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『異能現象』  作者: 黒猫優
一章[異状な世界の現象]
10/28

─時間に遅刻することはすなわち幼馴染みフラグ─

取りあえず、家に帰ることにした。

公園の時計の針は18:00を指していた。

多分、雅美にぶち切れられる。

(今日は雅美が昼食作ってくれるらしいしな)

とにかく、遅れるのは『死』を招く。

「じゃ、俺は帰るよ。幼馴染みに帰るの遅くなったら、殺されるから」

目が死にそうになりながらも俺は立ち上がる。あ、この時間はもう殺されるな。時間を考えて思った。

「あ、はい!───あ、あの!」

菜谷が声で俺を引き止める。

「ん?どうした?」

俺は振り返る。幼馴染みが、怖いのにぃぃ。

「あの、メールアドレスの、こ、交換しませんか?」

「メルアド交換?」

「はい。そ、その方が連絡取りやすいですし、い、良いですか?」

「あぁ、別に良いよ」

俺は菜谷とメールアドレスの交換をする。

ピピッ、と音がして、終わった。

「良し。ではこれで───────」

「あ、あの!」

またもや、呼び止められる。早くしなきゃ行けねぇのに。

「はい。何でしょう?」

何か、泣けてきましたよ?菜谷さん。

「よ、よろしくお願いします!」

ペコリ、と頭を下げた。可愛いらしかった。

「あ、うん。こっちこそ、よろしくな!」

俺もペコリ、と頭を下げた。いや、俺の場合は『ペコリ』ではなくて『べこり』だな。

何か、きたねぇ。

「じゃ、また明日」

俺は右手を上げる。

「あ、ハイです!」

菜谷も右手を上げた。

子供みたいに元気だった。

「オッス、また、明日な!」

そういって俺は後ろに体の向きを変えて、なるべく急ぐために、走って家に帰るのだった。


●●●


家に帰ると、呪詛が聞こえてきた。

「─アィ──ッ─────ォソ────スギ───ダ────────ロォ─────────」

(何か、怖い!)

暗黒のオーラと漆黒の呪詛がリビングから聞こえてくる。

(あれ、何か、寒気がするぞ、あれ?)

怯えながらもリビングに歩いていく。

リビングの前に来たので、リビングにいる(と思われる)[呪術師]様に声をかける。

「お、オッス~、雅美?」

ギョロ、という音を出しながら、此方を振り向く。目の光彩がなかった。

その目に、あるのは────────。

「アァー、オカエリー」

───────とてつもない、闇だった。

「えっと・・・ですね、雅美様」

「ナニ?カッズー?」

(さてと、どうしよう?)

俺の悪あがきが始まった。

(俺、殺されるかもな)

涼しく俺は考えた。

目の前の、呪術師は簡単には、俺を許してはくれないようだった。


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