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二元論思考との会話は諦めたほうが楽

作者: 樋口諭吉

 誰しも余裕がないときや、悩みや不安でワーキングメモリーが著しく制限されているときには、二元論的思考をしがちですね。


 善と悪、敵と味方。上か下か。


 あらゆるものを二値的に分類し、分類することでひとまずの安心を得る、そんな考え方。


 ぼくは二元論思考に嫌悪感を持ってますのでもっとキツイことを言うと、共感を生み、マウントを生み、いじめの温床になる、そんな考え方です。


 この二元論系に情報を投入すると、「既知のものとそれに近いもの」と「既知のものから遠いもの」に情報が二分されます。


 前者は確証バイアスによって受け入れられ、後者は認知的不協和によって排除されます。


 情報が入ってくるたびにこのフローが繰り返されるので、既知のものに近いものは確信を持って信じられ、既知のものから遠いものは顧みられることはない。という閉ざされた回路ができあがる。


 この回路、エコーチェンバーとして有名ですね。


 エコーチェンバーは主に二元論思考下で機能します。


 二元論思考の人に「そうじゃないよ!」と論理的に教えてあげるとしましょう。


 その情報は既知のものから遠いので排除されます。


 クラスの中にちょっと変わった子がいるとしましょう。


「あいつなんか違くね?」(認知的不協和)、「あの子なんか違うよねー」(確証バイアス)、違ったことがおきるたびに、心地よい共感に酔い、共感を増幅しつつループを回し、集団で「あの子」の排除をおこないます。


 いじめか、ハブか。


 意見も同じです。


 何度も繰り返し、エコーチェンバーが回るごとに意見が受け入れられない側に回されて、敵視される傾向が強まっていきますから、教えることは無益だ、とぼくは思っちゃいます。


 相手に聞く気がないなら何を言っても無駄ですし、敵視されるのは損です。


 エコーチェンバーを崩しても、システム的な介入は結局相手の思考の裏側に入ることになるので遅かれ早かれ認知的不協和は起きますし倫理的にも問題が生じるから無駄な力を割かず諦めたほうが楽、という結論になります。

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