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『異能現象』  作者: 黒猫優
一章[異状な世界の現象]
3/28

─事件の開始=物語の開始─

屋上にいると、皆の遊んでいる声が聞こえる。何をしてるかはここからでは見えないけれど、楽しそうだった。

『異能現象』────か。

ニュースを見ても分かるが、このところ現象の発生が異常に多いのだ。

未知の感染病・新しい謎の公害・異常気象などの名称でニュースなどでは言われている。

科学的な解明もされるような動きもあるが、今だその正体は掴めていない。

(確か、アメリカの『霊化事件』も異能現象って言われてたな)

あの事件は世界を深刻な状況にさせた。

ただ、あの事件は感染病というよりも、どちらかというとオカルトっぽかった。

事件内容はこうだ。

人が精神的に壊れていく事件。

『霊に憑依』されたように、その現象を受けた人は精神が狂い始めていき、そして、その精神病がたちまち感染していく。

一人、また一人と感染者が増えていく事件。

そんな事件だった。だが、その事件はまだ終わってはいない。

その感染がアジア近辺でも見られるようになってきたのだ。今でも、どんどん感染は増えていっているのだろう。

ただ、先ほどからそのアメリカの事件ばかりをいってはいるが、別の国々にも様々な現象が起きている。

中国での『人減事件』、イギリスでの『神隠し』、オーストラリアでの『自滅事件』。

と、四つの事件がもう起きている。

(そして、この日本でも)

日本でも事件は起きている。それも今。


『異色事件』


通称はそう言われる。人間が『異色の何か』を放つようになるのだ。

それは、雰囲気というより、異能とも呼べた。

"人間が『異能』になる現象"

"異能を持つ"のではなく異能現象の一部になり、人工物や人間を殺すようになる。

現象になるとは、言い方が悪いがニュースではそう言われてる。

でも、それでは『異能を持つ人間は人間ではなく、異能現象と同じなんだ』と言ってるように聞こえる。存在を否定してるように。

この学校にも事件を受けて『現象』になった人はいる。

数人だが、それでもいた。

異能をもった者は直ちに、監獄に連れていかれ、拘束をされる。

その後、『更正』か『処分』のどちらかに、判決は決まる。

(何を暗いことをまたもや、考えてるんだよ)

今日の俺は可笑しい。頭を冷やそう。

なにも考えずに風に当たろうと、座ったまま背伸びをする。

(あ、今、背中ビキビキっていったな。これは、筋肉痛の予感だ)

良くも悪くもその予感は外れ、筋肉痛には、ならなかった。ビキビキと音がしたのは事実なのだが。

ササァー、と風が吹いてくる。その風は少し冷たく、寒かった。

そうやって、風の感度を感じていると、だんだんと風が強くもなってきた。

(ちょっと寒いな。しかたねぇ、教室に戻るか)

俺は教室に帰ろうと立ち上がろうとした。

ちょうどチャイムも鳴ったところだった。

だが、立ち上がろうとした瞬間、─────────


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