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よくある。ありふれた展開と思ったら……


 ()()()()()()オルドヴァ王国の城門前で学校の制服姿で立ち、途方に暮れていた青年……金城(かねしろ) 涼介(りょうすけ)はボヤきを漏らしてしまう。


 「マジでどーしろってんだよ?」


 「良いじゃん。ある意味で自由に動ける様になったんだし、異世界を楽しんだら?」


 途方に暮れる涼介とは対照的に暢気な様子で言う涼介と同じ学校の制服に身を包む()()()の少女……麻倉(あさくら) 綾華(あやか)に涼介は呆れてしまう。


 「お前は何で其処まで暢気なんだよ?俺達は俺達自身の力で生き残らないとならないって、解ってるよな?」


 涼介と綾華以外のクラスの面々にはチートな能力やスペックが有るが、涼介と綾華には()()()()

 それ故に役立たずの無駄飯喰らいは要らない。そう言わんばかりに手切れ金を渡され、王城から叩き出された。

 異世界モノ。

 特に教室のクラスメイト達ごと勇者召喚されて悪逆非道な魔王を退治する作品ではよくある話だろう。

 そんな状況にあるにも関わらず、暢気な様子の綾華はさも当然の如く暢気に返した。


 「よくある異世界モノみたいに冒険者として登録して、日銭稼げば何とかなるんじゃない?」


 暢気な綾華に涼介は益々呆れてしまう。


 「あのな、言葉が何故か通じるとは言え、俺達は裸一貫と変わらない。オマケにお互い魔法も使えないと来てる……そんな状況で鉄火場でヤマを踏むとか生命が幾つあっても足りねぇよ」


 涼介が綾華の暢気な言葉を頭ごなしに全否定すると、涼介の()()()()()()()()()()()()()()()電子音が響いた。

 地球上ならば驚く理由は見当たらない。

 だが、此処は地球ではなく異世界。

 それ故に涼介は怪訝な表情を浮かべてしまった。

 そんな涼介に同じ様に怪訝な表情になった綾華は涼介に尋ねる。


 「此処、実は地球でしたってオチだったりする?」


 尋ねられた涼介は答える代わりにスマートフォンをブレザーのポケットから取り出し、脇のボタンを押して画面を確認し始めた。

 画面を確認した涼介は溜息を漏らすと、綾華に画面を見せながら告げる。


 「ハァ……どうやら、俺の知り合いが話をしたいそうだ」


 その言葉と共にスマートフォンの画面を見せられた綾華はメッセージの文面を読み上げた。


 「何々……"王都の下町にある"踊る人魚亭"で待ってる。君を愛する混沌より愛を込めて"。混沌って誰よ?」


 読み上げた後に"混沌"が誰なのか?

 綾華が問えば、涼介は吐き棄てる様に答える。


 「()()()筈のクソ(アマ)だ」


 それ以上の事を涼介は言わなかった。

 だが、綾華はその答えに納得したのだろう。


 「要するに貴方のお友達なのね」


 そう言うだけで何も言わなかった。

 そんな綾華の言葉に涼介は不快感を露わに返す。


 「あのクソとダチ(友達)だと?冗談でも笑えねぇ」


 心の底から不愉快そうに返すと、涼介はブレザーのボタンを開けて腰に右手を回し、ズボンの腰に挿し込まれた物を掴んで抜き取った。

 涼介の右手に握られていたのは武骨で古めかしいスナブノーズ(短銃身)のマグナムリボルバーであった。

 マグナムリボルバーのシリンダーを慣れた手付きでスイングアウトさせ、シリンダー内に6発のマグナム弾が装填されている事を確認した涼介はシリンダーを戻すと、撃鉄を起こして歩き出した。

 右手に撃鉄の起きたマグナムリボルバーを強く握り締め、歩みを進める涼介の背から強い殺意と憤怒。

 そして、憎悪を感じ取った綾華は闘争の臭いを感じ取ると、喜びに満ちた笑みと共に腰に手を回す。

 腰のスカート内に収まるホルスターからレーザー付きの小型のフラッシュライトが取り付けられたオートマチック式の拳銃……SIG P228を引き抜いた綾華はスライドを軽く少しだけ引いてプレスチェックをすると、涼介と同様にを握り締めて歩み出した。

 3分ほど歩いて涼介の左隣に綾華が歩んだ頃。

 涼介は綾華に言葉を掛けた。


 「俺に付き合う必要無いぞ」


 言葉は素っ気無いモノであった。

 だが、少しばかり綾華を気に掛けたモノでもあった。

 そんな言葉を掛けて来た涼介に綾華は気にした様子も無く付き合おうとする理由を返した。


 「普段穏やかな貴方が殺意や憎悪。それに怒りを滾らせる程の相手がどんな奴なのか?気になったのよ」


 事情は省くが、涼介と綾華は殺し合った。

 理由は涼介の地元近くで綾華が殺し屋として仕事をし、涼介がソレを見てしまった。

 結果は綾華の負けに終わった。

 そんな自分を殺せる程の高い実力を持った普段は物静かな涼介が普段とは異なり、強い怒りと憎悪を殺意と共に滾らせる混沌を名乗る相手が何者なのか?

 綾華の興味を引くには充分過ぎた。

 だが、理由は他にもあった。


 「それに貴方を殺すのは、()()()。変な奴に獲物を横取りされるのは嫌よ」


 涼介に敗北し、漸く己にも救い()が訪れる。

 そう思った矢先。涼介は死を迎えようとする己を助け、その生命を救った。

 そればかりか、人殺しである己を警察に突き出す事もしなかった。

 己の尊厳を踏み躙る真似をした涼介を未だに赦せずに居るからこそ、綾華は自分に敗北を叩き付けた涼介を己の手で殺したいと、強く熱望していた。

 だからこそ、涼介と言う己の獲物を横取りされたくない。

 そうした理由から涼介に付き合い、味方になる事を選んだのであった。

 そんな2つ目の理由に涼介は「勝手にしろ」そう吐き棄てると、更に言葉を続ける。


 「奴と相対してる間、周囲の警戒を頼む。余計な邪魔は御免だ」


 要請と共に理由を告げれば、綾華が拒否する事は無かった。


 「良いわよ」


 綾華が己のバックアップに廻ってくれる事を聞けば、涼介は綾華と共に歩みを進め続ける。

 王城から遠く離れ、無数の人々で賑やかなオルドヴァの王都に入った2人は静かに歩みを進めて行く。

 途中。王都の人間に道を聴きながらも暫く歩みを進めて行く内に指定された酒場……踊る人魚亭に着いた。


 「俺が先に入る。お前は後から入れ」


 涼介は綾華にそう告げると、右手に握り締めたリボルバーを掲げる様に持ち上げ、左手で木製の戸を開けて中へと入って行く。

 その後に続いて綾華も中に入った。

 店内は昼時なのも相まって多数の客で賑わっていた。

 そんな店内を涼介は迷う事無く突き進み、奥の隅の席に座る目的の人物へと向かって行く。

 程無くして涼介は席の前に立つと、リボルバーの銃口を奥に座る紫色のパンツスーツに身を包んだ黒縁眼鏡の女へ向けた。

 強い殺意と共に銃口を向けられているにも関わらず、スーツの女は涼しい表情で涼介に顔を向けて優しく語り掛ける。


 「初めまして、ロン。そう言うべきだろう」


 淡々とした挨拶を受けた瞬間。

 涼介は驚きと困惑と共に引金に掛けた人差し指から()()()()と、殺意と憎悪と憤怒を霧散させながら問うた。


 「お前は誰だ?」


 困惑と共に問うた涼介の目の前に座る女は、()()()()()()()()。その上、纏っている雰囲気も酷似していた。

 だが、そうにも関わらず、涼介には怨敵と瓜二つの姿を持つ目の前の女が怨敵と決定的に異なる存在に思えてしまった。

 それ故に強く戸惑い、困惑しながら間抜けな声で問うてしまった。

 そんな涼介に女は答える。


 「確かに私は君の怨敵とは()()()()()()()。だが、君をあの箱庭へ誘い、貴様の愛した女を殺した()()()()()()()


 女の答えに涼介は確認するかの様に言葉を絞り出した。


 「つまり、奴の姉妹みたいなもんか?」


 「その認識で構わない」


 そう答えた女は白いハンカチを胸ポケットから静かに引っ張り出すと、ヒラヒラさせながら涼介に向けて告げる。


 「コレは君達に対して戦闘の意志は無いと言う白旗と思ってくれると助かる」


 女の言葉に涼介が銃口を下ろすと、女は言葉を続けた。


 「先ずは座り給え。私の話は君達にとっても損じゃない筈だ」


 その一言と共に涼介が向かいの席に座ると、女は綾華に改めて言葉を掛けた。


 「麻倉 綾華。君も座り給え」


 改めて自分にも言葉が向けられると、綾華は女を訝しみながら小さな声で呟いてしまう。


 「何で、私の名前を知ってるのよ?」


 その呟きに答える様に女はにこやかに言う。


 「君が凄腕の殺し屋で、()()()()()()()事や()() ()()()()()()事も知ってる」


 女の答えに綾華が戦慄し、SIG P228を握る手に力が無意識の内に籠もると、涼介は気にせずに綾華へ声を掛けた。


 「お前もはよ座れ」


 涼介の言葉で綾華が恐る恐る隣に座ると、女は語り始める。


 「先ずは先に明言しておこう……今回の勇者召喚に私を始めとした姉妹は一切関与していない」


 今回の勇者召喚の件に自分と自分の同位体全ては一切関与していない。

 淡々とした口調でそう告げると、女は続きを語っていく。


 「次に今から言う内容は私の友人からの頼みだが、多分。否、ロン……君は確実に嫌がる内容だ」


 そう前置きすると、女はハッキリと涼介が嫌がるであろう内容を告げる。


 「私の友人は()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その為に殺し屋を求めてる」


 女から放たれた言葉は、とんでもない。

 否、断じて聞き入れられない内容であった。

 それ故に涼介は即座にリボルバーを手にするや、女へ銃口を向けて吐き棄てる。


 「ふざけんな」


 それは断固拒否する事を意味していた。

 だが、女は気にせずに言葉を続ける。


 「私としては別に構わない。だが、話は最後まで聞いてくれると助かる」


 女がそう言えば、今まで沈黙していた綾華が口を開いた。


 「どう言う事なのか?説明してくれる?」


 綾華が説明要求すれば、女は説明していく。


 「今回の勇者召喚は私の友人の()()()()()()()()()()()そうだ。その為、当初は召喚された君達を始めとしたクラスメイト達を全員、元の世界へ()()()()()()()()()


 その言葉の内容に涼介と綾華が訝しむ。

 だが、女は気にせずに説明を続けた。


 「しかし、ある事情からソレは駄目と判断。その為、苦渋の決断として私に依頼した。召喚された少年少女37名を全員殺害して貰いたいと……」


 女は己の事情を説明したが、具体的な理由は一切語らなかった。

 そんな彼女の説明から1つの仮説を立てたのだろう。

 涼介は否定で返して欲しい。

 そう願いながら確認の為に尋ねた。


 「今回の勇者召喚の首謀者が、()()()()()()()って言うのか?」


 その問いを女は肯定した。


 「そうだ。友人曰く、オルドヴァ王家が実行させた勇者召喚の儀は()()()()()()()()()()()()()の魔力しか無かったそうだ。その為、37人の少年少女を召喚する事は()()()()()()()()だとも……」


 女が補足説明を交えて肯定すれば、涼介は項垂れてしまう。

 そんな涼介とは対照的に事情が上手く呑み込めなかった綾華は涼介に尋ねた。


 「どう言う事よ?本来なら送り帰す所を何か事情があって、駄目になったのは理解出来たけどさ、ソレが何処をどうすれば私達の中に今回の犯人が居るって言うのよ!?」


 綾華が声を荒げながら尋ねれば、涼介は説明していく。


 「良いか?本来なら、この世界の主()であろう其処に居る女の友人の意志に反して行われた勇者召喚では俺達全員を召喚するのは不可能な筈だ。それなのに成功したって事はだ、その召喚を俺達の世界で後押しした可能性が産まれる訳だ……」


 涼介の説明に流石の綾華も合点がいった様だ。


 「つまり、あの召喚はクラスメイトの誰かが計画していたモノって事なの?」


 確認する様に綾華が聞けば、涼介は肯定する。


 「そう言う事だ。俺の仮説だが、恐らくはこの世界に居た事がある奴の犯行と見るのが妥当だと思うんだが……其処はどうなんだ?」


 綾華に肯定すると共に自分の中で立てた仮説を女にぶつければ、女は涼介の仮説に対して答えた。


 「残念だが、私も私の友人も君達のクラスメイトの内の誰がこの世界に居た事があるか?解らない。だが、君の仮説は恐らく。否、確定だろう……」


 女の答えに涼介は「使えねぇ神様共だな」と、無礼な言葉を呑み込んでから納得で返した。


 「成る程な。だが、そうなると……俺達を含めたクラスメイトを全員巻き込んだ理由が解らないな」


 納得と共に浮上した疑問を挙げた涼介であったが、その理由が解る者はこの場に居なかった。

 だが、疑問を挙げた涼介自身は心の中で仮説を立てていた。


 俺とコイツ(綾華)を含めた全員を異世界へ送った理由……

 真っ先に浮かぶのは、人数を揃える事によるカモフラージュ。

 37人も容疑者が居るんだ。

 木を隠すなら森の中。

 ソレを実践出来る状況なら、首謀者からしたらしないよりはする方が遥かに良いに決まってる。

 そうすれば、37の容疑者を見張る手間を目の前の女の友人とやらは嫌でも割かざる得ない。

 その37の容疑者が好き勝手に動き回ってくれるんなら、()()()()()()()()()()()


 涼介が立てた仮説を首謀者が聞けば、拍手と共に称賛を送るだろう。

 涼介の仮説は見事に正鵠を射ていた。

 その仮説に女も同意見であった。


 「君が考えてる仮説は恐らくだが、正解だろう。"木を隠すなら森の中"……人間は良い(ことわざ)を作る。37のチート持ちが好き勝手にこの世界を荒らし回れば、私の友人は嫌でもソレに対処せざる得なくなる。首謀者からすれば、友人が対処に追われている間に悠々と目的へ歩を進めれば良いのだからな……」


 女の同意見とも言える言葉に涼介は吐き棄てる様に返した。


 「サラッと人の心を読むんじゃねぇよ」


 「私としては白羽の矢を立てた相手が有能か?否か?と言う点は重要なのでな……」


 さも当然の様に返した女に涼介は尋ねる。


 「ソレで?俺はアンタの御眼鏡に叶ったんですかねぇ?」


 「あぁ、文句無しだ。君を選んで正解だ」


 満足した様子で涼介の問いに肯定した女は改めて取引を持ち掛けた。


 「改めて取引だ。君達には今回のバカげた茶番の脚本を書いた者と、ソレに加担した者達の殺害を依頼したい」


 クラスメイト全員から今回の件に関与した者達の殺害に変われば、涼介は譲歩した。


 「首謀者がクラスメイトの誰か?は知らないが、ソイツは確実に碌でもない事を企んでる……なら、ソイツの企みを完全にブチ壊してやるのも悪くない」


 涼介は女の依頼を引き受ける事を選ぶかの様にそう答えれば、綾華は恐る恐ると言った様子でチャッカリと報酬を女に尋ね始めた。


 「あのー……元の世界に帰してくれるのは当然として、報酬は如何ほどですか?」


 「報酬は元の世界への帰還にプラスして、望む物を提供する事を確約しよう。無論、必要なモノは全て私が提供した上でだ……」


 破格の報酬に綾華は破顔すると、早速と言わんばかりに要求する。


 「なら、先ずは私の飼い主と話を付けといて貰います?その上で飼い主が提示して来た金額を飼い主に。ソレとは別に私には米ドルで1000万を……」


 いけしゃあしゃあ宣う綾華を女は認めた。


 「良いだろう。君にはソレを報酬として支払おう……さて、君はどうだねロン?」


 女が涼介の求める報酬を問えば、涼介は迷う事無く答えた。


 「あのクソ女と決着を付けさせろ」


 涼介が断固たる意志と共に要求した内容に女は困った様子で返す。


 「申し訳無いが、ソレは出来ない」


 「どうしてだ?」


 涼介が理由を問えば、女は淡々と答えた。


 「私の姉でもある君の怨敵は既に死を迎えている」


 「俺が生きているのにか?そんな訳あるか!」


 女の語った答えを否定すれば、女は更に言葉を続ける。


 「君が生きている。ソレこそ、私の姉が死を迎えた理由だよ……」


 「どう言う事だ?」


 涼介が再び理由を問えば、女は語る。


 「君は箱庭である存在の召喚方法を見付けただろう?ソレを実践した事で君と姉は焼き尽くされた。その際に姉は何を考えていたのか?私には解らないが、君の魂をその身で護り、君の肉体を己の血肉を用いて復元し、君を元の世界へ帰したのだ」


 女の語った突拍子も無い内容に部外者の綾華は首を大きく傾げ、涼介は納得のいかない様子であった。

 そんな涼介に女は言葉を続ける。


 「彼女に君へ伝える言葉を預かっている。今この場で伝えさせて貰う」


 そう告げると、女は預かっていた言葉を涼介へ告げていく。


 「ロン、君は勝者だ。そして、勝者は生きて帰ってこそ勝者。なので、僕は君を生かして帰す事を選んだ。君の美意識やプライドを強く傷付ける行為だろうけど、僕の知ったこっちゃない。僕としては強く、激しく、愛し(殺し)合った男が死ぬなんて耐えられない。だからこそ、僕は僕自身を対価にして君をあの時のあの場所へ帰した。では、良い人生を……以上だ」


 怨敵の遺した長々とした言葉に涼介は呆然としてしまった。

 そんな涼介に対し、女は気にする事無く言葉を淡々と続けていく。


 「コレを嘘偽りと捉えても君の自由だ。しかし、コレは私自身に誓って真実であると言っておく……」


 女はそう告げると、立ち上がって席を立とうとする。が、途中で何かを思い出したかの様に2人へ告げる。


 「君達に物資を用意してある」


 そう告げた女はテーブルの上に折り畳んだ1枚の小さな紙を置くと、更に続けて言う。


 「この座標に迎え。詳しい地図は君達の持つ端末(スマートフォン)にダウンロードしといた。ロン、()()()()()()()()()()()ナビゲートして貰えば直ぐに着くだろう」


 そう告げると、女は今度こそ席を立って消えた。

 折り畳まれた紙を取った綾華は呆然としたままの涼介へ恐る恐る尋ねる。


 「あー……大丈夫?」


 心配そうにする綾華の言葉で現実に戻ったのだろう。

 涼介は綾華に「大丈夫だ」そう返すと、綾華の持つ紙を見せて貰った。


 「コイツは座標だな」


 女の残した紙には数字の羅列しか書かれてなかった。

 そんな紙をテーブルに置いた涼介はスマートフォンをポケットから出すと、カメラを起動させて紙をパシャリと撮影。それから紙をポケットに突っ込むと、リボルバーを腰に戻しながら綾華に尋ねた。


 「俺が先導するけど、良いか?」


 「任せるわ」


 綾華がそう返せば、涼介は綾華と共に踊る人魚亭を後にするのであった。





別作品の魔女のヤクちゃんの場合だと、

首謀者が教室にセットした術式に即気付き、術式を解析→解析完了後に術式の要を全てブチ壊して廻る→ソレで首謀者を引き摺り出せたら皆殺し……って具合に計画実行すらさせない(断言


ロンは1度目の異世界でブラックラグーンのロックみたいな感じで付いた呼び名と思ってくれ


で、そのロンを絶対に来させる為に"依頼人"はロンが殺したがってる相手の文面で読んだ


そして、ソレは見事に成功した

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