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 「ふーん…同じ大学なんだ。学部違うと全然分かんないよね」



 空調が効いたカフェの奥まった席で、譲流は田沼と向かい合っていた。



 「あ、でも篠田さんたちは結構有名だよね」



 「あー……すごく不本意だけど。ヤラカシさんがいるから?」



 どうにもおっちょこちょいな相棒を思い浮かべ、苦笑いが漏れる。



 (そういえば河童……どうしたかな)



 「それで……相談、なんだけど」



 アイスティをくるりとかき混ぜる田沼の顔に、ふと影が射した。



 「友達、秋津っていうんだけど……そいつが行方不明なんだ」



 「行方不明?」



 「もう二週間も連絡取れなくて。最後に『篠田さんによろしく』って」



 秋津という名前には聞き覚えがあった。



 「秋津、音弥……?首席で入学した?」



 名前だけは知っている。しかし面識は全くなかった。

 だからこそ、先程田沼があのキーワードを知っていたことが気にかかる。



 「田沼はさ、誰に聞いたの?その……あの言葉」



 「言葉?……ああ、あれ?あれも音弥が前に話してたのを覚えてて」



 あのキーワードは、妖やそれに連なる者が助けを必要とする時、正しい用法をすることで効果を発揮するのだ。



 (今がその時、かな)



 話してみて、田沼は信用に足る人物だと譲流の直感が告げる。



 「やれるだけのことはするよ。よろしくね、田沼」



 氷が溶けて薄くなったオレンジジュースを喉に流し込んで、譲流は田沼と連絡先を交換するために携帯を操作した。


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