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いちわめ


「あ~あ~・・・虹のムコウで~ぇ~」

俺は通学路を歩きながら歌っていた

気分が良いとついついに歌を歌ってしまう

すれ違う人が何か冷たい目で見てる気がするけど

気のせいだよな


俺―――、道城桜紫みちしろ おうし県立けんりつ色合いろあい高校の生徒だ

留年はせずに順調に2年生


自分で言うのもなんだけど、俺はとにかく目立っていた

目が覚めるような金色の髪

首筋に見える桜の花びらをかたどった刺青いれずみ

たかのような目で常に周囲を見回すしぐさ

そしてその名前

中学に入学した頃から周りから避けられてた

別に俺何もしてないんだけど・・・・

どこからどうみても不良にしか見えない俺には誰も近づこうとしなかったのだ


学校屈指の変わり者達を除いては


「桜紫おっはよー!!!!」

「うわったたた」

後ろから女性にいきなり飛びつかれ、桜紫はバランスを崩してしまった

「美鬼はねー!今日の朝に桜紫と一緒に学校に行こうと思って昨日は早起きするためにねー!七時に寝たんだよ!?でもねー!でもねー!ちょ~っぴりだけ寝すぎちゃってさっき起きたばっかりなんだよ!!」


こいつは赤胴あかどう美鬼みき

俺の1つ上の高校3年生

学年1、2を争う美人で、黒縁くろぶち眼鏡とショートの赤髪がキュートと人気らしい

しかしこんな美鬼だが、俺の友達なんだ

つまり例の『学園屈指の変わり者』

どこが変わってるかと言うと・・・・

「おいコラァ!!そこのメガネ!」

正面にいたガラの悪い学ラン姿の男が近寄ってきた

「朝っぱらからイチャついてんじゃねーぞ?あ?」

男はタバコくさい顔を美鬼にちかづけて言った


―おいおい・・・・美鬼にそんなことしたら・・・


美鬼は心底嫌がる顔をして

「あんたさー、まじでうざい。別にあたしが朝からいちゃついててもあんたにかんけーねーし、いやまずいちゃついてねーし。まずそれあんたの勝手なひがみじゃん(笑)だっせー」

不良の男相手にびびることなく毒を吐いた

俺は美鬼のこんなトラブルを呼び寄せるところが嫌いなんだよ

でもいろんな意味で相手を選ばずに行動するところが好きだった

「てめぇ調子のってんじゃねぇよ!ぶっ殺すぞ!!」


―止めとけってマジで


今にも殴りかかりそうじゃねーかよ

暴力とか俺好きじゃないどころか嫌いだから止めてくれって

「暴力だけは勘弁な、美鬼」



「無理っぽい」



ズドン、ズドン、ガッ、ゴッ

おぉ、綺麗なボディブローに右フック

相手の不良さん泡ふいちゃってるよ・・・・

「っておい、やりすぎだって。先生とかにばれたらまた謹慎になっちまうぞ」

「じゃあこの生ゴミちゃんと処分すればいいんだね?美鬼に任せなさい!」

「ちげぇよ!!」


―なんって恐ろしいことをさらっと言いやがるこの鬼め!


これがこいつの『変わり者』の理由

ぶっちゃけちゃうと不良チームのリーダー

血の気の多い武闘派の男どもを暴力だけで束ねた18才の鬼

ついたあだ名が『色合の赤鬼~ザ・ビューティフルオーガ~』

つけた奴、ネーミングセンスなさすぎ

しかしこいつの強さには圧倒されるわ・・・

俺が本気でケンカしても多分負ける、つーか普通に負ける

「ごみ箱につっこんできたよー」

「お前は阿修羅だな!!!」


☆★☆★☆★☆★☆★☆


しかし今日は朝から散々だな

俺の人生ワースト10のできごとには入るかもしれんわー


―やっと学校についた・・・・朝から不良の始末を強要されるとは思わんかった


「なんやぁ、今日もいつも通りしけたツラしおってからに。あんましけとったら幸せが逃げてまうで?桜紫ちゃんよー」

「うっせーよ、バカ」

「あ!またバカ言いよったな!」

「バカなんだからしょーがねーだろ」

「バカとちゃうわ!わしには青海あおみ刃華じんかっちゅー素晴らしい名前があんねん!!」


―刃華がバカにしか読めないんだよなー


「ええか?桜紫ちゃん、人生笑っといたらたいがい何とかなんねん」

「お前のは笑ってるんじゃなくてにやにやしてるって言うんじゃねーの?」



なんやとボケコラー!!!

うっせバーカ!!



☆★☆★☆★☆★☆★☆



数学の授業始まっちゃったよ、あいつとケンカすると長いから嫌なんだよな

あいつ顔は悪くないんだから静かにしてればいいのに

(しっかし数学って難しいなー・・・・証明とかすっげーむずかしいし)

こんなの社会にでても使わないんだから習っても意味ないと思うのは俺だけなのかな


チャラララー チャチャチャララー チャラララー・・・・


お、誰かの携帯鳴ってる

何か超ワクワクする、わかる?この気持ち

現役高校生の皆ならわかってくれるはずだ、この野次馬根性にも似た気持ちが

さーて誰だー?真っ昼間から携帯鳴らして先生に没収される間抜けは


右見て、左見て、前見て、後ろ


―おかしいな、皆が俺を見つめている。フェロモン出しすぎかな


あ、先生がこっちに・・・・

「道城、携帯を出しなさい」


☆★☆★☆★☆★☆★☆



「災難やったのー桜紫ちゃん、まっさか携帯鳴ってるんに気付かんとは」

「俺今ならメールしてきた奴とタイマンしてもいい気分だ」

「そういやさっき美鬼からメール来とったぞ、ワシと桜紫ちゃんへの一斉送信で。そうかそうか、桜紫ちゃんは美鬼とタイマンしたいんかー」

「前言撤回だ、メールしてきた奴愛してる」


―危ない危ない、美鬼とタイマンなんかしたら5秒でひき肉になれるぜ♪


「美鬼からラブレターやで、2人で部室に来いやって」

「ぅげ、まじっすか」

美鬼から呼び出しとかついてねーなー、週5のペースで呼び出されるんだけど

しかもバカと2人そろって・・・・・


「なぁバカ、美鬼はなんとかなんないかな?」

「いいかげんワシの名前覚えてくれたら答えてもええで」



まだ今日は始まったばかりだ



ここまで読んでくれてどうもありがとうございます

初投稿です♪

どうか長い目で見守っていてください

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