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『異能現象』  作者: 黒猫優
一章[異状な世界の現象]
2/28

─始まりは憂鬱の始まり─

俺は仰向けにベットで寝ていた。

学校の帰りだったので、服装は学生服のままだった。

俺は天井を見つめていた。黒いシミがちらほらと何個か見えた。

そうやって、見てるうちにボヤボヤと頭に浮かんできた。

俺の人生で多分、一番の衝撃ごと。

今日、起きたことだ。


俺の名前は「三崎良和」(ミサキヨシカズ)高校二年生で、好きなものはこれといってなく、嫌いなものもこれといってない普通で普通な一般高校生。

身長はクラスで真ん中。髪は黒い短髪頭。平々凡々という者の象徴だ。

今日は、俺に起きた衝撃ごとの話を聞いてもらいたい。

少し自慢気に話すかもしれないが、多分そっちの方が皆には面白い話になると思う。


●●●


あと、一週間で冬休みが始まる時期に今、達していた。

ただそれは、塾と宿題のコラボレーションした地獄の始まりがあと、一週間後ということを意味するだけで、楽しみはなかった。

はぁ、と机に上半身を倒して溜め息をついた俺だった。宿題は人類の敵だ。

だが、そんなことを俺が考えていると、横から誰かが話しかけてきた。

「溜め息ついて、どうしたの?」

その正体を見るべく音源の方を見る。

すると、

「あ、晴樹か」

音源の正体は俺の友達の「園田晴樹」(ソノダハルキ)だった。

男なのに顔立ちが女っぽく、髪は黒い短髪で俺と同じ、背は俺よりも遥かに小さいのが特徴だった。

「いや、冬休みが始まることで俺は地獄に突き落とされるんだなぁー、と感傷に浸ってただけだよ」

「何があったの、良和・・・」

なんか、可哀想な目を冷ややかにされたな、今。

「塾と宿題のコラボレーションは地獄だろう?」

「それは良和が宿題を溜め込むからでしょ」

そう言いながら、休み時間のため元々の席の人が不在の俺の前にある席に晴樹は腰を下ろした。上半身をこちらに向けて話す体勢もとっていた。

「そうは言っても、宿題はしたくない」

「それだから、終わんないんだよ、良和は」

嘆息気味に言う晴樹。今は一時間目の授業がおわり、二時間目に入るところだ。

キンコンカンコーン、と間の抜けたチャイムが鳴る。『間の抜けた』と言ったが、あながち間違ってない。うちの学校のチャイムは古くて壊れているため、本当に間の抜けたチャイムなのだ。

「あ、二時間目が始まる。じゃね、良和」

「おうよ。晴樹」

と、晴樹は自分の席に戻る。

俺も寝る体勢から、通常の体勢に

戻すべく、上半身を上げる

「あぁ、社会か」

ハゲの社会担当の先生を見て、科目を把握する。最初から覚えとけ、と言う意見は聞かない。

引き出しから、教科書・ノートを出しつつ、

授業始まりの代名詞『起立・気を付け・礼』をする。

着席とともに、脱力感がでる。このハゲ教師

授業前に、ニュースであった話を言うのは良いとして、自分の家の事情や学校のこと話すかんな、友達みたいに。しゃべり方がウザイ。

「おぉ、そうや、お前ら知っとるか?昨日、また新しい異能現象が東区で起こったらしいぞ、知らんかったろ?」

このしゃべり方だ。唐突に話しかけてきた。

だが、生徒は全員、聞く耳を持たないようにあまり興味を示していない。

「それで東区の一部が吹き飛んだそうだぞ」

少しずつ自慢気でふんぞり返ったような話し方に先生はなってきていた。

「あれはたまにある、風の異能現象だな。規模なら最大級だが──────────── 」

皆は冷めた目で先生を見ていた。

はなから、話など聞いていないのだろう。

まぁ、話題が話題なだけに聞かないのだろう。


●●●


『異能現象』

通常の自然災害を超える現象。第一から第五の種類に分かれる。

第一は[異状]第二は[現出]第三は[憑依]第四は[自然]第五は[明晰]

五つの現象は違う反応を示す。例えば、第四

の現象なら自然災害を究極まで極めた現象が起こる。突風・落雷・津波・地震。様々だ。

「はぁ、何を考えてんだか」

嘆息と同時に言葉を吐く。

「何を熱く考えてんだよ、俺は」

もう四時間目まで授業は終わり、昼休みだ。

弁当を机の横にかけてある鞄から取りだそうと、手を伸ばす。

「あれ?な、い?」

多分、この時間は購買部も混雑していて食い物など買える状態ではないだろう。

「今日の俺は飯なしかよ」

残念ながら、晴樹は生徒会の仕事でいない。

他クラスにまだ知り合いはいるが、多分笑って食い物をよこさない。

「はぁー、しゃーねー」

仕方ない、と思い俺は食い物を諦めた。

ちょっと風に当たるか、と思い席を立つ。

ガタッ、と椅子は鈍い音を出した。

だだ、クラスの皆の声は生き生きしてた。


●●●


屋上にきた。風に当たるなら、一番の場所だ。幸い誰もいなかった。

嘆息もでないまま、屋上のフェンスを背もたれにして寄りかかり、地べたに腰を下ろした。

風通しは良かった。風は俺に当たり、俺の髪を揺らす。

一切の無言だった。人はいないのだから、当たり前だが。

何となく、右を見る。右は中等部に属し、中学生がいる。だが、俺からは中等部の建物の屋上のフェンスしか見えない。中等部は高等部の真横にある。二つの建物を繋ぐように、通路が二つの建物の間にあるのだ。だが、使用されるのはあまりなく、文化祭などの物品を運ぶ時にしか使われない。

「はぁ」

嘆息する。この頃のニュースでは『異能現象』の話ばかりだ。聞いてる方は疲れるのだ。



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