88話 準備と秘策
準備回はここまで!
どうにかそれ以外に出来んかと頼んでみたが、そこは譲れないと固辞されてしまった。アレを再び持つことになるのは嫌なんだけど?例え味が良くなったのだとしてもあのぶっ飛んだ辛さはご健在なわけだし…
こうなったらプロングさんに頼み込んでフェル用のポーションベルトかマジックバックを作ってもらおう。確か小さいのなら作れるって言ってたしどうにかできると信じたい…頼む!
「して、何か思い浮かばれたようですが」
「あぁええ。うまくハマれば一気に刈れるのが浮かびましたよ…ただ手を多大に借りることにはなりますが」
「あたしたちゃ当事者なんだから借りるなんて言葉必要ないよ!んで、なにをすりゃいいんだい?」
「この山を壊さない範囲なら全力出しちゃうわよ~」
「いやもっと抑えてもらって」
うん。この人たちが全力だしたら山が壊れるというか消えそうな予感がする…
「取り敢えず再生阻害に関してはフェルが居るとして…ウィーツさんはあれを伐採すること自体は出来るんですよね?」
「可能だよ!ただそのためのアーツが結構な範囲なのが考え物だけどね!範囲にいると消し飛ぶよ!」
「消し飛ぶって…ま、まぁ可能ならいいです。んで核についてなんですけど、どこまで移動するとかわかってるんですかね?」
「核の移動範囲については幹全体になりますな。根や枝に移動するというのは聞いたことがありません」
「成程…」
なら核が地面の方にまで来たら伐採してもらっちゃうか。上だと逃げ回りそうな気がするし…今考えてる方法だとそっちの方がいいだろう。
「んじゃ伐採は魔力視で地面近くまで移動したのを確認して合図を送りますんで…あそこぐらいの高さでお願いできますかね?」
「あいよ!わかりやすい目印だし問題ないさね」
「ありがとうございます!それでフォルクさんなんですけど、核の位置をお伝えするので破壊をお願いできますか?」
「構いませんが…私でよろしいので?モルト殿かフェル君が担うものかと思っていましたが」
「いやいやいや、まだレベル6にしかなってないぺーぺーじゃ出来ませんって」
そうですかと若干残念そうにしながらも了承してくれた…あんなでか物にこんな低レベルで対峙していること自体がおかしいから勘弁してください!
「んで次は…ピリンさんって細工師だって聞いたんですけど、付与とかが出来るんですかね?」
「そりゃ細工師ですもの。刻印でも魔石を使った付与でも色々できるわよー」
成程…結構応用が利きそうな職業というかスキルを持ってるんだな。んで付与と言えばだ。
「それって人にも出来ますか?」
「んー……一応は可能よ。ただ強化付与は細工師になる為に覚えた基本的なのしか覚えていないわよ?」
「十分です!後は陶器だったりガラス製の壺みたいな物って持ってますかね?」
「壺?流石に私は持ってないわねー」
「甕で良かったら空のものが幾つかあるわよ~」
「…お母さんいつも思ってたけど、何で甕なんか持ち歩いてるの?」
「木の実や野草を採取した時の保存に使うのよ。裸のままだと少しずつしか出せないから不便なのよ~」
お、意図してはなかったけど良い情報が手に入ったな。というのも、マジックバッグからバーンベリーを出すときに手のひらにこぼれないぐらいしか出せなくて面倒だったんだよ…フェルに袋を渡してそれを入れたから別枠になってるかも…いやそれも後で確認だ。
「その甕って1つ2つ頂いてもいいですか?後でお代は払いますんで」
「それぐらいならいっぱい持ってるからあげちゃうわよ。気が引けるのならバーンベリーのお礼の1つだと思って頂戴な~」
「なら有り難く頂きます!」
パネットさんがだしてくれた抱えるぐらいの大きさの磁器製の甕を2つ受け取って地面に置く。模様やらが描かれていないシンプルな物だけど、これもプロングさんが作ってたり…流石にそれはないか。
後お礼の1つってのが引っかかるけど、流石に今はエルダートレント戦の準備だから聞くのは置いとこう…激辛ベリー料理とか渡されないよな?
「でもこんなの何に使うの?」
「これはですね、フェルのスキルによってエルダートレントへの特効薬になるんですよ」
『う?』
「そうお前のスキルだぞ――さぁこいつに…を使ってくれ!」
『ん!』
さぁ、これが済めばエルダートレント狩りだ!村の作物のためにも頑張るぞ!
使ったスキルは結構わかりやすいかも?
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