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『異能現象』  作者: 黒猫優
一章[異状な世界の現象]
24/28

─伏線無しのラブコメ再来中!─

またやってしまった!

ラブコメ!

きっと俺はこれがすきなんだろうwwwwwww


振られた……。加那さんに振られた……。

……あ、いや、そういうわけではないか。

だが、現状的にはそうなるのだろうか?

加那さんに嫌われたのだ。しかも、あそこまでの拒絶だ。結局、加那さんには菜谷の話は聞けなかったし、もう二度と加那さんには菜谷の話は聞けないだろう。

「…………しかたねぇ。いまある情報だけでなんとかするか」

なるべく前向きに俺は考えた。

いや、無理矢理前向きに考えたのだ。

前向きに考える以外は、今はすることがないし、それ以外の選択肢をないからな。

だが、どれだけ前向きに考えたところで多少無理な気がする。

なにが、無理かというと、

「菜谷にはものすごく楽な感じで説明とかしてたけど……。実際は……現象解除とかできるのかな?」

そう現象解除のことだ。

確か、菜谷には、『菜谷の異能現象の主成分である恐怖の感情を取り除いて現象解除をする』とかなんとか言ったっけ。

……無理だろ。人が人の感情を、思いをそう簡単に変えれるものじゃない。

しかも、菜谷のは異能現象になるほどの感情の濃さだ。

並のことじゃ感情は変わらないはずだ。

「うん。菜谷を安心させるためとはいえ、無理矢理で無理難題なことを俺はいったな……うん」

今度からは無理難題なことを自分からは言わないでおこう。俺は密かに心に誓った。

「さてと、……どーしたものか」

無理難題なこと・その場しのぎに言ったとはいえ、菜谷には約束をしてしまっている。

ここで、現象解除の方法を変更するとは男のプライド的に言えないだろう。

だから、やり方に変更はしない!

大丈夫!俺は俺を信じてる!

みたいな感じのノリな俺。

だが、何を言おうとも足は動かさない限りでは前には物理的に進めないので、また俺は歩き始めた。

加那さんがいった方角とは反対の道。

俺の帰路である道の方へと俺は行った。


●●●


家に帰った。すると、驚いた。

端的に簡単に述べるなら、そんな感想を俺は述べるだろう。

まぁそんな抽象的な表現のままではいけないだろうから、ここはきちんと説明しよう。

まず、俺は今、玄関にいる。

ちょうど玄関のドアを開けて中に入ったところだ。靴はまだ脱いでない。

そんな状態だ。そして、俺のさきほど言った驚いたことというのは、俺の眼前に広がっていた。

俺の家には玄関から入ったら廊下がある。

横の幅は少し広い廊下のだが。

そこに雅美と一葉と晴樹がいた。

それも、『三人がもみくちゃになって三人ともが横に倒れている状態』でいた。

少し女子二人の服がはだけている。

少し女子二人は息が荒い。

そんな女子二人にもみくちゃにされながら男子一人は唖然ともみくちゃにされていた。

ただ唖然としているのではない。

少し顔に赤みを帯びている。

照れているのだろうか。

というか、そんな感想建前でしか俺はいっていない。

ぶっちゃけると見た感じでは、集団レイプのような形だった。

俺は静かに眼前を見つめる。

あちらの三人もこちらを見つめる。

「え、えーと」

俺は言葉が出なかった。

というか、なんか何も言えなかった。

頭の中には、真っ白なモノしかなかったのだ。

そして、そんな頭の状況が体感で一時間。

実際には十秒続いた後、初めて俺は動作を行えた。

「お、お邪魔でした。」

玄関に入ったときの動作を逆に巻き戻したような動きをして、俺は家の外へ────────玄関の外へと出た。

「ま、ま、ま、まってえええええええ!!!カッズゥゥゥゥゥ!!!誤解だよおおおお!!!」

「ちょ、ちょ、良和まって!」

「よ、よ、良和君!ストップ~!ストップ~~!」

玄関の外で立ち尽くす俺と家の中から叫ぶ三人の構図が出来た瞬間だった。


●●●


そこから俺たち四人は移動した。

廊下で話し込むのもどうかと思うので、リビングにきたのだ。

真ん中にテーブルがあって、右と左の左右に白くて大きいソファがある。

俺はその右ソファに座った。あとの三人は左ソファに座った。

そして、俺は唐突に聞いた。

「えーと、さっきのなに?」

「不慮の事故だよ!」

「不慮の事故だって!」

「不慮の事故です!」

俺が問うと三者三様、同じことを言ってきた。

「もちろん説明はするよ!カッズー!というか説明させてくれなきゃこっちが困るよ!」

「うん。ぜひ、説明させてほしいね」

「はい。見苦しいかもしれませんが説明させて頂きたいです」

ということで説明があったのだ。

だが、皆がとてつもなく焦るものだから、とても口下手になっていた。

ので、ここでは俺が独自にまとめた解説をいれようと思う。

最初から説明をすると、

雅美は家にいた。俺の帰りをまっていたようだった。ちょうど夕飯の用意もしていたのだ。

そこに、一葉が家にやってきた。

雅美はそのインターフォンの音を俺が帰ったものだと思って喜んでいたようだった。

だが、それは俺ではなくて隣の家の一葉だったのだ。

一葉は昨日、俺とスーパーであったときに俺が雅美が風邪引いてると言っていたのを思い出したそうで、心配して来てくれたそうだ。

その際、手作り弁当も作ってきたそうだ。

だが、なにが気に入らなかったのか雅美は怒ったみたいだ。

「いいからかえれー!!」みたいな感じで。

それに一葉も怒ったみたいだ。

「良和君に会わせろー!!」みたいな感じで。

そうしているうちに一葉が強行突破に出ようとして無理矢理、俺の家に入ったみたいだ。

だが、その強行突破を雅美は廊下のところで押し留めた。

そこで女子二人のいざこざが始まった。

そこに、晴樹が来た。

今日の朝に晴樹からメールがあったのを皆は覚えているだろうか。

ちなみに、俺は忘れていた。

そのメールの返信が遅かったので、許可もなにもなかったが晴樹は俺の家を訪れたのだ。

そうやって晴樹は俺の家に訪れてみると、いざこざしている雅美と一葉を見つけた。

そこで止めに入った晴樹。

だが、女子二人の私怨とも言える妙な力により、むしろ巻き込まれてしまった晴樹。

そして、三人ともの足が絡まってしまい、横転。それにより、さきほどのような横倒れ、もとい集団レイプ状態になったのだという。

「だから、集団レイプ違うよ!カッズー!!!そんな私のことを浮気をする最低野郎みたいにいわないで!」

「わ!私もです~!良和君!」

「僕は性別的に良和に浮気というか恋愛自体できないからね……あ、でもレイプはしてません」

と、三人。

「あ、うん。事情は分かったよ。OKOK」

「わ、分かったならいいんだよー!」

「そうそう~。分かってくれたら満足だよ~(危うく誤解されるところだった……)」

女子二人が頷きながら言う。満足な様子だ。

だがちらほら小さな声が聞こえてくるが、何を言っているのかは分からない。

まぁ、気にしないで大丈夫だろう。

「うんうん。わかってくれればいいんだよ、僕としてもね」

晴樹が答える。

だが、あまり気持ちよく、その言葉を受け取れない。

「……」

理由は簡単だ。なんか、ムカついたからだ。

女子とあんなラッキースケベしやがって…。

まぁ、ラッキースケベがなくとも、晴樹はモテるのだ。だから、普通にあんなことは俺の知らないところで起きているのかもしれない。

でも、あのラッキースケベは何故か嫌だった。なんか主人公と脇役の差を見てしまったような気持ちに駆られる。

「ど、どうした?良和?」

そんな考えている俺の顔を晴樹は覗いてくる。

「あ、いや、な、なんでもない」

少し動揺をしながらも俺は答えた。

「そ、そう。ならいいけどさ」

すまんな、晴樹。俺はお前に嫉妬しているかもしれん。

そう心のなかで俺は思いながらも、自室に戻るために俺はソファから立ち上がる。

「んじゃ、俺は自室にいくわ」

それだけいって俺は自室へといった。

「あ、うん。いってらっしゃい」みたいな雅美の声や「は、はい。いってらっしゃいです」と、かしこまったように一葉が言う声。

「あ、いってらっしゃい」と端点に述べる晴樹の声を後ろから浴びて俺は自室へとむかった。




読んでくださったかた。

ありがとうございました!

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