入学式2
星斗君視点です。
『月花。』
――『あっ。星君。』
『早くおいで。』
――『うん。今行く。』
僕は今、寮の前に居る。
僕達に当てられた所は、一般寮とは違う所だから、異能保持者だけが住んでいるのだろう。1人1部屋で、風呂、トイレが完備されている。希望するとキッチンの付いた部屋にでき、月花はその部屋にしてもらっていた。
僕は新入生代表を務めるため、早めに学園に行くことになっている。
僕達双子は親の仕事の関係で海外での生活が長い。海外では飛び級して、大学卒業資格は持っているが、母からの紹介で日本でも高校に通うことになった。
大学卒業資格持っているのに……という声は聞かないものとする。
†††
「月花。おはよう。」
「おはよう。星君。」
「行こうか。」
「うん。」
†††
「―――新入生代表、風峰星斗。」
会場が拍手で溢れる。……黄色い歓声と共に…
「星君。お疲れ様。完璧だったよ。」
「ありがとう。月花。HRの後、少しついてきて。先生や生徒会に挨拶しないといけないから。」
「え?私も?」
「ああ。月花も連れてきてほしいと言われているから。月花も入学試験、満点だったし、僕達は'二人で一人'なんだから当然だよ。」
「それもそっか。で、星君はどうするの?どうせ、生徒会の勧誘でしょ。」
月花の予想は当たっているだろう。実際、僕も同じことを考えていた。だが、違っている所が1点。
――多分、僕達に選択権はない。
この学園の生徒会員は指名制で決まる。僕の考えが正しければ、生徒会員は皆、異能保持者だ。そこから察すれば、自ずと答えが導かれる。
「月花は嫌?」
「正直、どっちでもいいかな。まあ、少なからず引かれるところあるしね。」
「そっか。僕も同じく。」
「行こうよ。HRが始まっちゃう。」
「ああ。」
ありがとうございました。
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