─その後の報酬と応酬─
何とか、雅美に許してもらった。
「特別だよ?普通はこんな時間に帰ったら、[メェ!]ですよ」
今、お前に[メェ!]されたばっかですけどね。
俺は、苦笑する。
「はい。肝に命じとくよ」
次にこんなヘマしたとしても、次のチャンスはないだろう。
「はい、それでいいのだよ!」
いつもの雅美がいた。呪術師ではなかったようだ。
「安心しろ、次はしないから」
次にチャンスがないからな。
「なら安っ心だね!」
「おう。で、今日は、ご飯は雅美の番だろ?どんなが出来た?」
「あぁ!それはね!」
と、誇らし気に雅美はそう言う。
やっぱり、『普通』って良いな、と俺は思うのだった。
[6.何かのラブコメ]
ご飯も食って、腹一杯になった。
「ふぅー。あ、雅美は自分ん家に帰るのか?」
「う~ん。いや、今日は泊まってくね♪」
「分かった。布団はどこに?」
と、俺が言うと雅美は驚いた顔を見せた。
「え!?泊まっていいの!?」
「いや、別に嫌ならいいが」
「いやいや!泊まる!泊まるからね!」
「お、おぉ」
どうしたのか、雅美はテンションが高くなった。
「で、どこで寝るんだ?」
「はいはい!良和の隣がいい!」
「はいはい。分かったよ。」
「やったぁー!」
テンションが高いな。どうしたのだよ、雅美さんよ。
「じゃあ、布団、運ぶぞ」
「分っかりましたぁ~!」
「ウース」
俺は布団を運んだ。
まぁまぁの重さがあった。
俺の自室に布団を運ぶ。自室は俺の家の二階にある。階段、上るの面倒臭い。
雅美は俺の後ろでウキウキしてる。
俺のベットの横に置く。
まぁ、布団とベットには高低があるから、
ベットからは布団は低く見えるがな。
「では、運び終えました、隊長」
「ご苦労です!二等兵さん!」
二人で兵隊の真似事をする。敬礼とかしてるしな。
「で、雅美は布団とベット。どっちがいい?」
はいっ!、と雅美は手を元気良く上げる。
「私はベットが良いです!」
「俺もベットがいい」
「ならば、ジャンケンですな!」
「そうですな」
ジャンケンポンっ!、と俺たちはジャンケンする。俺が『グー』で、雅美は『パー』
「やったぁー!勝ったよ!」
「ちぇ~」
舌打ちに似た何かを俺はする。
もう俺の頭のなかに『屋上のこと』はなかった。ただ、日常しか頭になかった。
「さてと、風呂に入るか」
「っ!!」
何か雅美が驚愕と覚悟の顔になる。
「どうした?」
「分かったよ。風呂だね、お風呂、お風呂」
ブツブツ、と言う雅美だった。
「先に入っとくぞ」
俺はそう言った。