入学式1
月花視点です。
この世界には、異能保持者が存在する。何故私が知っているかというと、私もそうだから。正確には、私達だけど…
風峰月花 15歳。今日から私立氷華学園に通います。
†††
事の発端は3ヵ月前。
お母さんが思い付いたように言ったことからだった。
"ように"っていうのは、私達の憶測だけど、前々から計画されてたんだと思うから。
お母さんの話によると、あの学校は表向きには文武両道の名門校だけど、裏では、異能保持者を保護しているみたい。何でお母さんがそれを知ってるかは不明だけど、心当たりならある。
異能保持者は昔から迫害されたり、利用されてきたから、ひっそりと暮らすようになった。私達の場合、両親の理解を得ているけど、捨てられる場合も多いらしい。異能保持者が生まれる事自体が希だけど。
――『月花。』
『あっ。星君。』
――『早くおいで。』
『うん。今行く。』
これが私達双子の異能。意識すれば、お互いの意思や記憶が共有できる。さっきのが私の双子の兄、星斗。星君が、今日、入学式で新入生代表を務めるから少し早めに待ち合わせ。日本の高校に入学するにあたって寮生活を始めたから、寮の前に。
†††
「月花。おはよう。」
「おはよう。星君。」
「行こうか。」
「うん。」
これから始まる日本での高校生活。どんなものになるかな?――――
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