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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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71話 最終確認と発光

やっと考えていたネタが出せる…一部だけだけど。

 パネットさんが興奮しながら何の料理に使うべきか話す声をBGMにして、俺たちもバーンベリー摘みを始めた。ただフェルはマジックバッグを持ってないので、フォルクさん宅にあった編み籠を借してもらった…なんならマジックバッグは幾つかあるからあげようかと言われたけど、流石に高価だって知ってるものを頂くのは忍びないので籠を借りるだけに留めた。

『むー』

 そんなフェルは数あるベリーの中からきちんと良い品質の物を選んで摘んでるようだ…実の大きさは分かるけど、摘んでるのはブルーム有無とかってのは関係なさそうだし判別がムズイ。


『ん~♪』

「お、かなり良いのに当たったか?」

 ただ選び取ってはいるけど、こんな感じにつまみ食いをしてるから籠にそこまでの量は溜まらなそうだ…というかもう満腹度が減ってるのか?…おやつを入れるように容量の小さなマジックバッグとかを持たせた方がいい気がする。


「ちゃんとそこら辺のも籠に入れといてくれよな」

『う!』

 ビシィとサムズアップして答えてくれた。その親指の染まり具合と口周辺の弁当を見なければ頼りになる顔をしてるな。

「にしても本当に多い」

「気温もそうですが、魔力の通り道の近くに生えていたのも変異の要因でしょうな」

「魔力ですか?」

「そう!変異種は外的要因と豊富な魔力によって発生するって言われてるのさ」

 正にこの場所ってわけだ…現実でも外的要因で植物も動物も変異するが結構ゆっくりだからなぁ。その変異速度を魔力が補ってくれる感じかな?

 そんでチャコールトレントもだけど、このバーンベリーの茂みも魔力を吸ってたから芽吹く前のフェルは空中で魔力を運んでたんだな。


 魔力と言えばだけど。

「そういや山を下りてから魔力が吸われてないか見てなかったな…」

「おやそうなのかい?」

「ええ。洞窟やプロングさんと合流する前の分岐では確認したんですけど…すみません重要なことなのに」

 合流してからは色々とあったからすっぽ抜けてたぜ…こりゃいかん。


「問題ありませんよ。分岐の時点で魔力は向かって来ていなかったのでしょう?」

「ですね」

「なら十分確認してるじゃないかい!」

「いやまぁ依頼ですから。すぐ終わるのでやっておきますね」

 早速魔力視を発動して山との境周辺を見て観るが。


「う~ん、特に流れとかはなさそうですね。代わりに地面が少し輝いてますけど」

「恐らく輝いているのは魔力が豊富な証でしょうな」

「めでたいねぇ!これで後は種を蒔いた畑から芽が出るのを待つだけさ!」

 既に蒔いてあるのか…解決に動いてるとわかってからの行動が早い!


「よし!無事に分かったところでベリー摘みを再開っと…ん?」

 山へ向けていた体を戻し、バーンベリーの茂みに戻ってみると――生っている実のごく一部が光っている。

「なんじゃこりゃ」

 試しに光っている実を1粒プチっと摘む。内側に隠れるように実ってるやつばっかだな…んでこいつは他の実達より大きいな!

「下手すりゃふぇるが積んだ実よりもでかいぞ」

『む!』

 なんだと!といった感じでこちらに近づいてきて籠からゴソゴソとバーンベリーを手に取って見せてきた。


「うん、やっぱり少しでかいな…ほら」

 フェルが見せてくる実のサイズは手の親指の爪ぐらいの大きさ――因みに普通の実の大きさは7ミリ程である――だが、俺が摘んだ実の大きさはこいつだ!

 コロン

『おー!』

 モルトの手のひらにある実のサイズは1円玉ほどの大きさであり、確かにフェルが摘んでいた実達より大きい。流石にこの大きさの実は無かったのか素直に拍手をしてくれてるしついでによだれも垂れてきてる。


【バーンベリー・品質6】


 鑑定をしてみるとやっぱり品質もかなり良い…まぁ上限が10までなのかは知らんけどな!でも、本当にポツポツとしかないしこれ以上の質は望めなさそうか?これ以上の品質となると畑できちんとした環境を整えて栽培するしかないのかね。腕が鳴るぜ…まだ畑ないけど!

 っとそれはそれとしてだ。

「見る限り数が少なそうだからあげられんぞ」

『むーぅ』

 口から涎を生産しながらベリーを持つ手のひらの左右をユラユラと飛ぶフェルに拒否すると、不満げな顔でわざわざ飛ぶ高さをモルトの顔近くに変えて抗議してきた。


「このままでも旨いんだろうけど、これで何か作った方が良いと思うぞ?それにお前が気に入りそうなおやつも作って来たんだから」

『んむ…』

 確かに…でも食べてみたいなぁとチラチラ確認してくる。諦めの悪い…そんでさっきから足からジェットを出すという地味に器用な事をするんじゃない。ア〇ムか己は。

「てか内側に有るってのが分かったしフェルも取ればいいんじゃ」

『……』

 悲しげな顔をしたと思えばバーンベリーの木に向かい、正確に光ってる品質の高い実に向かって手を伸ばした――その手は届いていないが。


「あー…場所は分かるけど内側に生ってるから届かないんだな」

 だから仕方がなく他の品質が高いのを摘んでたのか。それでも品質5だから凄いことなんだけど。

「でも掻き分けたりすればいいんじゃ…あ、筋力低かったな」

 ジェットで突っ込むのも手だけど、それをすると枝が折れる可能性もあるし怪我するだろうな。

『ん!…う?』

 そう言う事と頷き、だから頂戴と笑顔で手を出してくる。


「いややらんて」

『むー!!』

足でのジェットでアイアンアームの曲が流れてきました…


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