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─孤独な女の子の独り言.1─
「ここは……どこ?」
女の子は呟いた。たった一人、せまい部屋の中で。
「ここはどこなの?」
答えが返ってくるわけでもないのに、女の子は、その小さく弱い声で呟く。
「……それよりも、わたしは誰?」
なにも分かっていないような顔をしていた。
個性など持ってないという象徴にも見える無表情をしていた。
個性のない女の子だった。
だが、あえて、個性をあげるならば。
この女の子の個性をあげるならば、皆が皆、口々に同じところを答えるだろう。
その、大きくも小さい真紅で深紅色な背なの翼を。
口々に皆がいうのだろう。
ちなみに、この出来事は今から一年前のことである。