生徒会行事~春~8
遅くなりました。紗季です。
春の生徒会行事がやっと最終回です。
月花ちゃんの視点です。
「──では、表彰に移ります。」
皆が少しざわめき始めた。皆が期待を込めた眼差しで、結果が発表されるのを待つ。
ドラムロールの音が流れはじめて、一気に静寂に包まれた。
「5位…吹奏楽部!」
吹奏楽部のブースから、歓喜の声が聞こえる。
「4位…サッカー部男子!」
「3位…バスケ部女子!」
あっ、凜の部活だぁ。私、凜に捕まっちゃったんだよな。悔しいけど、昔から運動では、凜に勝てないなぁ。今回こそは、って思ったのに。
「2位…陸上部!」
流石、運動部だなって空気が流れはじめる。文化部からは、既に諦めたような空気が漂っているなぁ。
「1位…微生物観察部!」
1位が発表された瞬間、どよめきが生まれた。
それもそうだよね、私もさっきまでこの部の存在知らなかったし。あちらこちらで、そんな部活あったかな、って声が聞こえる。
副会長の話によると、毎日、飼っている微生物の世話をして、顕微鏡で観察しているみたい。部員はなんと、10人!!
10人もいることが驚きだよ。それに、毎日、微生物の世話をしている部活動が、運動部に勝つなんてね。ここの部員がイレギュラーなのか、運動部の練習が足りないのか………まあ、前者なんだけどね。この学校は、他校と比較しても練習量がかなり多い。でも、今回の事でたぶん、運動部の闘志に火がついたようで、そこかしこで様々な声……雄叫び(?)が聞こえる。
―――――あれから行事は、恙無く終わったの。
普通なら、無事に終わると嬉しいんだろうけど、前半の異能保持者の騒動のせいで、浮かれていられない。……それは、他の役員も同じなんだけどね。
結局あのあと、異能保持者を保護できなかった…
特定さえも…
私が異能の気配を感じたのに、探し当てられなかった。私が役員の誰よりも、見つけやすかったはずなのに。
――――私には、できなかった………
ありがとうございました。
もっと早く更新すると言いながら、遅くなりました。申し訳ありません。
これからも、頑張りますので、よろしくお願いします。