのようなものですね..」
朝野「もしよければ手伝わせてください!暇なんで!」
かわいそうな奴だなこの人..でも人手が増えたぞ
三霞島「ありがとうございますですがもう夜遅いので明日の朝ロビーに集合しましょうか」
朝野「はい!」
そういうと自室に戻っていった。
三霞島「ジャーナリストというより調べ上げたものを殺してるって
言ったらどう思うかなあの人。」
寝室に録音用の器材、撮影用の機材を置き寝ることにした
.....録音機材にだけ何かが飛んでいる不快な音だけ録音された........