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8話 精霊と検査終了

忘れたころにやってくる。

 泉に浮かぶ青髪の少女。

 恐らく泉の精霊なんだろうけど。


 ぷるぷる

⦅ええ、無事に帰ってきて良かったわ~その腕輪はお礼だから受け取って頂戴ね~⦆

「あっはい。…取り敢えず右手首にでもつけとくか」 

随分とゆるい感じの精霊だなぁ。


それよりも――


『え、えっとその、せ、せせ、せいれ、さ、さま』

 まずはこの動転しすぎているシーズをどうにかせねばと考える。


⦅そんなに緊張しないでちょうだい~助けてもらったのはこちらなんだから~⦆

『は、ははは、はい!』


何かしらの衝撃でも加えれば目が覚めるだろうかと考え、さっそく実行に移すことにした。


 がしっ

 耕司はシーズを鷲掴みにした!


『うぇ!え、ちょっとなにし「発射!」いやあぁぁぁ!』

 そしてそのまま思い切り投げた!

 シーズはそのまま直線状に勢いよく飛んで行き


 ボチャン!


 精霊の泉へ水しぶきを上げながら沈んでいった。


「ヨシ!」

⦅大丈夫かしら?溺れないといいんだけど~⦆

 ぷる…ぷる


 そういい顔に手を当てる精霊。溺れそうになっている場所あなたの住んでいる泉ですよ?


 ブクブクブク…バシャ!


『ぶはっ!何してくれんのよ!?思いっきり水飲んじゃったじゃないの!』

「精霊の居る泉の水なんだからご利益ありそうだしいいじゃん」

『いいわけあるかぁ!』

 泉から飛び出しながら、ハリセンを呼び出し頭を狙うシーズ。必ずやこの暴虐の草人間を倒すのだ。


 パスンッ!


『んな!』

「そう何度も食らうつもりはないぞ!」

 が、事前に予測していた草刈り野郎にふさがれてしまった!


『素直に喰らいなさい!』

「お断り致す!」

 パスン!パスン!パスン!


 何度もハリセンで狙うシーズであるが、その全てが防がれてしまう。なんで当たらないのよー!とさらに叩いていくが、答えは簡単である。


 ムキになっているせいで頭しか叩こうとしていないのだ。


⦅あらあら、元気な子たちねぇ~⦆

 ぴょんぴょん!


それだけで済ませてよいものだろうか…確かに元気ではあるが。


『…はっ!す、すみません精霊様!泉に入っちゃうなんて…ほらあんたも謝るの!』

⦅別に大丈夫よ~目を覚まさせるためだったみたいで悪意はなさそうだし。ちょっと強引だったけどね~⦆


「あざっす!」

『感謝が軽い!』

 パコン!

「ふごっ」


⦅うふふ、本当に仲のいい子たちね。でもここで油を売っていていいのかしら~?お役目があるんじゃないの~?⦆

「お役目?」

『あぁそうだわ!?大樹に向かわなくちゃ!』

 そんなこと説明されたっけなと耕司は首を傾げる。ノーマ草を見つけた際にその時の事は全て飛んでいったようだ。


『いろいろなことが起こりすぎてすっかり頭から抜け落ちてたわ。早く向かうわよ!』

「向かう途中でまだ採取したいんだが」

『それは譲れ「ない」…じゃあ、なるべく早く向かうわよ!』

「了解!スライムもついてくるか?」

 ぷる…ふるふる

「そうか。まぁここがお前の居場所だもんな」

 どうやらスライムとはここでお別れのようだ。


『それでは精霊様、私たちはこれにて失礼いたします!またお会いできる縁があると嬉しいです!』

⦅ええ、また会いましょうね~⦆

「じゃーなースライム。泉の精霊もサヨナラー」

 ぴょんぴょん!

『だから軽いのよ!』


 パスンパスンとハリセンが防がれて出る気の抜けた音を奏でながらも2人は大樹の元へと向かっていった。




そして――

「びっくりするぐらい何も起こらなかったな」

『普通はこういうものよ?道としては狭いけど人の往来や、モンスターはそんなに居ないのよ』


 あの後ノーマ草の藪を刈った跡地を頼りに元の道へ帰ってきた二人は、ただただのどかな道を進み大樹の目の前まで来ていた。


「邪魔されることなく採取できたしいいか」

『結局色々と寄り道してくれちゃって…倍ぐらいに増えているんじゃないかしら』

 実際はこんもりした小山ぐらいにまで効能のある草花は集まっている。ノーマ草?2トントラック一杯分ぐらいはあるんじゃないですかね。


「見るか?」

『出さんでよろしい!』

 バッグから出そうものなら、シーズは青臭い緑の山に埋もれることになっていただろう。


「で、大樹までたどり着いたわけだが。何もないな?」

『あれー?ゴールはここだって言われてきたんだけど』

「それどこ情報なんだ」


『妖精王様…直属の大妖精様の部下の高位妖精様の部下の中位妖精さんよ』

「それ絶対に抜けがあるだろ」

 途中でここ伝えなくても良いだろとかの自己判断がありそうなもんだ。


『そんなことはない――はずよ!』

「心当たりありそうだな。まぁ取り敢えずでもう少し大樹に近づいてみるか…ついでに観察をさせて欲しい」

『あんたねぇ』

 そうやり取りをしつつ大樹に近づいてゆくと


<大樹への接近を確認。検査を終了します。>


 パアァァァッ!


 見覚えがある眩い光が眼前に発生し

『「目がっ…!目がぁぁぁぁあっ!!」』


 今度は2人して大佐になりながら消えていくのであった。



 ――2人が去った後の泉にて


 泉の精霊とスライムは2人の姿が見えなくなった後もその方向を見つめていた。


⦅面白い子たちだったわね~⦆

 ふるふる

⦅最初は鍬で狩られるところだったって?でもそのあと助けられたんだからいいじゃないの~何かあっても私が何とかしてあげたし~⦆

 ぷる…ぷる

⦅ゴブリンたちの時に助けてくれって言われても。周辺の警備だって言って飛び出していったのはどこの誰だったかしら?反省は大事よ~⦆

 …


⦅それにしても抱えられてここまでくるなんて随分と懐いたのね~ついていこうとは思わなかったの?⦆

 ぴょ…ふるふる

⦅私を独りにしておけるわけないじゃないかって…この草原じゃ私と同等か超えてくるのなんて、あの大樹に居るのしかいないから安全よ~?⦆


地味にここら一帯のボスのような存在である。大樹の方はやってきたシーズ達を大佐化させた。


 ふるふるふる!

⦅そうじゃなくて何も考えずに広げる花園の管理?綺麗だからいいじゃない…あ、ちょっと~⦆


 付き合っていられないと判断したのか、スライムは花園の手入れをするために祠から離れていってしまった。




⦅ついて行かないのか聞いた時にちょっと悩んでいたわね~私が独りだというのが心配なら、そうじゃなければ解決じゃないかしら~?⦆

そんなわけで再びの発光でした。

この場所はパラレルワールドのような扱いで、個別に用意されています。

その内スライムたちは再登場させたいですが、遅筆なものでいつの登場になるのか…


修正:腕輪を人差し指に装着していました…引っ掛けているだけやんけ!


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≫「あっはい。…取り敢えず人差し指にでもつけとくか」 腕輪を人差し指につけてます!w
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