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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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90話 破壊と狙い

まだ若干バテていますが投稿!来週は2本出せるだろうか…

 その後も報酬があるからかヤル気に満ちたフェルと八つ当たりと物欲を高めながらファイヤーボールやアースショット――試しにウォーターボールも飛ばしてみたがすぐに蒸発しちまった…本当に今いる場所の気温がぶっ飛んでるのを再認識したわ――を飛ばしまくること数分。

 バキッ、カラカラーン…


「いよし!ようやく割れたぞ!」

『やー!』

 時間経過で少しずつMPが回復するから休みながらではあったけど、ようやく樹皮が割れたか。俺もフェルみたいなMP回復が早くなるスキルが欲しい…ただ飛ぶMPまでも使ったからって俺が随所で肩車する羽目になったのは解せん!ちゃんと管理せい!


「お蔭で低い俊敏を限界まで発揮した気がするぞ…変なのも飛んできたし」

 途中からエルダートレントが本気になったのか高速回転しながら飛んでくるナニカを俺たちに向けて打ち出してきたから余計に疲れた。一体何だったんだあれ?

『んむ?』

「そうそうそんな感じのやつって、残ってるのかそれ」

 てっきり魔法をつかった弾みたいなもんだと思ってたけど違うんだな。えーっと、これは扇風機の羽の1片みたいなデカさだけど…種か?


翼果(よくか)ってやつっぽいけど、こんなのを飛ばしてやがったのか。薄い方がかなり鋭くなってるし当たってたら俺たちはもうこの場にいないな」

『んや!』

 縁起が悪いと思ったのかピュンと投げ捨てた種が地面に突き刺さった…よく見たら周囲にも同じように刺さっている。

「おっそろしい…まぁ、危険な攻撃がわかっただけ良しとするか。――ウィーツさん!こっちは準備オッケーです!」

 ”あいよ!そんじゃあソッチも任せたよ!”


 何処からともなくウィーツさんの声が聞こえるが、どこに居るのかわからん…アレが無くなってくのが見えてたからそこら辺に居るんだろうなとかは分かってたけど。

「了解でーす!さぁフェルよ、こっからは早いぞ?」

『んぬぅ』

 何すりゃいいんだっけって顔をするんじゃないよ。濃縮薬を頼まないぞ?

『んんー!』

「おわっ!心を読むんじゃない!」




「……合図をしてきたらと思ったらあの子達は何やってんだい」

「はっはっは、元気があって良いことだろう」

「混ざりに行きたいけど、我慢!」

「そうした方がいいさね。パネットが戻って来たらあのお玉の一撃を食らう羽目になるだろうからね!」

 頭を押さえながらもうあの一撃はいやー!と叫ぶピリンをよそに、戦斧を肩に担ぎ深く息をするウィーツ。


「いよし!じゃあ行ってくるかね。ピリンや次の付与を頼むよ!」

「うぇ!?…あ、はい!――ハイデクスト!」

 その付与魔法が発動したと同時に、エルダートレントへ走るウィーツの姿が露になっていく。

 ガサッ!


 いつの間にこんなに近くに反応が!と驚いたような反り返りをした枝の動きをしたかと思えば、この近づく魔力反応は防がねばならないとウィーツに向かって枝と種で攻撃を

 ”残念だけどまだこっちに付き合ってもらうぞ!”

 ’んやぁ!’

 しようとしたが、いつの間にか左右に散開した2人から火魔法を放たれたことによりそちらへの防御に専念しなければならなくなった…だがまだそこらへんに落ちている自分の樹皮を拾えばすぐ反撃を――

 カサ…?ガサガサ……バサッ!?


「残念だけどひとかけらも残してないよー♪」

「汚れたのであれば掃除が必要ですからな」

 安全圏から姿を現したピリンとフォルクの両名が手にしているのは、あの時に弾けて飛散したエルダートレントの炭化した樹皮。ピリンがマジックバッグからもう1枚取り出していることからまだまだ有るのだろう。


 ボウ!

 防ぐ手段を失い、枝に燃え移る火を消そうと躍起になるエルダートレント。だが消しても消しても違う場所から火が飛んできて燃え盛る鼬ごっこだ。

「いやぁ、樹皮で弾き返してくるのならその樹皮を回収しちゃえばいいじゃんって言われるとは思わなかった!」

「ただ道理ではありますがね。盾さえ無くなれば動かないモンスターなど的同然ですから」

「でもそれを私たちなら出来るって、妙な信頼でお願いされたのはなんでなんですかね?」

 確かに付与魔法で気配や魔力を隠す魔法はあるけど、話し合いの時まで伝えてなかったから知らない筈なんだけどなぁと不思議に思うピリン。


「それは簡単な話ですよ」

「簡単?」

「ええ、まずモルト殿は偽装の闇魔法を知っていましたから。物を隠せる魔法があるのなら姿を隠せる魔法もあるだろうと思ったのでしょう」

「なるほど、そう言えばフェルちゃんが居た洞窟の話で出てましたねー」

「それに…ほら」

 片手を差し出したかと思うと、いつの間にかエルダートレントの根元にまで到達し力を溜め始めているウィーツ。


「あの俊敏さならもし回収中に狙われたとしても問題ないと思ったのでしょう。勿論私と貴女もね…身に覚えがあるでしょう?」

「あはははー…めっちゃありますね」

 主にフェル関連で頑張ったからなーと片隅の記憶が囁いて…いや叫んでいる。

有能ではあるけどポンコツなピリン。というかそんなキャラばかり。


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