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『異能現象』  作者: 黒猫優
一章[異状な世界の現象]
15/28

─外出ついでのフラグミス─

雅美の『シンデレラ化』も止まったものの。

『シンデレラ化』後の、雅美は一時、気を失った状態になる。その間は、俺は『シンデレラ』から雅美を守らなくてはならない。

と、言っても、硬直後に『シンデレラ』が雅美を再度、乗っ取ったことはないが。

「はぁ」

俺は嘆息と溜め息を混ぜた言葉を吐く。

「まさか、幼馴染みの俺が『シンデレラ』を忘れていたとは」

俺は気を落としながら、俺のベットに寝かせている雅美を見る。俺はベットに座り、上から雅美を見る体勢だ。

いくらなんでも、添い寝は駄目だな。

思春期の少女に。

「大丈夫だ、雅美。俺がついてる」

静寂の部屋で、俺は告げる。

目をつぶり、寝ている雅美の頭を撫でながら。


●●●


『シンデレラ』とは昔。

雅美に憑いた、異能現象で、幽霊だ。

第三の現象[憑依]

霊的物質に異能が付加されて『現象』になる

異能現象だ。

雅美は現象が発症してからは夜の12:00になると、

『シンデレラ化』し、頭が『混乱と乱暴』に侵され、膂力が上がり、攻撃性を秘めるようになる。

今日はあの程度だったが、昔なら、完全な『シンデレラ』になって手がつけられなかった。

「あー。大丈夫かな」

嘆息に似た声を出す俺。今、俺は外に来ていた。

『シンデレラ化』した後の雅美は体温が上昇していくから、スーパーマーケットで冷えぴた・アイスなどの体温を冷ます物を買いに来てるところだ。

雅美の傍に、二時間ほどいた後から外に出た。一時間くらいで再度の『シンデレラ化』の心配は無いが、一応、一時間遅くしていたのだ。

「何が良いかな?」

そして今、俺はスーパーマーケットのアイスコーナーにいた。

どのアイスが良いか迷っていたところだ。

「雅美はイチゴ好きだから、イチゴ味のアイスでいいか」

冷ます性能面よりも味で決める俺。

あと、熱冷まシートでも買っておくか、と俺は思い、俺はスーパーマーケットの場所を移動する。

すると、

「あれぇ?良和くぅん?」

後ろから声をかけられた。俺は声につられて、後ろを振り向いてみた。

「あれ?一葉?」

後ろを振り向いたら一葉がいた。

私服だった、白いワンピースを着ている。

手には買い物かごを持っていた。

中には、かごから、出ているネギや大根が見えた。

「一葉、何してんの?」

「それは私の台詞だよ~。私は朝ご飯の材料を買ってるところ、良和君は何してるの?」

一葉はホワホワ声で俺に話しかけてくる。

「あぁ、俺はちょっと雅美のことでさ」

「え?雅美?幼馴染みさんに何かあったの?」

「あぁ、風邪?かな」

一葉には『シンデレラ』のことは伝えていない。

「風邪!?────(まさか、私の藁人形のせい?)」

「ん?どした?一葉」

最後辺りが、聞こえなかった。

「なっ、何でもないよ~!」

何か慌てふためる一葉。

「え~と、その~、私も手伝おうか?ていうよりも、手伝わせて」

「あぁ───────いや、大丈夫だよ。俺一人でも」

あまり『シンデレラ』については知られたくない。例え、発作後でも。

「本当に大丈夫なの?良和君?」

それでも心配してくれる一葉。

「あぁ、大丈夫さ。ありがとうな。心配してくれて」

「そう。それなら、良いけど」

「うん。ありがとう。─────じゃあ、明日、学校で」

俺はスーパーを後にした。






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